東京タワー
〜オカンとボクと、時々、オトン〜

原作:リリー・フランキー「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
P:中野利幸
主題歌:コブクロ ♪蕾 (初回限定盤)(DVD付)

第1章
「オカンとボクと時々オトン
〜親子の別れ」
脚本:大島里美
演出:久保田哲史

思ったよりはずっと良かった。
やっぱ、倍賞さんの力が大きいよなぁ。
もこみち君の演技力はまだまだなんだけど、脇から倍賞さんが引っ張りあげてる感じ。

初回は中川雅也”ボク”(速水もこみち)が東京へ出るまで。
小学生の頃、オトン・兆治(泉谷しげる)と離れてオカン・栄子(倍賞美津子)と二人で暮らすようになった雅也。
何をするにもオカンが頼り。
大きな大きなオカンの愛情に包まれて高校生に成長した雅也は、東京の美大への進学を考えるが、オカンには言えずにいた。
黙っていた進路相談、担任の先生から連絡を受けたオカン、腹が痛いと逃げ出す雅也。

しかし、オカンが雅也の部屋を勝手に掃除した際に、美大の願書を見つけてしまう。
「いつもいつも世話を焼かれて・・・そんなんだけん、離れたくなるんよ!東京にも行きたくなるんよ!」
ひとつ屋根の下で暮らしながら、ずっと口をきかないのって疲れるよね〜。
雅也は相変わらず誰かに頼ることしか知らず、東京で受験するための費用をおばちゃん(浅田美代子)に借りようとするんだよ。
こういうのって、この時点では自分が甘いって事に気付かないんだよな・・・。
家に帰れば、オカンがちゃんと東京行きの切符を用意してくれてるんだよ。
甘々なオカンだけど、見てるとこのオカンにとってマー君が何よりも大事なんだろうなって事も伝わるわけで・・・。

美大に合格した雅也が東京へ行く日。
見送りに来なくていいと一人で家を出た雅也を、オカンは風呂敷包みもって追いかけて来たのね。
「ええから持って行き!東京で頑張りーよ!」
大きく手を振って見送って、その後一人で泣いてるオカンがせつなくて・・・。
私が田舎を離れる時、わが親もこうだったんだろうか?とか、この先、我が子を送り出す時、自分もこうなんだろうか?とか考えて見ちゃったわ。

風呂敷の中身は、お寝坊なマー君のために目覚まし時計だったり、埃の多い東京に備えてマスクだったり地図だったり・・・。
そして、オカンのおにぎりと漬物。
手紙と封筒の中には1万円。
オカンの愛を側に感じている時は、うざったくも思っていただろうけど、手紙の文字や大切なお金や、そしてこれからは口にできない母の味に涙する雅也。
もこみち君の泣きの芝居には満足できなかったけど、そこはホレ・・・演出が工夫してましたよね。
顔だけじゃなく手紙を握り締める手のアップ入れたりして・・・。(苦笑)
いや、その分良かったと思います。

東京についた雅也、いきなり不安そうだったね。
オカンも心配だろうなぁ。

正直なところ、ぜんぜん期待してなかった分、「あれ?思ったよりマシ?」って印象でした。
倍賞さん見たさで、しばらく見続けそうです。

第2章
「涙の別れ後」
脚本:大島里美
演出:久保田哲史

意外と(TωT)ウルウルした。
何だろう・・・自分が親元を離れ、一人で都会へ出たときの事を思い出しちゃうんだろうなぁ。
憧れの都会へ出たのはいいけど、一人暮らしの部屋で本当にこれから一人で生活するんだな・・・と思った瞬間の寂しさとか、都会の人々に圧倒される日々とか、とりあえず真似から入ろうとする田舎者の姿とか。(^▽^;)
雅也(速水もこみち)のやってること、どれもこれも「あったよなぁ」と思うことばかりで、懐かしさと気恥ずかしさとで胸がいっぱいになっちゃったよ。

それにしても、オカン(倍賞美津子)の「マー君貯金」って泣かせるよなぁ。
一日中働いて、マー君のためにせっせと貯金して、せっせと仕送りすることがオカンの生きがいなんだよ。
雅也は大学入ってすぐに鳴沢(平岡祐太)に声をかけられて友達だって出来たのに・・・。
上京した夜に乗ったバスで一緒になったまなみ(香椎由宇)と大学で再会もできたのに・・・。
都会に馴染むような服を買いたい気持ち、高価な絵の具を揃えたい気持ちはわかるよ。
でも、やっぱ大学行かなくなっちゃいかんよなぁ。
・・・と、今となっては思うことだけど、私もしばらく行かなかった時期があるからマー君にえらそうには言えないのだった。(^^ゞ

いろんなもの買って、仕送りしてもらったお金もなくなり、冷蔵庫は空っぽ。
同じアパートに住むフリーラーターの手塚(石黒賢)に連れ出されて、もやしドロボー。(^▽^;)
マージャン三昧!
一発当ててやろうと先物取引に手を出し、大失敗!
都会で落ちて行く田舎者の図って感じですなぁ。(゚ー゚;Aアセアセ

オカンが事故に遭ったという知らせにも交通費もなく帰れなかった雅也。
なのに、雅也が風疹になったらオカンったら足ひきずりながらでも東京まで看病に来てるのよ。(涙)
一人暮らしで何が不安かって、病気の時ほど不安な事はないものね〜。
オカンの顔見たら弱きになっちゃったのかしら?
雅也ったら愚痴っちゃって・・・。
才能がないとか、仕送りしても意味がないとか、もう苦労しなくていいとか・・・。
オカンの「なんばいいよっと?オカン、苦労だと思ったことないよ!東京に飲まれたらいかんよ。あんたが飲みこまな!それが男たい!」の言葉で、ちょっと気持ちが引き締まったかな?
去っていくオカン・・・雅也が冷蔵庫を開けると、この前まで空っぽだった冷蔵庫が隙間もないくらいオカンの料理で埋め尽くされていて・・・。(TωT)ウルウル
わかる・・・すごい、わかる。
ありがたいんだよね・・・本当に。
親が作ってくれる料理に心底ありがたいと思えるのは、悲しいかな家を出た後だったりするんだよ。
オカンの玉子焼き、オカンの漬物・・・泣けるなぁ。

オカンを追いかけてバス停まで見送る雅也。
「オカン頑張るけん、あんたも気合入れなおしてしっかりいきなさい。」
大きな愛情だなぁ・・・。
でも、大きな愛情だからって、子供にでっかいことしてもらいたいなんて思ってないんだよね。
きちんと生きてくれればそれでいい。
そんな気持ちなんだろうなぁ。
やっぱ、倍賞さん・・・いいわ〜♪

第3章
「祖母の最期」
脚本:大島里美
演出:谷村政樹

卒業後、きちんと就職もせずしばらくは「自由」な生き方を選んだ雅也(速水もこみち)。
ええカッコして、オカン(倍賞美津子)には仕送りはもういいから・・・なんて言っちゃってね〜。
都会で生きていく知恵として自分で課した一線を越えないことだという手塚(石黒賢)。
そして、オトン(泉谷しげる)は「自由にも覚悟がいる」と・・・。
この時の雅也にはこの言葉の意味なんて理解できなかったんだろうね。

自由という言葉に甘えた生活で、あっという間に水道も電気も止められ、家賃滞納で強制退去。
雅也にとっての「一線」は、とりあえず上京する時オカンにもらった1万円に手をつけないことだったみたい。
バカボン(柄本佑)がその1万円を見つけても渡さなかったのは良かったんだけど、腐ったハムを食べて腹を壊したりするぐらいなら、まずはその1万円で腹ごしらえしてから働け!とも思っちゃったなぁ。(^▽^;)
オカンに送金してもらおうと電話した雅也は、そこでばあちゃん(赤木春恵)の入院を知るわけよ。
そうなると「お金送って」なんて言い出せないわよね〜。
最後の1万円を握り締めパチンコ屋へ向かった雅也。
だーかーらーーー、大切な1万円の使い方が間違ってるって!
ホームレスのように佇む雅也を訪ねてきた鳴沢(平岡祐太)がアパートの大屋さんから預かってきた郵便物を渡すと、オカンの手紙と新幹線のチケットが・・・。
鳴沢が「これ、よかったら・・・」と差し出したお金をもぎ取るように受け取って・・・情けないよ、マー君。

ばあちゃんと幼い頃のマー君のエピは、今回のラストになかなか効いてきました。
一見厳しそうだけど、優しかったばあちゃん。
リヤカーを引くばあちゃんを見て、後ろから押してあげた幼きマー君に「お駄賃」とくれたギザ10!
マー君が欲しかった昭和三十三年のギザ10!
筑豊へ帰った雅也にオカンが渡したのは「マー君へ」と書かれた箱。
何でしょうね〜、ばあちゃんとオカン、やっぱり親子なんですね。
二人ともマー君のために、こつこつと貯めてるんだもんなぁ。
しかも、ばあちゃんはこっそりオカンのためにも貯金してたんだよね。
人を想う気持ちが、ばあちゃんからオカンにちゃんと受け継がれていて・・・なのに、マー君!あんたは、なんばしよっとね?状態ですわ。
雅也も自分で思ったはず!
ばあちゃんが何もない場所を指差して、「そこに100万あるやろうが・・・。それで鍋を買いなさい。母ちゃんに心配かけたらいかん!あん子は昔から辛くても泣けん子じゃったけん!」と離すところは(TωT)ウルウルしちゃったなぁ。
扉の外で聞いてたオカンも、ばあちゃんの愛にあらためて気付かされたと思うし・・・。

いいところで流れるコブクロの主題歌も、めちゃめちゃ合ってますね〜♪

マー君、もう一度気合入れなおして東京で頑張らんば!

第4章
「病いの宣告」
脚本:大島里美
演出:谷村政樹

ばあちゃん(赤木春恵)の死後、雅也(速水もこみち)は東京へ戻り真面目にバイト生活を送りながらイラストを描き続けていた。
オカン(倍賞美津子)は自分の小料理屋を持つ。
オカンの料理が並ぶ小料理屋・・・行ってみたいなぁ。
漬物とかがめ煮とかが並ぶ店、めちゃめちゃ好みだよ〜。
ぜんぜん読めないオトン(泉谷しげる)手書きのメニューも味があって良いじゃないですか!(笑)
あのメニュー、何て書いてあるんだろう?と眺めてるだけでも楽しそう。

鳴沢(平岡祐太)の紹介で、雅也に女性誌のイラストの仕事が舞い込む。
・・・が、絶対採用されたいという強い想いは、誰かの真似事の絵を描かせてしまうのよね〜。
狙っていたイラストと違うものを提出されて編集者(深浦加奈子)は渋い顔。
落ち込む雅也に鳴沢が自分がやってる仕事を見せて励ますわけよ。
一流の出版社に入ってカッコよく生きていると思っていた鳴沢の仕事が、巻末の風俗情報だったなんて・・・。
鳴沢もいいヤツじゃん!
そして、彼はどこかで雅也みたいな生き方を羨ましいと思っているんだろうな。
だからといって、鳴沢が雅也に嫌味な態度をとったりしないところがいい!

誰かの真似ではない、自分らしいイラストを再度持ち込みOKをもらった雅也。
やっとイラストレーターとしての第一歩を踏み出そうという時、オカンに甲状腺のガンが見つかるなんて・・・。
声帯の摘出しか完治する方法はないというのに、オカンは甲状腺のみの手術を選ぶわけよ。
わかるでしょ?
マー君と電話で話せなくなるからよ!
ウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!!! 
おばちゃん(浅田美代子)からオカンの病気を聞かされた雅也。
でも、オカンは何よりもマー君のイラストが雑誌に載った事を喜んでるんだよね。
病院の売店にあった雑誌を全部買い占めて・・・。
患者さんやら看護婦さんやらにマー君のことを自慢してる様子が泣けたなぁ。(TωT)ウルウル

「マー君と電話で話せんようになったら困るけんね。ガンぐらいで死にゃ〜せんよ。あんたはそっちで仕事をしっかり頑張りー!」
強くて大きなオカンだなぁ。
私ったら、意外と毎週泣いてたりして・・・。(^^ゞ

第5章
「最後の旅行」
脚本:大島里美
演出:久保田哲史

雅也(速水もこみち)が病院へ駆けつけた時、オカン(倍賞美津子)ったら病室で花札してるし・・・。(笑)
雅也にしてみれば、一瞬「なんだよ!」と思うけどホッとする瞬間だったかもしれないね。
無事手術も終わり、東京へ戻る時、オカンがお見舞いの果物を持たせてくれるところ、新幹線のチケット、バスの時間と雅也の心配ばかりするところで、どれだけオカンの中でマー君の存在が大きいかがわかりますわ。

で、退院してしばらくして、オカンとおばちゃん(浅田美代子)がハワイに行きたいって言い出すのよ。
しかも、旅費はマー君持ちで。(^▽^;)
オカンに「冥土の土産に」なんて言われたら、ちょっと考えちゃうよなぁ。
でも、マー君の全財産29,731円だし。(゚ー゚;Aアセアセ
バイトしたりしてる中で、バカボン(柄本佑)たちが勝手に用意してくれた格安チケット。
いいとこ羽合温泉かな?と思ったら、ハワイアンセンターかい!

それでもオカンは楽しそうだったなぁ。
私も数年前に母親と二人旅をしたんだけど、こっちは正直そこまで思ってないのに、母親の方は「あんたと二人で旅行ができるなんてね〜」と妙に感慨深げだったのを思い出しちゃった。(涙)
ハワイアンセンターではしゃぎまくるオカンに冷めた態度を取る雅也。
そこでおばちゃんから聞かされるのよ・・・あの病院の家を出なきゃならない事実を。
オトン(泉谷しげる)からもらった指輪を大切にしているのに、そのオトンは他の女と暮らしているからと頼らないオカン。
マー君にも決して心配をかけないようにしているオカンが健気で・・・。

「楽しか旅やった。オカン、一生忘れんけんね。」と雅也と別れ、筑豊へ帰っていくオカンの背中を見ていたら、雅也は「オカンとずっと一緒にいる」と約束した幼い日の自分を思い出すんだよね。
オカンを呼び止め、「東京に来るね?東京で一緒に住まんね?」と雅也。
「そっちに行って・・・いいかね?」とオカン。
もう一度雅也が「東京で一緒に住もう。」と言った後の、オカンの嬉しそうな顔がたまらなかった。
やはり、キメどころはすべて倍賞さんがきっちり仕事して下さいますね。(笑)

第6章
「オカン上陸」
脚本:大島里美
演出:久保田哲史

雅也(速水もこみち)ったら、オカン(倍賞美津子)が東京に来る事に「YES」という返事をするとは思わずに「来るね?」と聞いたらしい。(^▽^;)
意外にあっさりオカンが東京で一緒に暮らすことを決めたもんで、ビックリ!って感じだったのかな?

こうやって、再び親子二人で暮らすことになった雅也とオカン。
少し広い部屋を借りて、生活費も渡して・・・。
頼もしいじゃないか!マー君!

一人暮らしってものに慣れちゃうと、家の中に誰かがいることが煩わしかったりするんだよね〜。
雅也の場合、アパートでバカボン(柄本佑)たちに居座られてたし、誰かがいても大丈夫かな?と思ったんだけど、それがオカンとなるとまた違うわけで・・・。
でも、オカンにとっては久々の息子との同居が嬉しくてたまらない。
その上、息子のお友達が来てくれて、出したご飯を美味しい、美味しいと食べてくれる。
オカンの嬉しそうな顔がたまらんのよ。
この人、こうやってみんなの美味しい顔やら、みんなの笑顔やらを見るのが本当に好きなんだなぁと思うと、それだけで泣けてきちゃう。(´Д⊂グスン

まなみ(香椎由宇)とのデートの約束があったのに、まなみからの電話にオカンが出て家においでと誘ったもんだから、雅也は何とか家に行かせまいと必死で・・・。(笑)
息子の彼女と初めて会うって時に、オカンったら寛人(高岡蒼甫)たちと盛り上がって付けっ鼻とめがねで挨拶してんだもんなぁ。(笑)
「はじめまして、マー君のオカンです」って可愛い。
自分の母親との距離を感じているまなみにとっては、本当に理想のオカンなんだろうなぁ。

締め切りを守れない事が続き、鳴沢(平岡祐太)に仕事を断られてしまう雅也。
いくら鳴沢が友達でも、彼だって会社ではまだペーペーなんだし、度重なる締め切りの遅れをかばってやるわけにもいかないよなぁ。
そんなこんなで苛立ってしまった雅也は、ついオカンに当り散らす。
「もう帰ればよかとに。」
あぁ、言ってはいけない一言を・・・。(´ヘ`;)

手塚(石黒賢)が雅也に言ってくれた言葉は、結構じーんと来るものがあったなぁ。
まさに「孝行したい時に親はなし」って内容だったんだけど、実際に親を亡くしている手塚の言葉だから雅也にも響いたんだろうね。
「いないと寂しい、いれば鬱陶しいのが親」
「親はいつまでもいるわけじゃない」
「いつかマー君もあのぬか漬けを食べたいと思う日が来る」
「糠床の壷を抱えて東京へ来たオカンの覚悟だけはわかってあげたら?」
深く関わってるわけでもない人だけど、言葉に説得力がある手塚さん。
いいなぁ、好きなキャラだわ。

家に帰ってオカンが「これが全財産」だと筑豊から持ってきた古い箪笥を開けてみると、そこに入っていたのはマー君デザインの「かっぱ」の暖簾、大学の合格通知、卒業証書、そして雅也のイラストのスクラップブック。
オカンにとって、財産はマー君だけなんだよね。

「オカン、マー君ち以外行くとこないけん。困ったけんね。」
「これからはここがオカンとオレの家たい。それで死ぬまで東京におったらええ。」
くーーー、マー君よく言った!
これからは「誰の金だと思っとると?」とか言わず、オカンに料理させてやって下さい。<(_ _)>
オカンの生きがいなんだから・・・。(TωT)ウルウル

第7章
「オカンの心、ボク知らず」
脚本:大島里美
演出:谷村政樹

良かった・・・。
いろんな場面でボロボロ泣けてしまった。

みんなオカン(倍賞美津子)を訪ねて集って来るのね〜。
でも、その気持ちわかるわ〜。
あんなおばちゃんが身近にいたら、通いたくなるもん!
そうやってみんなが通ってくる中で、一人スネてる雅也(速水もこみち)の気持ちもわかるぅ。(笑)

今回はまなみ(香椎由宇)が雅也に言ってた「オカンに触れると、その温かさで自分が寂しかったことに気付く」って言葉がすべてを表してましたね。
みんなオカンが大好きで、毎日のようにやって来るんだけど、それぞれが自分の母親との関係を考えちゃったりするわけで・・・。

寛人(高岡蒼甫)は10年前に悪さをして家を追い出されて以来、母親(りりィ)に会っていない。
「ただいまが言えて、あったかいメシが食える家、オレには10年ぶりや。」という台詞が、何ともせつなかった。
仕事に追いまくられて、オカンが出してくれたご飯を食べずに帰ろうとする鳴沢(平岡祐太)にキレる気持ちもわかるなぁ。
こういう風に接してもらえる事が、どれだけありがたいことか・・・寛人は身にしみてわかってるんだよね。
10年前に母親を殴ってしまった寛人。
その話を聞いたオカンに「殴られた事より、10年も息子に会えない方がよっぽど痛か!」と言われた寛人は、勤続10年でもらったお金を手に実家へ帰る。
でも、どうしてもドアが開けられない。
少し開いていた窓から10年ぶりの母の姿を見て、黙ってお金を置いてくるところを見てると胸が苦しくなっちゃったわ。
勤続10年・・・きっちり働いていたんだし、堂々と会いに行ってもいいのにね〜。
寛人の中では10年前に母親にした事がずっと引っかかってて、顔を合わせられないんだよなぁ。
後日、母からの手紙が勤務先に届く。
「10年間ずっと待ってました。これからは好きな時に帰って来て下さい。あなたは私の息子なんですから・・・。」
この手紙で泣く寛人に、あたくしももらい泣き。(´Д⊂グスン

自分の写真が掲載された雑誌を送っても、母親(朝加真由美)に見てももらえず寂しい想いをしているまなみ。
オカンに雑誌を見せたら、「よか写真ね〜」と褒めてくれるのにね・・・。
本当は自分の母親にこう言ってもらいたいんだよなぁ。
オカンは、ただご飯食べさせくれるだけのおばちゃんじゃないんだよね。
オカンの姿を見ていると、自分の子供ですら育てられない人の多い現代社会を嘆いてしまいますわ。

鳴沢君も会社で認めてもらいたくて、仕事漬けの毎日で余裕がなかった。
発注を忘れたイラストを雅也に頼もうかとやって来たところで倒れて、気がついたら雅也の家で布団に寝かされてて・・・。
そこで出されたオカンのおかゆ。
「な〜んも食べとらんとでしょ?」・・・これで泣いちゃう気持ち、よくわかるよ〜。
鳴沢君、このおかゆの味、忘れたらいかんよ!
最初の方で鳴沢のスーツのボタンが取れかかってるのが映った時に、そのボタンがどうなるのかは予想できてた事だけど、それでも寝てる間にオカンがつけてくれてたと思うとドラマなのにありがたくて泣けちゃったよ。
鳴沢のピンチを雅也が助けるのも良かったじゃないですか・・・。
イラスト、最後は二人で仕上げてたしね〜。(TωT)ウルウル

すっかりスネスネモードで、うさぎがお友達状態だった雅也。(笑)
お誕生日のお祝いを盛大にしてもらえてよかったじゃないですかーーー!
オカンが巣鴨で買って用意した、みんなの名前入りの箸。
名前の入った箸なんてダサい感じがしちゃうんだけど、これはすごく温かみを感じる箸だったね〜。
みんなフルネーム入りの箸なのに、バカボン(柄本佑)だけ「バカ ボン」なのは笑ったなぁ。
完璧にオチ扱いじゃん!(笑)
寛人、特大のお茶碗買ってもらったから、またいっぱいご飯食べれるね。
寛人のことを「おかえり」と迎えてくれるオカンが、またいいんだわ・・・。(TωT)ウルウル

しかし、オカンの病気は見えないところで進行していたようで・・・。(´Д⊂グスン
いよいよ辛い展開になっていくのね。

第8章
「時々オトン〜家族の絆」
脚本:大島里美
演出:久保田哲史

オカン(倍賞美津子)を発作が襲うようになった。
ガンの再発・・・手術のほかに選択肢はないが、かなりの確率で声を失うかもしれない。
手術を拒むオカン。
おばちゃん(浅田美代子)に電話した雅也(速水もこみち)は、オトン(泉谷しげる)に連絡しろと言われ電話を入れるが、まるで話にならない。

すぐに上京してきたおばちゃんがオカンを説得しているところへ、まなみ(香椎由宇)と一緒に帰って来た雅也。
自分が帰って来た事に気付かず、オカンが「これ以上、マー君に迷惑かけたくない。」と話しているのを聞いて、オカンの本音を知るわけよね。
「起きなさいもおかえりなさいも言えん!マー君て呼べん!」とオカンが言ったところは、さすがに胸が苦しくなった。
そこで雅也が「家族なんやけ、迷惑なわけなかろーが!死なれた方がずっと迷惑たい!」と言ったのもね・・・。
母は子を思い、子は母を思い・・・そんな光景を目の当たりにしたまなみの心を動かすものも、そこにあったんだろうな。
マー君の説得で手術を決意したオカン。
もしかしたら声が出なくなるかも・・・って事で企画された「オカンの歌い納め会」で、雅也がオトンの十八番を歌うのをニコニコ顔で聴いてるオカンが微笑ましかったわ。

母・恵子(朝加真由美)から旅館を手放すかもしれないという連絡を受けていたまなみ。
自分を理解してくれないと母親から逃げていた・・・、でもオカンに「顔を見ればホッとする。家族なんてそれだけで100点満点」と言われ、帰る決断をするわけよ。
きっとオカンや雅也がいなければ、まなみの心が動く事もなかっただろう。
思い切って帰ったおかげで、少し恵子と歩み寄れた。
いや、ほんと家族なんてその存在だけで100点満点なんだな・・・。(涙)

オトンもちゃんと上京してきましたね。(笑)
雅也が子供の頃の場面で、酔っ払ったオトンがポケットに焼き鳥を包んで持って帰ってきて、それを幼い雅也の口に「お土産」とつっこむシーンがあったでしょ?
だから、オカンの病院に行く前、オトンが焼き鳥食べてた時にオカンにも焼き鳥持って行ってくれることをひそかに期待してたんだけど・・・それはなかったんですね。(^▽^;)
ほら、病院で平気でタバコ吸っちゃうようなオトンだから、手術を控えて入院してるオカンにもそれぐらいの事やるかな〜って思ったんだけどさ。(^^ゞ
でも、オトンと一緒に病院の売店で買い物してるオカンは本当に嬉しそうだった。
家族がここに揃った・・・それだけで100点満点なんだよね。

手術は成功。
病室の外にそびえ立つ東京タワーを手鏡に映してみているオカン。
一緒に覗き込んでいる雅也。
そして窓際にオトン。
小さな病室に家族3人揃っている事に小さく感動。

もこみち君、ヘンにカッコいい役より、こういう役の方がいいみたい。

第9章
「将来の約束」
脚本:大島里美
演出:谷村政樹

オカン(倍賞美津子)は無事退院。
家に帰ってからのオカンは、これまで通りいろんな人にご飯をご馳走して嬉しそう。
雅也(速水もこみち)の仕事も順調!
いう事なし!のはずだったんだけど・・・。

まなみ(香椎由宇)との久々のデートで、彼女の口から出た「将来」という言葉の意味を考える雅也。
まなみは実家の旅館の経営で苦しんでいる母・恵子(朝加真由美)のために、バイトを増やして仕送りしていた。
鳴沢(平岡祐太)にまなみが大変なのを聞かされた時、雅也はショックだっただろうね。
何も知らなかったこと、何もしてあげられなかったこと・・・。

母の日に雅也とまなみが、それぞれ別々に買ってきてくれたフラワーロックを見て「仲いいね」とオカン。
まなみなら、きっとマー君とうまくやってくれる・・・オカンはそう思ったんだろうなぁ。
「頼りな〜か息子やけど、マー君のことお願いします。」

指輪を受け取ったものの、自分がこのまま東京にいていいのか悩んでいたまなみ。
一方で雅也は手塚(石黒賢)に「タイミング逃さないようにね。何年も後悔するハメになる事もあるから。」と言われ、プロポーズを決意。
まなみを呼び出し将来の話をしようとするんだけど、まなみは「一人で出てきた東京でたくさん温かい人に出会えた・・・だからこそ、母を一人にできない。側にいてあげられるのは私だけなの。」と実家へ帰ることを告げるわけ。
マー君と幸せになりたいって気持ちは、もちろんあったでしょう。
でも、実家では母親が苦労している・・・そんな時に自分だけ幸せになんてなれないって気持ちもあったんじゃないかしら?
母の側にいてあげたい・・・まなみをこんな気持ちにさせたのも、オカンとの出会いがあったからよね〜。
「これはもらえない」と指輪を返そうとするまなみ。
「これはオカンがあげるって決めたもんやけん」と、まなみの手に握らせる雅也。
雅也も引き止めることはできないし・・・。(涙)

精密検査を受けていたオカン、胃癌だという事がわかりました。
マー君には内緒にしていたようですが、風邪を引いてオカンのかかりつけの医者にかかった雅也に、その事が知らされて・・・。
はぁ・・・いよいよですね・・・。

フラワーロックを普通の植木鉢みたいに、ベランダにおいてるオカンが可愛かったなぁ♪
どこにいっても、すぐお仲間を作って楽しそうにしてるし・・・。
あんないいオカンが、何で病気なんかに・・・と思っちゃいますね。(´Д⊂グスン

第10章
「最期の選択」
脚本:大島里美
演出:久保田哲史

あ〜、もうボロ泣きの1時間でしたわ。
「オカン、胃癌なんよ」
「また前のごと治るよ。死にやせんよ。」と励ます雅也(速水もこみち)。
オカンを励ましてあげられるなんて、マー君も成長したなぁ。(しみじみ)
入院する日、オカンがかしこまって「朝はちゃんと起きる事、ゴジラ(うさぎ)にえさをやる事、オカンに何かあったら箪笥の中の箱を開ける事。」と雅也に話をした後、部屋を見渡しているカットですでに(TωT)ウルウル。
オカンの覚悟がね〜、胸を締め付けるんですわ。
横断歩道を渡るオカンの背中が小さく感じる・・・駆け寄ってオカンの手を取るマー君。(つд⊂)エーン
あたくし、もうここでひと泣きしちゃったんですけど・・・。早い?(^▽^;)

検査の結果、オカンのガンは進行性のガンで手術はできないと医者に言われる。
マー君が抗がん剤治療をオカンに勧めたのは、何%かだけでも助かる希望を捨てたくなかったから。
オカンと別れる覚悟が、まだマー君の中にはなかったから。
オカンが「そうやね〜、頑張ってみよ〜かね〜。」とマー君に従ったのは、マー君の言う通りにしようって気持ちもあったかもしれないけど、まだ今はこの子を遺して逝けないって想いもあったんじゃないだろうか?

抗がん剤治療で辛そうなオカン。
そんなオカンを支える雅也とおばちゃん(浅田美代子)。
苦しむ家族を見てるのは辛いね。(´Д⊂グスン
雅也が仕事も手につかなくなる気持ち、わかるなぁ。
頭の中、オカンでいっぱいになっちゃうもんね。
そんな雅也を見た鳴沢(平岡祐太)がまなみ(香椎由宇)に連絡を取る。
鳴沢もいいヤツじゃん!
雅也の事情を知って、締め切り延ばしてもらったり、こうやってまなみに連絡したり・・・。

二度目の抗がん剤治療は、オカンが衰弱している上に一度目より辛いらしい。
でも、この治療にすがりたかったのは、たぶんマー君の方なんだよね。
どうしてもオカンがいなくなるなんて考えられない。
一番辛いのはオカンのはずなのに、どんどんくじけていく雅也。
すごくわかるなぁ。
情けないけど、子供なんてこんなもんなんだよな。

オカンに何かあったら開けてと言われた箱を取り出すと、「オカンが死んだら開けてください」の文字。
読んだだけで泣くっちゅーの!
病院から戻ってきたおばちゃんに「頑張れ・・・って、言いきらん」と泣き言を言う雅也。
おばちゃんがビシッと怒ってくれるんだけど、これがまた泣けるのよ。
「辛い時も姉ちゃん笑って来たやないね。今はあんたが励ます番。あんたが笑わんで誰が笑うと?」(号泣)
子供みたいに泣いてる雅也と、お母さん代わりになって怒ってくれてるおばちゃんと・・・。
みんな辛いんだよね〜。

まなみも病院へやって来た。
オカンがあげた指輪をはめてくれている。
オカンはこれを見て、雅也にはまなみがいてくれるって安心できたんだろうね。
ついにオカンが雅也に本音を・・・。
「やめたか・・・。もう、やめたか・・・。」。゜(゚´Д`゚)゜。ウァァァン 
抗がん剤治療なんて、最初からしたくはなかったんでしょう。
でも、雅也のために頑張ってきた。
その頑張りも限界・・・。
「もう、やめようか・・・。オカンよう頑張ったね。」とオカンを抱きしめる雅也。
抗がん剤で苦しむだけの日々より、少しでもオカンらしい時を過ごさせてあげたい。
こう思えるまでに、何度も泣いてきたんだね〜。

最終回の予告で、また泣いてしまった。
このドラマ、始まる前は正直「大したことないだろう」と思ってたんだけど、いい意味で裏切ってくれてありがとう・・・って感じです。
最終回、期待してます!

最終章
「涙の最期」
脚本:大島里美
演出:久保田哲史

抗がん剤治療をやめ、オカン(倍賞美津子)は治療の辛さからは解放された。
入院してても、オカンの周りには人がいっぱい。
こういうのを見ているだけで泣けてきちゃうなぁ。
入院して3ヶ月、外出した事がなかったオカンをおばちゃん(浅田美代子)に頼んで旅行へ連れて行ってもらった。
旅行先から雅也(速水もこみち)に電話をしてくるおばちゃんとオカン。
いやぁ、倍賞さんがさすがなのよ!
体は弱ってるんだけど、今は楽しいって感じを出すのがね・・・うまいんだよなぁ。
お刺身を食べたなんて喜んでたのに、その後旅館で倒れたオカンは救急車で病院へ戻り個室へ・・・。
いつかオトン(泉谷しげる)が言った「個室に移ったら危ないぞ」の一言が雅也の頭をよぎったんだろうなぁ。
うわ言のように「冷蔵庫に鯛の刺身が入っとるけん。鍋にはなすびの味噌汁があるけん、ぬくめて食べんしゃい・・・。」と、こんな時もマー君の食事の心配してるオカンが泣ける。
医者からあと数日と宣告された中で、みんなが会いに来てくれて・・・。
心配そうなバカボン(柄本佑)たちの顔を見て「困った息子たちね〜」、そして遅れてやってきたまなみ(香椎由宇)を見つけると「娘が一人おった」とオカン。(涙)
オカンにとっては、本当の息子や娘みたいなもんだったんでしょうね。

オトンもやって来て、個室で親子3人揃って眠る夜。
当たり前にあるべき光景が、今までなかったんだよね。
その幸せを感じたのかどうかはわからぬまま、オカンは最期の時を迎える。
「オカン、がんばり!オカン、いかんでよ!オカンのぬか漬け食いたい!朝ごはん一緒に食べたい!」と子供のようにオカンにすがって泣く雅也。
今までもこみち君の泣きの芝居につられた事はなかったんだけど、この場面は泣けちゃったよ。
いい大人なのにかっこわるいほど子供なマー君を見てるとせつなくて・・・。
最後の最後までオカンの前ではただの子供・・・。

オトンが喪主の挨拶もろくに出来ず、オカンの棺に抱きついて泣くところもぐっと来た。
ちょっとやりすぎじゃないか?と思いつつも泣いてしもーた!(^^ゞ

葬式も終わって、「オカンが死んだら開けてください」と書かれていた箱を開ける雅也。
中身は通帳や保険証券の他に古いお札、そして手紙。
手紙の中にあった「まなみが甘えてくれるのが嬉しかった」というのを聞いて、オカンが元気で雅也とまなみが結婚したら、どんなに明るくていい家庭になったんだろうかと思うと、それだけで泣けてきちゃった。
手紙の最後も「そしたらちょっと行ってきますね。」・・・オカンが出かける時の決まり文句だったね。

雅也が「オカンの指輪をこれからも持っとってくれんね?」と聞き、まなみが「うん」と答えた。
これで二人の気持ちがきちんと繋がってることはわかったし、天国のオカンも安心してみていることでしょう。

終盤の雅也の語りの部分が、これまたぐっと来た。
あれもこれもしてやりたかったのに・・・と、後悔して涙が出るというような内容。
そうなんだよなぁ・・・私も父親を亡くしているので、すごくわかる気がした。
「いつでん出来たのに・・・」
ほんと、そうなんだよね。(´Д⊂グスン

オカンの写真を持って、東京タワーの上に上ったマー君。
「オカン、すごかね〜。今日は天気がいいで、良かったね〜。」
本当はオカンが生きてるうちにしてやりたかったんだよね。
でも、それに気付くのは何故か親を亡くした後・・・。
それでもオカンは幸せだったはず。
親ってそういうもんで、子供ってそういうもん。

倍賞さんの力が大きいのは言うまでもないけど、もこみち君も頑張ったよね。
「のだめ」「東京タワー」となかなか良い月9が続いた後の「プロポーズ大作戦」が激しく不安だ。(^▽^;)

 

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