銭ゲバ

原作:ジョージ秋山 「銭ゲバ
P:河野英裕
主題歌:かりゆし58 「さよなら(初回限定盤)(DVD付)

第1話
「愛をください・・・
金のためなら何でもするズラ!!」
脚本:岡田惠和
演出:大谷太郎

いやぁ・・・初回を見終わった後に一言言うとすれば「エライもん見ちゃったな。」って感じでしょうか?
それくらい重苦しい雰囲気でした。

貧しい暮らしの毎日で金しか信用しなくなった蒲郡風太郎(松山ケンイチ)。
父親・健蔵(椎名桔平)は働かずふらふらしていて、母・桃子(奥貫薫)は病弱ながらも必死に風太郎(幼少期:斎藤隆成)を育てていた。
給食費も払えないほどの貧乏暮らし、母親は自分の病気の治療に必要な薬も買えず、その日を生き抜くのが精一杯。
それでも風太郎は優しい母親が大好きだった。
しかし、その母親が亡くなってしまうのよ。
薬を買えずに飲んでいるふりをしていたことを知った風太郎は、母が死んだのはお金がなかったからだと思ったんだよね。
風太郎はある晩、預けられた施設を抜け出し、街角で酔っぱらって寝ているサラリーマンの財布を盗もうとして、宏(近藤公園)に見つかってしまう。
宏は風太郎の兄貴的存在で、いろいろと世話を焼いてくれてた良い青年だったよね。
キャッチボールもしたことがない風太郎の相手になって、お古のバットやグローブもくれたし・・・。
そんな宏が風太郎に盗んだ財布を返しに行こうと諭してくれたのに、すでに金しか信用できなくなっていた風太郎は、宏をバットで殴り殺してしまうのよ。
宏にもらったバットなのに・・・。
何だかものすごくせつなくて、心が痛くて、また斎藤隆成君がウマイもんだから余計に重いものを飲み込んじゃったような感じがして、ずどーんと体が重たくなっちゃったわ。

で、時は経ち、大人になった風太郎は派遣社員として工場で働いていました。
ところが、同じ派遣で働いていた寺田(田口トモロヲ)に金を盗まれそうになり、またしても撲殺。
この事件を調べに来た刑事・荻野(宮川大輔)が、どうやら風太郎が子供の頃に殺した宏の兄のようですね。

派遣先をクビになった風太郎の新しい職場が三國造船。
ここも子供の頃からの因縁がある場所らしいよ。
三國家の長女・緑(ミムラ)とは小さい頃に会った事があって、しかもマカロンを盗もうとしたと軽蔑され、まだ亡くなる前の桃子が三國家に頭を下げに来たという嫌な思い出があるらしい。
たまたま出されたマカロンが美味しかったからお母さんにも食べさせたくてランドセルに詰めていたのを緑(幼少期:森迫永依)に見つかっちゃって・・・という状況だったのに、「盗もうとしたの?」ってそりゃないだろお嬢様・・・と思っちゃったよ。
育ちの良いお嬢様なら「そんなところに詰め込まなくても、ちゃんと包んで差し上げたのに・・・。」ぐらい言えっつーの!

そんな三國造船が派遣先に決まった風太郎は何か心に決めたようで、緑が運転する車の前にわざと飛び出し病院へ運ばれましたよ。
きっと何かを企んでいるのね。

しかし、松山ケンイチっていろんな表情を見せてくれる役者さんだなぁ。
この先も楽しみだよ。

第2話
「愛は金で買えるズラ!!」
脚本:岡田惠和
演出:大谷太郎

ズシーンと重い感じのするドラマなんだけど、この重さがたまらんのだよ!

風太郎(松山ケンイチ)の狙いがはっきり見えてきましたね。
三國造船を狙っているらしい。
そのために緑(ミムラ)の車の前に飛び出し、近付くきっかけを作ったわけですが、緑よりも近付きやすいターゲットを見つけたみたいで・・・。
それが緑の妹・茜(木南晴夏)なんだよね。
顔にアザがあり、誰にも心を開かない茜の態度を見ていて、同じように顔に傷を持つ自分なら彼女の心の隙間に入り込めると計算したのでしょう。

緑に誘われた船上パーティーで白川(田中圭)の高価な時計を茜が壊した事を知った風太郎は、その時計を隠すんですよ。
で、時計がなくなったと騒ぐ白川はみすぼらしい格好の風太郎を疑うんだけど、みんなの前で服を脱いで調べても時計は出て来ず・・・。
で、風太郎は茜の前で隠した時計を拾って来て、それを海に捨てて見せるのよね。
風太郎なら自分の気持ちを理解してくれると思った茜は、父親・譲次(山本圭)にあるお願いをする。

緑から茜のことで父に会ってほしいと頼まれた風太郎は、三國の家に連れて行かれ、そこで譲次と対面するんだけど、この時風太郎の顔の傷を見た譲次の態度がわかりやすくてね〜。
でも、こんなもんかもなぁ・・・って思わせる雰囲気で、妙にリアルな感じがしちゃったわ。
茜のお願いというのは、風太郎に相談相手として一緒に家に住んでほしいというものだった。
譲次も風太郎を実際に見るまでは前向きに考えていたんだろうけど、目の前にした風太郎があまりに想像した人物とかけ離れていたのか、反対し始めるんだよね。
それでも茜はお願いを聞いてくれなきゃ死ぬと父親を脅し、風太郎を一緒に住まわせる事を認めさせました。

風太郎にとっては、望み通りの展開になったわけで・・・。
あとは茜の心をしっかり自分に向わせれば、第一段階はクリアってところだよね。
しかし、茜が必死に父親と戦っているとき、廊下で様子をうかがってほくそ笑んでる風太郎を三國家のお手伝いさんが見ていたのが気になります。

銭のためなら茜に「好きだ」というのも簡単なようで、いとも簡単に茜のハートをGETしてしまった風太郎。
しかし、その風太郎がかぎつけた銭のにおいを、さらに追う人物が一人。
そう!風太郎の父親・健蔵(椎名桔平)ですよ。
健蔵の存在が風太郎にとって誤算を招くような気がして仕方ないんですが・・・。

見終わった後、どっと疲れるんだけど、見ずにはいられない・・・そんなドラマですね〜。

第3話
「罠!美しい心が欲しいズラ」
脚本:岡田惠和
演出:狩山俊輔

風太郎(松山ケンイチ)の父ちゃん・健蔵(椎名桔平)は、本当にどうしようもないヤツですね。ヽ(`Д´)ノプンプン
風太郎が三國の家に入り込んだのを知って金をせびりに来るとは・・・。
しかし、金に異様なまでの執着を見せる風太郎は、健蔵から奪われた金を取り返し父親の首を容赦なく絞めるんですよ。
怖かったわ〜。
そして、去り際に1円玉を投げ捨て「銭ズラ!」ですよ!
親子の会話とは思えませんよね。
また、この光景を刑事の荻野(宮川大輔)が見ていた事で、ますます風太郎に対する疑いが強くなりそうなんですけど・・・。

疑うと言えば、風太郎を強く疑っていたのが白川(田中圭)。
緑(ミムラ)にも忠告して、風太郎自身にも「化けの皮を剥いでやる」と宣言してましたが、その疑いを晴らすためか風太郎はある作戦を立てました。
男(正名僕蔵)を金で雇い、白川や茜(木南晴夏)がいる前で緑を襲わせたのよ。
で、それを助けようとした風太郎を男が刺すという筋書きなんだけど、もみ合っている男の耳元で「刺せ!」と指示する風太郎が怖かったよ〜。(;つД`)
自分の体に傷を負っても、信用を勝ち取りたい。
そして、その信用を元に三國造船を手に入れたいって事なんでしょ?
ものすごい執念だよね。
緑はこの一件であっさりと風太郎を信じたみたいだけど、風太郎を刺した男がコインロッカーから金を取り出して持ち去るのを見た白川は、より疑いの眼差しで風太郎を見るようになるわけで・・・。

ついに風太郎に向かって三國の家を出て行けと言っちゃうわけですよ。
これで、もう白川を殺す以外に方法がないと思ったのか、風太郎はまたまた簡単に人殺しをしてしまうわけです。
白川の遺体を庭に埋めて帰ってきた風太郎が、その泥を落とすためにシャワーをしてるんだけど、泥だらけの革ジャンをまたお手伝いさんが見てませんでしたか?
相当、怪しまれてると思うんだけど、風太郎は全く気付いてないのかしら?
っつーか、気付かれたが最後、お手伝いさんの命はないものと思われるのですが・・・。(゚ー゚;Aアセアセ

緑を助けた事で、譲次(山本圭)も少しは風太郎を信用したみたいだけど、誕生日が近付いた茜が「風太郎さんが欲しい。結婚させてください。」と言い出して・・・。
さすがにそれは譲次も許さないでしょう。
風太郎が次にどんな手を考えているのか、あぁ、続きが気になる〜。
でも、埋めた白川の死体は早々に見つかってしまうみたいね。
風太郎にとってはピンチ!どう切り抜けるのでしょうか?

第4話
「僕の家族は母さんだけズラ」
脚本:岡田惠和
演出:大谷太郎

結婚したいという茜(木南晴夏)に、育ってきた環境、家柄の違いを挙げて「それは出来ない」という風太郎(松山ケンイチ)。
家を出るとまで言った茜に「貧しいって事がわかってない」と言い放ち、風太郎は三國家を出ることに・・・。
でも、これは全て計算なんだよね。
こうやって自分の身のほどを分かっているふりをして一度は三國家を離れ、信用を得て呼び戻されるのを待つってわけだ。

ところが、なかなかお呼びがかからなくて苛立ち始めたり、風太郎には珍しく感情が出ていたのが興味深かった。
それだけ風太郎がこの芝居に人生を賭けたことがよくわかったよ。

そんな中、思いつめた茜が自殺を図り、ついに緑(ミムラ)が風太郎を呼び戻しにやって来た。
譲次(山本圭)も認めていると・・・。
待ちに待った展開だよね。
こうして計算通り、三國家へ戻った風太郎だったんだけど、計算外だったのは三國家に健蔵(椎名桔平)が現われた事だよ!
父ちゃんったら金の匂いには敏感なんだから・・・。(゚ー゚;Aアセアセ
ただやってきただけでなく、ずうずうしくも「泊まっていく」とまで言いやがって・・・。

そして、その晩、健蔵は取り乱して庭を走ってくるお手伝いさんを見てしまうわけよ。
お手伝いさん、ゴミを捨てに行こうとして庭の土中から鳴り響く携帯の着信音を聞いちゃったのです。
風太郎も携帯の電源ぐらい切って埋めればよかったのに・・・。
緑が白川(田中圭)にたまたま電話してた時に、お手伝いさんが白川が埋まってる場所を通りかかるなんて、風太郎にとっては運が悪かったよなぁ。
で、お手伝いさんは土を掘り起こし、埋まってる手の一部を見て屋敷に逃げ帰った。
その慌てる姿を見て、健蔵は察しちゃったんですね〜。

荻野(宮川大輔)に匿名の電話でタレコミがあり、三國家の庭に死体が埋まっているという情報が伝えられる。
で、荻野が三國家にやって来て庭を掘り起こすわけですよ。
当然、風太郎は焦るよね〜。
今回ばかりはピンチって事で、珍しく刑事の前で追いつめられた表情を出してしまうんだけど、掘っても掘っても死体は出ず・・・。
やっとあったのは「バカが見る」と書かれた紙一枚。
なんと、健蔵があの後で掘り起こしていたとは・・・。

とりあえず、この危機を回避する事は出来たけど、健蔵に弱みを握られたというのは厄介ですなぁ。
そうなると風太郎は父親を殺そうと思ったりするんだろうか?
でも、あの父ちゃんは殺しても死なないような気がするが・・・。(^▽^;)

伊豆屋で風太郎と瓜二つだという由香(石橋杏奈)の兄・真一(松山ケンイチ・二役)が金を借りに来て保彦(光石研)が貸してやったと知った風太郎が、わざと伊豆屋の前に金の入った封筒を落として伊豆屋の面々の反応を楽しみに見てるんだけど、誠実な伊豆屋の皆様は通りかかったお巡りさんにお金を届けるんだよね。
心がきれいな人たちを目の当たりにして、金が全てだと思っている風太郎はどう思ったかしら?
伊豆屋でいつも米一粒さえ残さずに食べていた風太郎が、今回はたくさん残して食事を終えたのも象徴的だったよね。

第5話
「友情も愛も必要ないズラ・・・」
脚本:岡田惠和
演出:狩山俊輔

まんまと三國家の婿に納まった風太郎(松山ケンイチ)。
譲次(山本圭)の信頼も得て、スーツ姿で譲次の右腕となって働くまでになって、万々歳じゃないですか!
でも、風太郎が目指すのはあくまでも三國の家、そして会社を乗っ取ることなんだよね。

そんな中、三國造船に爆破予告の電話が入り、風太郎はかつての派遣仲間だった枝野(柄本時生)を捕まえる。
もうすぐガンで死ぬという枝野は急に金持ってる奴らが憎くなり、生きている証拠を残したくて三國造船を脅迫したらしい。
両親をすでに亡くし、枝野本人の余命もわずか・・・こう聞いて風太郎がこの人材を利用しないわけがないよね。

で、風太郎は金と引き換えにある計画を枝野に持ちかけるのよ。
派遣時代に自分を助けてくれた風太郎、そして今回の爆破予告を警察に知らせずに済ませてくれた風太郎を枝野は「友達」と呼ぶわけだ。
枝野は決して口先だけでなく、心からの信頼で「友達」と呼んでるんだよね。
そんな枝野の言葉や健蔵(椎名桔平)の言葉が、今回は風太郎の心を揺さぶり始めたようでした。

健蔵が何気に言った「このままでいいんじゃないの?」という言葉。
同じように枝野も「素朴な質問・・・このままでいいんじゃないの?」と同じことを問いかけてたよね。
意外にも健蔵の口から出た「お金で買えないものもある。たとえば友情とか愛とか・・・。」というまともな台詞や、枝野が何度も言った「友達だから」という言葉。
今までの風太郎ならこんな言葉に流されることはなかったはずだけど、少しずつ鉄壁の心を愛や友情というものが壊そうとしているようで・・・。

譲次は完璧に風太郎に信頼を寄せていたようで、三國家の墓に連れて行ったり、風太郎がよく行く伊豆屋に連れて行ってもらって「べら定食」を食べたりして、「息子」との生活を喜んでいるようでした。
だからこそ、その後で枝野に頼んだ計画が実行されたのが悲しかった。
風太郎が枝野に頼んだのは譲次の殺害と枝野自身の自殺。
三國造船に恨みのある派遣社員の犯行って事で片付けて、自分が社長の椅子に座るという計画だったんでしょうが、ここまで譲次が風太郎を信じてくれていたのに・・・と思うと、あまりにも残酷な風太郎の計画が悲しくて仕方なかったよ。
今回ばかりは風太郎本人も心が痛んだようで、初めて生まれた罪悪感を紛らわすようにビルの屋上から金をばら撒いたりしてましたよね。
その金に群がる人々を見て「間違ってない」と自分に言い聞かせる風太郎。
すでに間違いだったことには気付いてるはず。
でも、引き返すこともできないのでしょう。

風太郎を疑い始めていた緑(ミムラ)が茜(木南晴夏)に実は風太郎が恐ろしい人で・・・と話した時、茜が取り乱すどころか「そんなのどうでもいい」と言ったのには驚いた。
茜は風太郎が金目当てで自分に近付いたこともわかっていたのか・・・。
それでも風太郎を愛しているし、愛されたいと思っている。
全くブレない茜の想いに対して、風太郎の本性を知った緑は父親の死もあって精神的に壊れてしまったみたい。

風太郎は念願の社長の座に就いたけど、健蔵が邪魔なんだよね。
今回「いくらあったら死んでくれる?」と聞いた風太郎に、健蔵がジョークで「10億とか?」と答えたんだけど、どうやら次回本当に10億用意して父親に死を迫るようです。
だからって10億もらって死ぬ父ちゃんじゃあるまいし、どうなっちゃうんでしょうね?

伊豆屋で譲次が過去の家出話を風太郎に聞かせていたけど、日雇いで働いていた時に知り合った女性というのが、もしや風太郎のお母さんだったりして・・・と思ってしまった。
さすがにそれは考えすぎかな?(^^ゞ

第6話
「逮捕・・・金が招いた不幸ズラ」
脚本:岡田惠和
演出:大谷太郎

社長の座に就いて金持ちにはなれたけど虚しいだけだったね・・・風太郎(松山ケンイチ)。
素直な気持ちになれるのは、亡くなった母親・桃子(奥貫薫)のお墓の前だけ・・・。
そこで「ごめんなさい」と頭を下げる気持ちがあるのに、何故母親が悲しみそうな方向に進んでしまうんだろう。

その墓参りの帰り、風太郎は桃子そっくりのホームレスの女性・寛子(奥貫薫・二役)を見かけるんですわ。
母そっくりの女性が汚れた格好でいるのを見ていられなかったんでしょうね。
高級ホテルへ連れて行き、お風呂に入らせて、服やバッグを買い与え、さらには現金も渡し・・・。
これが彼にとっての正しいお金の使い道だったんでしょうか?
でもね・・・最初に見かけた時の寛子さん、ホームレスだったけど素敵な笑顔で仲間と笑ってたんだよね。
何がその人にとっての幸せかって事を、もっと冷静に見ることができていれば、あんなことにはならなかったのに・・・。

とりあえず寛子さんの話はおいといて・・・、荻野(宮川大輔)VS風太郎。
荻野に心臓の悪い妻がいることを調べた風太郎は、荻野を呼び出し金をちらつかせます。
「お金で助かる命なら助けてあげればいいじゃないですか。」
こんな事で自分を怪しいと睨んでいる荻野を買収できると思ったんですかね?
金に傾くどころか、荻野の風太郎を逮捕するという気持ちはより強くなったようで、我慢しきれずに風太郎を殴りつけてましたね。

お手伝いの春子(志保)も脅して口封じ。
荻野の妻も病院の階段から突き落とし、これで充分な脅しになったと高をくくっていたんでしょう。
健蔵(椎名桔平)にも10億円を渡し、「約束を果たせ」と死を迫っていたし・・・。
風太郎は自分の中でこれで完璧だと油断していたのかもしれませんね。
茜(木南晴夏)の前では声を荒げて本性を出したり、精神的におかしくなった緑(ミムラ)の前でも本性を隠すことなくベラベラ話し出して・・・。

油断大敵!
まさにそんな出来事が起こっちゃいましたね。
風太郎が何もわからないと思って緑の口にマカロンをねじ込もうとした時、突然緑が風太郎に平手打ち!
なんと緑は自分の身を守るためにおかしくなったフリをしていたそうな・・・。
そして、その中で風太郎のシッポを掴もうとしていたのね。
「お金の使い方わからないんでしょ!お金に勝ったつもりでいるの?あなたはお金に負けてるのよ。あなた見てつくづく思ったわ。貧しいってイヤだわ。あなたが不幸のどん底に堕ちるのを私は見届ける!」
いやぁ、緑さん・・・あなたも充分恐ろしい!(゚ー゚;Aアセアセ

そこへ荻野たちが入ってきて、荻野の妻に対する傷害の容疑で風太郎は逮捕されてしまいました。
でも、きっと階段から突き落としたのは風太郎じゃなくて真一(松山ケンイチ・二役)の方でしょうね。
伊豆屋でご対面してたから、金に困っている真一に風太郎がやらせたんじゃないかと思うのですが・・・。

連行されていく途中、風太郎が見たのは救急車に収容される寛子の姿。
風太郎が大金を渡したばかりに、他のホームレスたちに襲撃され命を落としてしまったのよ。
金がなかったために死ななきゃいけなかった桃子を思って、その桃子そっくりの寛子に金を渡したんだろうけど、逆にそのせいで寛子が死ぬ事になろうとは・・・。

「金で幸せになれないのか!」と絶叫する風太郎が哀れでなりませんでした。
母親に対する愛情は人一倍あった子だったのに、考え方を間違ってしまったばかりにこんな悲しい人生を送ることになったとは・・・。
逮捕されても風太郎はまだ金に執着し続けるのかしら?
そして、大金を手にした健蔵はどうするのかな?
約束通り死ぬような男じゃないものね〜。

第7話
「命の値段も結局金ズラか・・・」
脚本:岡田惠和
演出:狩山俊輔

何があっても風太郎(松山ケンイチ)を愛していると言い切る茜(木南晴夏)と、自分が間違っていたと風太郎に思い知らせてやりたいと言う緑(ミムラ)の対比がよく描けていたと思う。

風太郎は初めての殺人を犯した後、ある老人(品川徹)の世話になっていた。
何も聞かずに自分を受け入れてくれた老人に心を開いた風太郎は、自分が人殺しである事を告げる。
すると信頼していた老人が情報料を得るために自分を警察に売ろうとした。
これでまた風太郎の中で「すべてが金だ」という思いが強くなったってわけか・・・。
納得できる気がしたなぁ。
こうなって来ると、人は信頼できないだろうし、金さえあれば何でも思い通りになると思うだろうし・・・。
今の風太郎を肯定することは出来ないけど、こうなってしまった事はある程度理解できるような・・・、うん、それでも複雑ではあるんだけどね。

荻野(宮川大輔)の妻・加奈江(宮本裕子)への傷害容疑で逮捕されていた風太郎。
しかし真一(松山ケンイチ・二役)が自首してきて風太郎は釈放される。
やっぱ、突き落としたのは真一だったのね。
しかも300万というお金で真一を雇ったらしい。

三國家に帰ってきた風太郎は緑と茜に真実を話す。
わざと緑の車の前に飛び出したこと、茜が醜いから簡単に騙せたという本音、白川(田中圭)を殺した事、譲次(山本圭)を殺した事、そして三國造船の社長の座に就いたこと。
それを聞いた緑は風太郎に「死ぬより辛い苦しみを味わうべき」と告げる。
緑は徹底的に風太郎と戦う覚悟を決めてるんだよね。
そのためにおかしくなったふりまでしてきたんだし・・・。
だけど茜は違う。
それでもまだ風太郎を愛してる。
せめて好かれてなくても嫌われてなければそれでいいとさえ思っていた。
だから風太郎に「私のこと嫌い?」と聞いたのに、その返事が「どうでもいい。お前の役目は終わったんだ。」だもんなぁ。
これはある意味「嫌い」と言われるより辛いかも・・・。
もはや風太郎の心の中に存在していないも同然だもんね。
風太郎の真似をして彼の耳を自分の両手で塞ぎ、「愛はあるんだよ。あなたといられて幸せでした。ありがとう。」と声をかけても「くだらない真似すんな!」だし・・・。
そんな風太郎に健気に「はい」と答える茜に(TωT)ウルウルしちゃったよ。
茜ちゃんがこれだけ愛したのに、これっぽっちも風太郎の心が動かなかったなんてせつなすぎるよ〜。

真一が自首したことで伊豆屋の皆さんは風太郎に迷惑をかけたと菓子折り持って謝罪に来るわけよ。
ほんと、いい人たちなんだよね〜。
全く疑ってないんだもん!
そんな「いい人」の集まりに風太郎は怒りをぶちまけ「帰れ!」と言い放つのでした。
金より大事なものがあると信じて曲げない伊豆屋の皆さんは、風太郎の苛立ちの元なんだろうね。

風太郎のルーツをたどっていた緑は健蔵(椎名桔平)と出会う。
ここで緑が健蔵に言った一言も凄かった。
「息子とした約束ひとつぐらい守ったらいかがですか?もうお会いすることもないと思います。死ぬんですもんね!」
緑さん・・・強すぎ!(((( ;゚д゚)))アワワワワ

妻が発作を起こし手術が必要になった荻野が風太郎に援助を頼みに来るところも重みがあった。
屈辱的だけど愛する家族の命には代えられない。
警察を辞め妻の治療に付き添いたいと頭を下げる荻野に「あんたは正しい選択をした」と言った風太郎は、「結局大事なのは金だ」と荻野に言わせるのと引き換えに金と名医への紹介状を渡すと・・・。
振り絞るように「結局大事なのは金だ」と言って金を受け取った荻野。
人の信念すら曲げさせるのが金なのか・・・。

そんな風太郎を待っていたのは茜の自殺。
これが彼女の愛の形だったんだろうか・・・。
こういう事をしてでも風太郎の中に自分の存在を刻み付けたかったのか?
そして、この一件は風太郎の今後に影響を及ぼすのか・・・。

伊豆屋の皆さんも風太郎が真一にやらせた事に気付いたみたいだし、彼らの出方も気になるところですね。
それにしても最後はどうなるんだろう?
幸せなんてあるわけないし、ずどーんと重いものを投げつけて終わるんだろうか?
それでも、その重みを受け止めたいと思わせてくれるドラマだわ。

第8話
「悪は静かに死んでやるズラ」
脚本:岡田惠和
演出:大谷太郎

茜(木南晴夏)が自殺した事で、風太郎(松山ケンイチ)はうなされる様になる。
パジャマのまま会社へ行き、金庫の中の金を抱いて心を落ち着けようとするが吐きそうになって・・・。
そんな風太郎に「お忘れですよ、社長」とスーツと靴を放り出す緑(ミムラ)が、また恐いんだ。(;´Д`)

風太郎の子供の頃って、本当に悲惨だよね。
健蔵(椎名桔平)が愛人を家に引っ張り込んで、桃子(奥貫薫)と風太郎(幼少期:斎藤隆成)に出て行けって言うわけよ。
雪の舞う中、見つけた海辺の小屋で一晩明かした母子は、これからも辛い事があったらここへ来ようと決めていたんですわ。
で、桃子が亡くなり、宏(近藤公園)を殺してしまったあの晩も、風太郎は一人でこの小屋に来て、金持ちになれば幸せになれると自分に言い聞かせてたってわけか・・・。
宏が自分を引き取ろうとしていた事など知らずに・・・。
桃子は風太郎にお金以上の愛情を注いで来たはずなのに、母親の死を金がなかったせいだと思ってしまったばかりに狂って行った彼の人生。

思えば茜は桃子並みに風太郎に愛情を注いでいたのかもしれない。
でも、その愛情を彼が受け付けることはなかった。
茜の自殺により、彼女の愛の大きさ、重さを感じてしまったのかな?
この世に愛がある事を教えようとしてくれていた茜を、軽くあしらって死に至らしめたことは、さすがの風太郎にもこたえたか。

伊豆屋さんも大変な事になっちゃったよなぁ。
真一(松山ケンイチ・二役)が作った借金2000万を返さなければこれに入れと渡されたのは、生命保険の申込書。
つまり死亡保険金で払えって事なのよ。
それを知ってしまった由香(石橋杏奈)は、風太郎を呼び出し自分の体を買ってくれと頼むわけよ。
清く正しく生きている伊豆屋の皆さんは、もしかすると風太郎にとってかすかな希望だったのかもしれない。
兄の借金のためとはいえ、由香がそんな行動に出たことに風太郎は落胆したんでしょう。
「お前らは違うんじゃなかったのかよ!」と追い返してましたね。

その後、伊豆屋を訪れた風太郎に祥子(りょう)が借金を申し込むんだけど、彼は「お断りします。笑顔で受け入れればいいじゃないですか?どんなことも・・・。」と、さらりと拒むんだよね。
そんな風太郎に包丁を手にして、真一にしたことを警察に黙っておいてやる代わりに金をよこせと脅しに出る保彦(光石研)。
祥子まで包丁を握りしめてなりふり構わぬ姿に、風太郎は自分の中で伊豆屋の皆さんがどういう風に出るのか賭けをしていた、最悪のケースだと言い放った。
やっぱ、心のどこかで彼らには金に負けない美しい心を持ち続けて欲しかったんでしょうか?
あの状況下で伊豆屋の皆さんが、どういう行動を取ればガッカリしなくて済んだというのだろうか?

健蔵は大金を手にしたものの、使い方が分からず虚しくなって風太郎に返しに来ましたね。
「好きにフラフラしたいだけで、金に囲まれて暮らしたいわけじゃない」って健蔵の言葉に妙に納得しちゃいました。
そんなものかもしれないね。
健蔵を自分の手で殺さなかったのは、亡くなった桃子との約束だったと語る風太郎。
お父さんは悪くない、だから恨まないでといつも言ってた母。
大好きだった母との約束だけは守りたかったのか・・・。

風太郎が死のうとしていることを察した健蔵の「この世のルールを教えてやろうか?親より先に死んじゃいけないんだぜ。」って言葉は良かった。
「親にもよるでしょ。」という風太郎の切り返しも含めて・・・。
あれでいて、健蔵にも父親らしさの欠片ぐらいはあったのかもしれない。

翌朝、死にに行く風太郎の車に「見届ける」と乗り込んだ緑。
行き先は海辺の小屋。
風太郎が選んだ死に方はダイナマイトでの爆死。
導火線に火をつけ、子供の頃に書いた「金持ちになって幸せになるズラ」という文字を見て、「わかったよ」とつぶやいた風太郎。
何がわかったのでしょう?
金で幸せになれるわけじゃないって事がわかったんだろうか?
そして、緑は本当にこのまま風太郎の死を見届けるのでしょうか?

最終話
「幸せはどこにあるズラ?」
脚本:岡田惠和
演出:大谷太郎

いやぁ、最後まで重かった・・・。
でも、見ごたえはあった。
そんなドラマでございました。<(_ _)>

自分の体に巻きつけたダイナマイトの導火線に火をつけた後、風太郎(松山ケンイチ)は幸せな光景を思い描いたのでしょうね。
普通にお金がある暮らしをしていたら、桃子(奥貫薫)の手術も成功しただろう。
健蔵(椎名桔平)だって、普通に働いて家族を愛していただろう。
桃子は元気になり、健蔵は優しかったかもしれない。
宏(近藤公園)を殺すこともなかっただろう。
風太郎自身だって、大学にも行っていたかもしれない。
そこで普通に茜(木南晴夏)に出会っていれば、普通の恋愛をして楽しい日々を過ごしただろう。
そして普通に就職し、結婚し、子供が生まれ、家族を愛しただろう。

ほんのちょっと違ったら、ぜんぜん違う人生だったかもしれない。
だけど、自分が生きてきたのはそんな幸せとは程遠い人生。
幸せになりたかった。
お金があれば幸せになれると思っていた。
しかし、人を騙し、人を殺し、やっと手に入れた金は何も幸せを作り出す事が出来なかった。

爆死する前に怯えて取り乱す風太郎が、実は一番人間っぽかったと思う。

伊豆屋の皆さんに宅配便でお金を届けていた風太郎。
「ベラ定食ごちそうさまでした。おいしかったです。」という手紙を添えて・・・。
伊豆屋の皆さんは、このお金でやり直す事ができるのでしょう。

そして風太郎に金を受け取っていた荻野(宮川大輔)も、その金を使って妻の手術をし、成功したらしい。

風太郎が手を汚して掴んだ「汚い金」が、結果として伊豆屋や荻野を救った事になるんだよね。
だからと言って、風太郎がやってきた事が浄化されてはいけないから、最後は憎々しいメッセージで終わっていったんじゃないだろうか?
「そこら中、歩いてんだぜ。銭ゲバは・・・。じゃあね」
実際にはこの後、爆死ってわけだな・・・。

松山ケンイチにももちろん注目させられた作品だったけど、個人的には木南晴夏ちゃんの演技に釘付けだった。
ミムラも良かったし、椎名桔平さんも奥貫薫さんも良かったなぁ。
音楽もハマってたし、とにかくトータルですごい作品でした。

個人的には今クールのNo.1です!

 

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