ありふれた奇跡

P:長部聡介
主題歌:エンヤ 「Dreams Are More Precious」

第一回
脚本:山田太一
演出:田島大輔

何だか久々の山田太一さんの台詞回しが懐かしかったわ〜。
一人で喋れば済むことを、二人で一言ずつ交互に喋るような雰囲気とか、「こっち」「そっち」みたいな言い方とか・・・。

ゆったりとしたペースで進んでいくドラマですが、私はイライラしたりあくびが出たりもせず、案外このペースにハマって見ることが出来ました。

駅のホームで電車に飛び込もうとしている男性を見つけた見ず知らずの男女が、男性を同時に止めようとした。
飛び込もうとしたのは藤本(陣内孝則)、止めた男は左官職人の翔太(加瀬亮)、女は業務用厨房機器メーカーに勤める加奈(仲間由紀恵)。
ところが警官の権藤(塩見三省)の前で藤本は飛び込みを否定。
翔太と加奈は善意で止めたということで、そのまま三人はその場を去ることになったんだけど、そこから翔太と加奈のゆったりした接近があり〜の、メルアド聞き〜ので、見ず知らずの二人がメール交換をする仲になっちゃうんだよね。

駅で偶然出会っただけの二人が、お互いの事もその背景にあるものも知らずに近付いていく。
しかし、人はそれぞれに何かを抱えているもので・・・みたいな雰囲気なんでしょうか?
加奈がやたらと「今、こう思った?」「私がこうだったから、こうしたの?」みたいに細かく人の言動や行動を気にするのも、何か意味があるんでしょうね。
どうも元カレと何かあるみたいだし・・・。

翔太が祖父・父との男三人暮らしというのも、ちょっと珍しい設定ですね。
男三人だと会話がなさそうだわ〜。(^▽^;)

さて、飛び込みは間違いだと主張していた藤本が、後日権藤のところに現われ翔太と加奈の住所を知りたいと言い出し、話を聞いた権藤の計らいで権藤立会いのもと、三人が再び顔を合わせることに・・・。
そこで本当は死のうとしていたと打ち明け、二人に謝りたいという藤本さん。
実は4年前の出張中、自宅マンションの下の階の人が火事を出し、妻と娘を失ったそうな・・・。
4年経った今、死のうとしたのを二人が止めてくれたって事なのね。
死のうとした自分に気付き、止めてくれた人が二人もいた・・・それは藤本にとって救われた気持ちになる出来事だったのでしょう。
そして自分が死のうとしていたことに気付いた二人には、死のうとした経験があるんじゃないかと藤本は問いかけた。
翔太と加奈の表情を見る限り、どうやら思い当たる節はあるようですね。

それぞれの家族にもいろいろな問題がありそうだし、ちょっと気になるドラマだわ。
ただ、このスローペースが苦手な人はとことん苦手なんだろうなぁ。(^▽^;)

第二回
脚本:山田太一
演出:田島大輔

加奈(仲間由紀恵)も翔太(加瀬亮)もお互い死のうとした経験がある事をメールで打ち明けた。
こうやって、少しずつ自分というものを相手に知ってもらう中で、距離が近付くのかなぁ・・・と思っていたら、二人が会って喋ってるうちに加奈が機嫌を悪くしてしまうんだよね。
加奈の前向き発言についていけなかった翔太を見逃さず、そんな加奈の態度を見て合わせて来たことに、さらに怒ってしまった感じ。
何だろう・・・本音で話したかったのかなぁ。

で、翔太は気になっちゃって加奈の家を探し訪ねるんだけど、そこで会っちゃったのが加奈の祖母・静江(八千草薫)。
いやぁ、八千草さんってこういうところでいつもいい味出してくれるよね〜。
ほわんとした雰囲気で玄関に座って、初対面の翔太に家の中に忘れ物したから取ってきて・・・なんて頼むのよ。(笑)
でも、あの雰囲気で頼まれると断れないかもしれないわ。(^^ゞ
靴を履いたのに、また脱いで家の中に上がって忘れ物を取るのが面倒だから・・・と言ってたけど、結局セキュリティ解除の方法を翔太に教えるために静江さんが靴脱いで家の中に入るしかなかったわけだし・・・。(笑)
そんなこんなで、翔太が静江さんのお出かけに付き合ってる様子がおかしかったわ。
しかも、行き先は桂(戸田恵子)の人形展だもん。
一気に加奈の家族にご対面!だったわけだし、何となく微妙な雰囲気の桂と静江の関係とかも見えちゃったかもしれないし、そりゃトンズラするしかないような・・・。(^^ゞ

その頃、加奈は藤本(陣内孝則)と会っていました。
自分が死のうとしたことがあると打ち明け「取り返しのつかない事をした」と言う加奈に、「その後の人生を何とか生きていくしかない」と言う藤本。
何だろうね〜、取り返しのつかない事って・・・。
きっと親にも隠している事実なんだろうけど、自分と同じように死のうとしたことがある人になら、打ち明けられたりするのかもね。
心に傷を負っていることを共有できる誰かがいた方がいいのかもしれない。

さて、静江と話をしている中で、人形展に連れて行ってくれた親切な男性が翔太だということに気付いた加奈は、メールで怒っていることを伝えるんだけど、こういう時、メールってこじれたりするからあんまり使わない方が・・・とか、余計な心配しちゃったよ。(゚ー゚;Aアセアセ
で、またまた喫茶店で会って話すんだけど、そこで翔太はコートの下の左官の姿を見せるのよ。
自分を知ってもらおうと、そういう格好で来たらしいんだけど、それを喫茶店の中で見せなくても・・・だよね。
注意した店員に加奈がキレて喫茶店を出て行くんだけど、こうやってお互いが本当の自分を少しずつ見せたことで、二人の距離はまた縮まったらしい。
でも、何だかしっくり来ない気がしたのは私だけだろうか?(^▽^;)

とりあえず、もうちょっと見てみよう。

第三回
脚本:山田太一
演出:田島大輔

加奈(仲間由紀恵)と翔太(加瀬亮)は二人で会うことを「死のうとしたことのある人の会」と名付け、男女の交際ではない事をお互いに強調する。
加奈は翔太に何で死のうとしたのか?と聞くが、翔太は話せずに震え出す。
そんな翔太を加奈は「いいの」と抱きしめました。

こんな感じで精神的な結びつきを感じる二人ですが、やはり加奈に抱きしめられたりすれば翔太の心は浮き立つわけで・・・。
で、後日また会う約束をするんですが、何とそこには藤本(陣内孝則)も呼ばれていて・・・。
翔太にしてみれば、正直ガッカリだったでしょうね。
たしかに「死のうとしたことがある人の会」に藤本が参加しても不思議はないんだけど、てっきり加奈と二人だけの集まりだと思っていたところに、藤本が呼ばれていたと知ったら・・・やっぱりショックだよね。

で、藤本がアルコール依存症とは知らず加奈が飲ませてしまい、酔っぱらった藤本を翔太が送っていくことに・・・。
藤本が翔太に自分の家に寄っていけとか泊まっていけとか言うのは、やはり人恋しさからなんでしょうか?
そうやって引き止めたわりには、翔太が「いいですよ」と言えば「若いヤツはもっと自己中でいいんだ!」と言い出す始末。
その「若いヤツは」という言葉にキレた翔太。
実は、それこそが翔太の抱えているものだったのね。

そうやってキレても、藤本を放っておけずに彼が通院しているクリニックに連れて行き、安定剤をもらって眠りにつかせ、仕事を休んで側にいた翔太。
傷ついている人の痛みはわかる人なんだよね。
そして、遅れてやって来た加奈と話すために藤本の部屋を出るんだけど、そこで翔太の父・重夫(風間杜夫)に会っちゃって・・・。
当然、二人がそういう関係だと勘違いしちゃう重夫なんだけど、何だか嬉しそうで、しかもすぐに四郎(井川比佐志)に電話で報告してるあたりが面白かった。

やっと自分の過去を加奈に話した翔太。
それは就職した会社で全く成績が上がらず辛かった頃の話。
鬱で首を吊ろうとしたが、四郎に見つかって助かったらしい。
だから、四郎は今でも日々の翔太の細かい仕草ひとつに敏感なんだね。
翔太が自分の過去を打ち明けたのに、加奈はまだ自分の過去を話せないと言う。
過去に繋がる映像がチラッと流れるんだけど、あれだけじゃどんな過去なのかわからないなぁ。
同じように死のうとしたことがあっても、その背景は人それぞれなわけで、同じ体験をしたというだけで結びついた人たちの間に、どんな繋がりが生まれるのかは見どころかもしれない。
藤本が死のうとした時は加奈と翔太がj気付き助けた。
翔太が死のうとした時は四郎が気付き助けた。
では、加奈が死のうとした時は誰が気付いたのか?
もしかしたら、死ねなかったという状態だったのか・・・。
そこらへんが気になりますね。

第四回
脚本:山田太一
演出:谷村政樹

翔太(加瀬亮)の家に加奈(仲間由紀恵)がやってくることになって、男所帯なもんだから重夫(風間杜夫)と四郎(井川比佐志)がお片づけしてるあたりが何だか可愛らしい。(笑)
で、さっきまでラクダの上下でうろうろしてた四郎が、加奈が来た時には和服でお出迎えなんだもん!
そのギャップに笑うっちゅーの!(爆)

二階の翔太の部屋でアイリッシュダンス踊りだした時には「何が始まったんだよ!」って思って見てたけど、その音を聞いた階下の重夫が二階で何かやってんじゃないかと慌ててるところとか、やっぱ面白かったし・・・。

そして、意外なことに二人はキスしちゃってましたね〜。
男女の仲にはならないって言ってたのに、一気に加速しちゃって・・・。
でも、そんな自分たちの行動に翔太がブレーキをかけて・・・。
もちろん、恋愛にトラウマがありそうな加奈を気遣って・・・という部分もあるんでしょうが、一気に進んでしまう事が自分でも怖かったようです。
イマドキの若い子ならトントントーンと進んでしまうような事を、ひとつひとつゆっくりと進んでいく二人の恋愛に、新鮮ささえ感じてしまいますね。

そんな二人が家に帰ると、お互い親の愚痴を聞くハメになり・・・。
特に加奈の母親・桂(戸田恵子)は何だか力が出ない様子。
で、その原因は何かと思えば、人形製作の先生(吹越満)がウィーンに行ってしまうかららしいよ。
この先生と桂さん、不倫してたみたいですね〜。
なのに、ウィーン行きを内緒にされててショックな上に、人形展に出した自分の作品を10万で買ったのが先生だと知って、またショックで・・・。
10万つき返して人形を取り戻そうとしたら、引越しの荷物の中から新聞紙にざっくりと包まれた自分の作品が出てきて、その扱いが悲しくて・・・。
あれは、ひどいわ・・・。
10万円で買った自分の作品を、丁寧に梱包してもらってたとしたら愛情を感じるけど、あれじゃ〜まるで10万円が手切れ金みたいじゃないですか。
しかも、返すはずの10万円がバッグの中のどこにも入ってないって、桂さんも自分が情けなくなっちゃうよね〜。
そりゃ元気も出なくなっちゃうよ。

そんな事とは知らない静江(八千草薫)は、加奈の引き出しから翔太の家族と加奈が一緒に写った写真を見つけ、桂に報告。
おばあちゃん・・・孫のプライバシーなんて無視なんですね。(^▽^;)
で、桂はその写真を朋也(岸部一徳)に見せるんだけど、その視線は翔太と何故か隣に写ってる重夫に釘付けになってるみたいで・・・。

二人の間に何かがあるのかな〜?と思ってたら、やっぱり朋也が重夫を呼び出して喫茶店で会ってましたよ。
お互いに名前も知らなかったようで、写真に写っていた「田崎官業」という名前から連絡を取ったみたいなんですが、「バレたくない」とか言ってるし何なのよと思ったら予告でビックリ!

女装趣味ーーーーーーーー!!!!!Σ(゚Д゚;エーッ! 

そりゃバレたくないでしょうよ!(^▽^;)
どんな方向に話が進むのか、全く読めませんわ。(^^ゞ

第五回
脚本:山田太一
演出:谷村政樹

朋也(岸部一徳)と重夫(風間杜夫)は女装クラブの会員で顔見知りだったのね。
そりゃ、そんな二人の子供たちがもしかして恋人って事になれば、焦っちゃうのも当然だけど・・・。
それにしても、シルバーナとかシノブとかって名前で呼ばれてるお父さんたち・・・笑っちゃうよね。
家族同士会う事もあるかもしれないわけで、二人ともこれが最後と決めて女装姿で外を歩く事にしたんだけど、重夫さんはこれが嬉しかったらしく女装をやめたくないと言い出しちゃって・・・。
朋也はきっぱりやめようと思っていたみたいだし、ここで二人の考えが違う方向にいっちゃった事が、今後どう影響してくるのやら・・・。

桂(戸田恵子)もね〜、力が出ないのはわかるけどお姑さんと同居してるのに、あれだけ寝ていられるってーのもすごいよね。(^▽^;)
またお姑さんの静江さん(八千草薫)がいい人なんだよなぁ。
やる気の出ない桂が寝ているところへ「一杯飲もう」ってお酒持ってきてくれて、自分にも似たような経験があるって柔らかな口調で話してくれるんだもん。
「あなたと違って恋だったの。」って一言は、桂がこうなった原因を知ってか知らずかわからないけど、まさに桂さんも「恋」だったわけで。
でも同じような経験をした人生の先輩が笑って「つまんないヤツだったの。あれでよかった。」って言ってるのを聞いたら、少しは桂も元気が出たかしら?

そして肝心の翔太(加瀬亮)と加奈(仲間由紀恵)ですが、やっと加奈が自分の事を翔太に話しましたね。
子供を産めないと・・・。
それは誰のせいでもなく自分のせいで産めないんだと・・・。
だけどそれ以上は話せない。
体の問題というよりも心の問題って雰囲気でしたが、過去に何かがあってそういう行為が出来なくなったとか、そんな感じでしょうか?

そんな加奈が「取り返しのつかないこと」を聞いてもらうのは藤本(陣内孝則)だと思ったのは何故なんでしょうね?
同じように死のうとしたことがある人なのに、翔太ではなく藤本になら話せそうな理由は・・・。
だけど、藤本と待ち合わせをしていた店のママ(宮田早苗)の息子が事故で亡くなったという知らせを受け、二人は悲しみを背負う事になるわけで・・・。
妻と娘を失っている藤本には耐え難い知らせだったのか、つい加奈に抱きつこうとするんだけど、そんな藤本を加奈は近寄らせず・・・。
この行動を見ても、加奈の過去が少し見えてきそうな雰囲気だよね。

でも翔太とキスはしてるわけで、彼に心を許しつつはあるけど、それだけに自分の闇の部分は言えないって事かしら?

第六回
脚本:山田太一
演出:田島大輔

加奈(仲間由紀恵)は藤本(陣内孝則)の家に翔太(加瀬亮)を呼び出した。
話の続きをするために・・・。
翔太と二人きりより、藤本が間に入ってくれた方が冷静に話せると思ったんでしょうね。
で、事実を話し後、翔太の気持ちは藤本から聞きたいという加奈。
一方的な感じもしますが、これが加奈の精一杯なんでしょう。

昔、付き合っていた男の子を妊娠しているのが分かった加奈。
しかし、その男が別の女性に中絶させたばかりだと知り、妊娠している事は伏せたまま彼と別れ悩んでいた時に、友人がいる東南アジアで日本人が簡単に中絶している事を知り、現地へ行き手術を受けた。
だけど過剰掻爬で子供が産めなくなっている事が後で分かったらしいのよ。
日本で中絶する気持ちにはなれなかったのかね〜?
何で東南アジアまで行ってやっちゃったんだろうか?
普通の精神状態じゃなかっただろうから、友達に聞いた話に乗っかっちゃったんだろうけど、いろんな意味で悔やまれる内容でしたわ。

それだけを伝えて立ち去った加奈。
藤本も翔太に「リアルに受け止めて」とか「頭を冷やして」とか言ってくれてたのに、やっぱり加奈のことが好きだからすぐに自分の気持ちを伝えたくなっちゃったんだろうね。
その日のうちに加奈の家に行っちゃった翔太。(^▽^;)
まだ加奈は帰宅していなくて、静江(八千草薫)に招き入れられ二人で話をするんだけど、二人がうまくいってそうな雰囲気を知った静江の「私、間に合うかしら?ひ孫に・・・。」という一言に翔太が過剰反応!
「子供ほしいと思ってない」なんて言っちゃうのよ〜。
静江は何も知らないみたいなのに、そんな事を言うもんだから妙な雰囲気になっちゃって・・・。
加奈の気持ちを考えての事だったのはわかるけど、やはり頭を冷やしてから来るべきだったよ・・・。

子供という存在について、翔太は真面目に考え始めます。
娘の絵を誉められて嬉しそうな神戸(松重豊)とか、もし翔太の子供がいたらという話で盛り上がる四郎(井川比佐志)とか、「子供をほしくない」と言った自分のことでムキになる母・律子(キムラ緑子)とか・・・。

一方の加奈も息子を事故で亡くした妙ママ(宮田早苗)に共感し、子供を失う親の気持ちを熱く語る権藤(塩見三省)の隣で辛そうでしたね。
藤本が必死に権藤の話を止めようとしていたけど、それも余計に不自然な感じで・・・。(;´Д`)

翔太が静江に「子供はいらない」と言ったことが波紋を呼び、朋也(岸部一徳)が田崎家に「娘はやれません」と言いに行っちゃったから親同士は「結婚なんて許さない」モードになっちゃいましたね。
重夫(風間杜夫)も頭に血が上ったのか「シルバーナさん」と朋也を呼んでしまってたし・・・。(^▽^;)

それにしても桂(戸田恵子)は、恋を引きずったままだなぁ・・・。
あの落ち込みっぷり、何気に気になるよ。

第七回
脚本:山田太一
演出:谷村政樹

何だかね〜、翔太(加瀬亮)の家族にしても加奈(仲間由紀恵)の家族にしても、自分の身内は可愛いんだよね。
それがわかるだけに、何とも胸が痛む展開に・・・。

重夫(風間杜夫)から朋也(岸部一徳)がやって来て、翔太が子供をほしくないと言ったから娘はやれないと言われたと聞いた翔太。
加奈に「子供が欲しいんじゃなくて、加奈と一緒にいたいんだ」と自分の気持ちを告げても、軽く言わないでと言われてしまい、「結婚なんかしない」と宣言されてしまうわけよ。 Σ(゚Д゚)ガーン
それで翔太は後日、中城家を訪問。
静江(八千草薫)に子供はほしくないと言った事を訂正しようと思っての訪問だったのに、朋也と桂(戸田恵子)まで在宅してて翔太も相当ビビッただろうなぁ。(゚ー゚;Aアセアセ
加奈以外の家族に囲まれる中で「子供はいらないと言ったのは本心ではない」と話す翔太。
しかし、これがまた朋也の反感を買ったようで「口走ったじゃ済まない」と激怒、さらにはこっそり調べていた翔太の過去をつきつけていくのよ。
鬱だったこと、会社の成績を上げようと自分で買った商品をダンピングして200万の借金を作ったこと、その借金を四郎(井川比佐志)に助けてもらったこと・・・。

翔太は加奈の気持ちを考えて「子供はいらない」と言ったのに、何も知らない加奈の家族に自分の過去の傷を並べたてられて・・・何だか翔太が可哀想だったよ。

桂もどんどん責め立てる朋也を批難してたくせに、加奈が帰って来た時には「あんな人ダメよ」ってネチネチ言ってるし・・・。
静江は何だか翔太を不憫に思った様子だったけど、結局四郎と二人で会った時には「良い青年だと思うけど・・・孫はやれません。」ときっぱりだもんなぁ。
しょんぼりしてる翔太を心配して、一生懸命孫をかばってた四郎さんがいじらしかったよ。
「苦労してきた事は財産」だとか言って、何とか静江にも前向きに受け止めて欲しかったのにね〜。

で、結局じいちゃんが孫にしてやれたのは神戸さん(松重豊)に金を渡して翔太をパーッと楽しませてやる事ぐらいなんだよね。
二日酔いに苦しんだだけで、楽しんだとも思えなかったんだけど・・・。

そんな中、藤本(陣内孝則)は加奈に「こういう選択肢もある」と養子縁組のパンフレットを渡した。
そのパンフレットを加奈の部屋で見つけたのが、またまたあの静江さんなんだよ!┐(゚〜゚)┌
勝手に加奈の部屋に入って、前は写真、今度はパンフレット・・・。
おばあちゃん、監視し過ぎで怖いよ〜。
こういう母親の息子だから、朋也も勝手に翔太の調査とかしちゃうんだわ!
しかも、養子縁組のパンフレットを見て、勝手に翔太が無精子症だと思い込んでるんだもん!
誰だって自分の子供や孫は可愛いからね、疑わない気持ちはわかるよ。
でも、すっかり悪者扱いされてる翔太が可哀想だわ。(´Д⊂グスン

子供ができない原因が加奈の方にあると知ったら、加奈の家族は愕然とするんだろうなぁ。
翔太に対して少しでもすまなかったって気持ちになってくれるといいんだけど・・・。

第八回
脚本:山田太一
演出:田島大輔

加奈(仲間由紀恵)は藤本(陣内孝則)に自分のような者がお腹も痛めず里親という選択肢で幸せになっていいのだろうか・・・と胸のうちをさらけ出しました。
藤本も軽々しく里親のパンフレットを渡してしまったかもしれないと反省するんだけど、藤本の職場に捨てられていた捨て猫を抱く加奈は命の温かさに触れ、優しい表情をしてましたよね。
捨て猫から里親を連想するのは不謹慎かな?
でも、自分のお腹を痛めたわけではない命だろうと、愛情を注ぐ事ができると考えるきっかけにはなったんじゃないでしょうか?

朋也(岸部一徳)は重夫(風間杜夫)に会って、加奈と翔太(加瀬亮)の事に反対するのは翔太が子供を作ることができないからだと告げる。
こりゃ、父親としてはショックだよね。
本人に確かめたいけど言いにくい・・・って事で、重夫さんったら律子(キムラ緑子)に真相を確かめてくれって頼んじゃったみたい。(^▽^;)
母親だって聞きにくいっちゅーの!
でも、その聞きにくいことを律子が確かめてくれて、重夫も誤解だと確信を持つわけよ。
そうなると誤解を解きたいじゃない?
で、加奈を呼び出して朋也から翔太に子種がないのが原因だと聞かされたけど、そんな事はないんだよ・・・って事を話すわけだ。
事実を知った加奈はたまらず自分が子供を産めないという事実を告げて、立ち去ってしまうんだよね。
翔太が自分の事をかばって言ってくれたことがきっかけで、どんどん翔太が悪者になっちゃって、さすがに黙っていられなくなったんでしょう。

そして翌朝、加奈は自分の家族にも真実を話します。
桂(戸田恵子)にだけ話すつもりだったのに、朋也も静江(八千草薫)も起きて来て、結局みんなの前で子供が産めない事を打ち明ける事になってしまったんだけど・・・。
本当の事を知った静江は翔太や四郎(井川比佐志)を侮辱した、傷つけたと反省しきり。
それで一人で謝りに行くわけよ。

戦争孤児の四郎は、同じく施設で育った女性と結婚し重夫が生まれた。
その重夫が所帯を持ち、孫の翔太がいる。
戦争で家族を失った者同士が結ばれて、新しく家族を作り、その命が繋がっていくことで、四郎と奥さんの亡くした家族の証ができる。
この証をつなげていくためには翔太が子供を持って、その子がまた子供を・・・という風になるのが四郎の願いなんだよね。
だから、今度はこっちから断るときっぱり告げた四郎。
これは意地悪でも何でもなくて、四郎にとっては譲れない点なんだよなぁ。
それを聞いた静江さん・・・倒れちゃったよ。(゚ー゚;Aアセアセ
貧血だったみたいで心配はいらないようだけど、あのタイミングで倒れられたら四郎さんも焦っちゃったんじゃないかな?

結婚って当人同士の問題だけじゃないところも多いけど、このドラマを見ていると家族がでしゃばりすぎというか、「何でそこまで・・・」って感じるシーンが多いなぁ。
いろいろ言いたい事もあるだろうけど、すぐに相手方に出かけたり呼び出したり・・・、結構面倒くさい。(;´Д`)
面倒だからこそ家族なのかなぁ?

第九回
脚本:山田太一
演出:谷村政樹

四郎(井川比佐志)が「子供が生めなきゃダメだ」と言ったことに反発する翔太(加瀬亮)。
四郎の気持ちもわからなくはないけど、この時代にその意見を押し通すのは難しいよね。
いろんな理由で子供を持てない夫婦ってたくさんいるんだし・・・。

ここへ来て藤本(陣内孝則)がいい働きしてますよね。
「今が大事だ。結婚や子供がダメだって、会えばいい。」と言われたのは、きっと翔太の胸に響いたと思う。
明日なんてどうなるかわからない・・・ってな言葉も、突然家族を亡くした経験のある藤本の口から出た言葉だから重みがあるし・・・。
こう言われると、確かに今会いたい、今好きだ・・・って気持ち意外に何が必要なんだよって思ってしまうもの。
結婚だとか子供だとか、そんな先のことより今の気持ちを大事にしたくなるよね。

そんな話を聞いた加奈(仲間由紀恵)も「今が大事」というところには共感したらしい。
でも、初めて会ったときのように周囲の人の事など何も知らない状態で会いたいと言い出すんだよね。
そこまでしなきゃいけませんかね?(^▽^;)
お互いに「会いたい」って気持ちがあるのなら、周りの人の事など忘れて会えませんかね?
いろんな設定を考えてまで会わなきゃならないほど、ややこしいものでしょうか?

で、加奈はホテルを予約してあると翔太を誘うんですよ。
ところが翔太は「オレと寝て最後にする気だろう?」と加奈の本心を読み、ホテル行きを拒み帰ってしまうんだよね。
翔太は加奈との関係を終わらせたくない。
その気持ちに加奈だって気付いていると思うけど、何故にここまで頑なになるのかな?
翔太に帰られちゃったもんだから、加奈は桂(戸田恵子)を呼び出しホテルに母と娘で一泊。
泊まった翌朝、桂は朋也(岸部一徳)以外の男性との恋を加奈に告白します。
驚くでもなく、冷静に母親の話を聞く加奈。
「あった事は消えないけど、自分を責めすぎないで元気だそう!」と桂。
母と娘の会話というより、女同士の会話でしたね。

最初に藤本を翔太と加奈が助けた事から始まった二人の関係。
今度は藤本が二人を助ける番なのかな?

第十回
脚本:山田太一
演出:田島大輔

藤本(陣内孝則)は加奈(仲間由紀恵)と翔太(加瀬亮)の応援をしようと、まずは四郎(井川比佐志)に会いに行く。
一生懸命二人の事を認めてもらおうとしていたのに、藤本が仕事にあぶれた状態でやって来ているのを知った四郎は金目当てで来たと思ったんですかね?
「5万貸そうか?」と藤本に言い、実際のところ金に困っていた藤本が本音を話した時に、やっぱりな・・・って感じで「5千円やる」と追い返されたのは可哀想だった。

そんな事があった後、今度は朋也(岸部一徳)に会いに行った藤本。
でも、ここでもまともに話を聞いてもらえず、お茶代として1万円渡されて朋也が帰ってしまうんだよね。
その1万円を「私には何でもない金だ」って言って渡されたのが、藤本にとっては屈辱的だったことでしょう。
だって、仕事もない藤本には何でもない金なんてないんだもの。

で、四郎も朋也も家では「藤本はおかしい。気をつけろ。」と忠告していたらしい。
そういう目で見るから、要注意人物に見えてしまうって事もあるような気がするんだけど・・・。

そんな四郎じいちゃんに、あんたもどうよ?と言いたくなるような事実が・・・。
律子(キムラ緑子)と暮らし始めた重夫(風間杜夫)のところへ翔太が遊びに行くと、昔、同居していた頃に四郎が律子の尻を触っていたというのよ。
姑さんが生きていた頃にはいびられ、その姑が亡くなったら舅が尻を触る、夫は水道局へ逃げてばかり。
そりゃ、出て行きたくもなるでしょう。
でもさ、そんな事をさらっと話して「一度言っときたかったんだ!」で終わらせる律子さん・・・意外と良い人かも・・・と思っちゃったわ。
まぁ、子供置いて出て行った母ちゃんには違いないんだけどね。(^▽^;)
重夫と律子と翔太と3人だけでいると、仲の良い家族って感じだったよね。

一方で朋也にもビックリさせられたわ。
なんと女装したシルバーナさんの格好で、加奈と翔太がいる喫茶店に客として現われたんだもん!
あれって、単なる偶然なの?
見ているこっちがヒヤヒヤもんだったわよ!

加奈と翔太が久々に会っていたのは、藤本と連絡が取れなくなっていたから。
最初は藤本の事で会ったのに、いつしか藤本の事を忘れて話していたり・・・。

その藤本から料亭に招待された二人。
元々やっていた不動産の仕事で少しまとまった金が入ったからと、二人に1回だけ見栄を張りたかったのだそうだ。
しかし、そんな簡単にまとまった金が入るもんだろうか?
藤本さんを疑いたくはないけど、ちょっと信じ難い話なんだよね。
これも「ありふれた奇跡」のひとつなのか?

元気になった藤本に安心した二人は「ホテル行く?」なんて話になり(゚ー゚*)、いよいよ行っちゃうの?と思ったところで、突然現われた赤ちゃんを抱いた女性(末永遥)に5分だけ子供を見てもらいたいと言われ預かってしまう。
「トイレに行きたい、お腹が痛い。」って言われたら、預かっちゃうかもなぁ。
でも、この女性・・・どうやらトンズラするみたいよ。
子供がいても捨てる親だっている。
そういうことを言いたいのかしら?
結局、どういう終わり方をするのかわからないけど、(*´∀`*)アッタカーイ 気持ちにさせてほしいなぁ。

最終回
脚本:山田太一
演出:田島大輔

預かった赤ちゃんのママ(末永遥)が消えちゃって、赤ちゃんは泣き出すし、育児経験のない二人が育児書買って来て、ミルクだのおむつだのって慌てて大変だよね。
でも、子供を持てない加奈(仲間由紀恵)が、赤ちゃんを大事に抱いている姿は胸を打つものがありました。
傍らで一生懸命になっている翔太(加瀬亮)もね♪

翔太が連絡し、権藤(塩見三省)と藤本(陣内孝則)がやって来て、今から警察へ・・・ってところで赤ちゃんのママが戻って来て、大事にならずに済んだけど・・・。
加奈が預かった赤ちゃんを慈しんで長い間抱いているような事がなかったら、大変な事になっていたでしょうね。
これも「奇跡」のひとつなんだろうけど・・・。

その後、翔太と加奈はホテルへ行ったんだけど、「にわかママ」で疲れた加奈は翔太がシャワーを浴びている間に眠り込んでしまい、そのうち翔太も寝てしまって、何もせずに夜明けを迎えるわけよ。
でも、二人で見た美しい朝日は彼らにぴったりな感じだったわ。
自分の中で死のうとした過去を背負って来た二人にとって、一緒に美しい夜明けを見たことは特別な出来事だったに違いない。
赤ちゃんを預かった事で、自分たちが無力ではない事に気付かされ、二人一緒なら何かを乗り越えられそうな気持ちになったんだろうね。

二人は一緒になりたいという意志を固めました。
桂(戸田恵子)と律子(キムラ緑子)は、母親同士顔を合わせて全く別のキャラクターながら何となくウマが合いそうだし、朋也(岸部一徳)と重夫(風間杜夫)は女装趣味で以前から共通項がある上に、これからもバレなきゃいいか・・・って気になってるみたいだし。(笑)

最後まで頑固だったのは四郎(井川比佐志)。
神戸(松重豊)の嫁の父親が亡くなって、家族が紋別にいる意味がなくなったから、呼び寄せて田崎の家で一緒に暮らしたいと言い出したのに、他人だからという理由で断って・・・。
それを翔太に怒られたことで、四郎の気持ちも変わったみたいだね。
「おじいちゃんはずっと一人じゃないか。誰かに心開くって事ないじゃないか。神戸さんに謝って来いよ!」
よく言った、翔太!
「おじいちゃんは用心のし過ぎ、それじゃ広がらない」と翔太に言われた事が、四郎にはたまらなく嬉しかったんだね。
引きこもりの翔太からこんな言葉が聞けるようになったのは、加奈という素晴らしい女性と付き合ったからじゃないかと・・・。

で、やっと二人の事を認めてくれたらしい。
静江さん(八千草薫)も「戦争のどん底の時代を知っているのに、すっかり贅沢になっちゃって、孫どころかひ孫が欲しいなんて言っちゃって・・・。」と加奈に言った後、「悲しいことには、きっといい事がついてくる。」と優しい言葉をかけてくれるんだよね。

偶然出会った加奈と翔太が結ばれて、そのおかげでお互いの家族に結びつきが出来て、どんどん広がっていく。
四郎は血筋にこだわっていたけど、結局、他人と他人が出会う事で家族が大きくなっていく部分もあるわけだから、神戸さん一家と暮らすことでまた家族が大きくなるのを実感するのでしょう。

藤本は赤ちゃんを預けたママ知り合った事で、ママと赤ちゃんを見守る事に生活の張り合いを見出したみたい。
最後には人と人とが支えあう事の大切さを感じさせられました。
最後はしみじみといい雰囲気でしたね。
独特の台詞回しは時々イライラすることもありましたが(やたら相槌が多いとか)、最終的にはよくまとまっていたんじゃないでしょうか。

 

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