セクシーボイスアンドロボ

原作:黒田硫黄 「セクシーボイスアンドロボ1」「セクシーボイスアンドロボ 2 (2)
P:河野英裕
主題歌:みつき 「ひとつだけ」(大切なもの(初回限定盤)(DVD付)に収録)
TVサントラ:「セクシーボイスアンドロボ」オリジナル・サウンドトラック

VOICE1 三日坊主
「美しき思い出を忘れた
殺人者を追え!!」
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

ワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ
あたくし的にど真ん中ストライクのドラマでしたわ!
木皿泉脚本ってところで期待してたんだけど、これがどうしてうれし涙が出るほどに期待を裏切らない作品じゃありませんか〜。
原作は全く知りませんが、初回でどっぷりハマっちゃいました!
七色の声色を操る少女・ニコ(大後寿々花)とロボットマニアで女好きの青年・ロボ(松山ケンイチ)が様々な怪事件を解決するというお話。
初回は普通人物紹介的な要素が多くなるので、どうしても単調になりがちなんだけど、このドラマはそのあたりがうまかった。
ぐいぐい引き込まれてしまいましたわ。

三日坊主(中村獅童)という記憶が三日しかもたない男と知り合ったニコとロボ。
三日坊主が大事に抱えていた箱の中身は、彼が「俺の切れ端」と呼ぶ一見ゴミのようなもの。
アイスを食べた後のゴミ、レシート、ホテルの領収書・・・。
記憶がもたないから、そうやって生きてきた証拠をとっている三日坊主。
それとは別に「忘れたくない事」を書き記したメモ帳。
いろんな忘れたくない事が書いてあるのに、何で忘れたくなかったのかがわからない。
そんな三日坊主に「じゃあ、これからは忘れたくない理由も書けば?」とアドバイスしたニコ。
ロボの家でニコが作ったカレーを食べた後、三日坊主はメモ帳に「人の家で食べたカレー・・・理由:生きている気がした」って書くわけよ。
何だか泣けてくるんだけど・・・。(´Д⊂グスン
そういうところにからめて、ニコの父・竹男(塚本晋也)が毎朝飲む牛乳瓶のフタをとっておくクセや、姉・一海(村川絵梨)が洋服についてるタグをとっておくクセを出すのもさり気なく深い。
他人から見れば意味のないものが、その人にとっては意味があり、過去を示すのかと思えば未来へ続くようなものにも見える。
私がこうやって日々書き綴っているドラマレビューというものも、自分にとっての過去の積み重ねのようで、ここからまた未来へ繋がる一歩のようでもあり、いろいろ考え出すととにかく「う〜ん、深い」と唸ってしまう。

実は殺人者だった三日坊主。
次のターゲットはニコが1粒480円で「本来自分が何をやりたかったのかわかる薬」を買った、地蔵堂の女主人・マキ(浅丘ルリ子)。
三日坊主に人殺しをさせたくない・・・何とか止めようとするニコ。
「全部忘れたからって、なかった事にはならないんだからね!」
自分が3日で忘れた事も、自分以外の誰かが覚えている限りこの世からなくなる事はない。
ニコの説得で思い止まった三日坊主。
ニコに「将来スパイにでもなるつもりなら、ロボを連れてあたしんとこ来な!」というマキ。

忘れたくないことのメモ帳に「オレは人を殺した」と書いた三日坊主。
「人を殺した事を絶対に忘れないと思ったら、気持ち自由になった」って言葉が印象的だった。
最初はどんなきっかけだったのかはわからないけど、三日坊主は人を殺した。
それでも彼は生き続けなきゃならないから、三日で記憶をなくすような精神状態に自分を追い込んだのかもしれない。
そうやって人を殺したという事実を自分の中から排除してきたのかなぁ。
でも、認めたからこそ楽になれた。
殺しの依頼主が三日坊主に渡した箱は、きっと爆発物だろうなぁ・・・と最初からわかっていた。
だけど、わかっていても三日坊主の最期は悲しくせつなかった。

三日坊主が死んだのは自分のせいだと責めるニコに、マキが言った言葉もずしんと来たなぁ。
「だってあなたはこの世界に関わってるの。どうしようもな〜く関わってるのよ!」
生きるというのは、必ずどこかで誰かと関わるということ。
関わるからには、プラスの場合もマイナスの場合も必ずある。
その中で私たちは生きているということ。
考えれば考えるほど深い意味がありそうだわ。

爆発で焼け残った忘れたくない事のメモ帳に「ニコ ロボ」って書いてあったのが、また泣けるんですわ。(´Д⊂グスン
爆死で吹き飛んだ三日坊主の姿が、二週間前に撮影したドラマの映像の中に映ってるというのもね・・・。
「なかったことになんかならない」って言葉も、いい意味にも悪い意味にも取れて深かった。
うーん、めちゃめちゃ好みだ!このドラマ!
ウラは未見リタイアって可能性もありますな。(笑)

VOICE2 ごぼ蔵
「強盗犯の最後の恋」
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

良かった!
合コン用に白地にオシャレなグリーンのペイントの服を借りたロボ(松山ケンイチ)とニコ(大後寿々花)が美容院のシャンプー台で隣同士になったところで、なんとバイクがガラスをぶち破って突っ込んで来る!
驚いてる二人の前で、髪についたグリーンの塗料を洗い流そうとする男(村上淳)。
その様子を見て「カラーボールですか?」と尋ねるロボ。(^▽^;)
男は強盗でカラーボール投げられて逃げる途中、美容院にバイクで突っ込み頭を洗おうとしてたってわけよ。
んな、アホな・・・。(笑)
で、ニコから借りた携帯電話を持ったまま逃走した男。
追ってきた警察に、服のペイントがカラーボールによるものだと勘違いされ逃げるはめになってるロボ。
ニコも男を追いかけてるうちに警察に追われ、いつの間にか強盗犯・ニコ・ロボの3人で逃げちゃってるよ。(爆)
もう、ここまでで十分楽しかった!
っつーか、よくこういう風につながっていく話が書けるなぁと感心しちゃったよ。

強盗犯の後藤さん(笑)は、伊豆に行きたいらしい。
すずちゃんという女性に会うために・・・。
そして、彼はすずちゃんに頼まれた買い物をして帰ろうとしてるのよね。
パンと洗剤とさくら餅。
途中で後藤が電話していた先はどうやら留守番電話。
その留守番電話のメッセージに「ただいま」と返す後藤さん。

お買い物をして伊豆まで行く間に、後藤と名梨(岡田義徳)と通りすがりの男のバッグが何度も入れ替わるという話も絡んでくる。
ちなみに後藤のバッグには買い物したフランスパン、名梨のバッグには仏像、通りすがりの男のバッグには小道具の足が入ってました。
書きたくてもややこしくて書けないので、ぜひご自分の目でどのバッグがどうなったのかはお確かめ下さい。(^^ゞ
ただ、最終的にはどれもこれもその人にとっては取替えのきかないものだったって事がわかります。

逃走途中、検問を逃れるためにコスプレしたりして、それがまたバカバカしくて笑えるんだよなぁ。
検問してた警官も何かのマニアだったらしく、温かい目で見てくれちゃってるし・・・。(笑)
その時の後藤のコスプレが「ごぼ蔵」というキャラだったらしく、ここからはロボたちに「ごぼ蔵」って呼ばれるようになるのよね。
一緒に逃げるうちにごぼ蔵とニコ&ロボの距離がどんどん縮まっていって、それが何だか微笑ましかった。

ごぼ蔵は亡くなった恋人・すずちゃんの腎臓が移植された野口さんに会いに行っていた。
すずちゃんが生きている間も死んでからもダメ男だったごぼ蔵。
すずちゃんに謝りたいという気持ち、それを伝えるために部屋に落ちていた買い物のメモに書かれたものをちゃんと買い揃え、野口さんの体の中で生きているすずちゃんの腎臓に会いたかったってわけね。
はじめて会った野口さんに事情を説明して、その野口さんが別室にごぼ蔵を通し「ここです」と移植の傷跡を見せたところでは、ちょっと笑いそうになったんだけど、その傷跡に向かってごぼ蔵が謝り「はじめてちゃんとメモ通り買って来たよ。」と語りかけるところでは泣きそうだった。
それを見ていたニコがロボの携帯を持ち出し、一度聞いたすずちゃんの留守番電話の声色を使ってごぼ蔵が持つ自分の携帯に電話する。
「大丈夫だよ。富士山みたいにちゃんとした人になれるよ。」
ごぼ蔵、すずちゃんに許してもらえたって思えたんじゃないかなぁ。

「人に優しくされるっていいな。また頑張ろうって気になるよ。」と警察に自首したごぼ蔵。
いつかごぼ蔵が帰ってくる日のために、部屋を片付けてあげているニコ&ロボ。
取り替えられない人と出会うということ・・・そこに今まで理解できなかった恋愛というものの片鱗を見たニコ。
ニコにかかってきた間違い電話の声の主が、ニコの初恋になるんですかね。
「取り替えられない人に出会えたら、どんなに心強く生きていけるだろう。会えるかどうかわからないけど、どこかにそんな人がいると思っただけで、どんなに明日は楽しいだろう。そっか、それが・・・恋愛か!」
ニコ、まさにそういう雰囲気ですね。
会えるかどうかわからない間違い電話の主の存在が、ニコの明日を楽しくするのかもしれません。

VOICE3 お歯黒女
「孤独なお歯黒女!!救出作戦」
脚本:木皿泉
演出:池田健司

昨日、リアルタイムで見てたんだけど、見終わった後に考えがまとまらなくて一晩寝かせちゃったよ。(^^ゞ

世間を騒がせている「お歯黒女」を捜して欲しいとマキ(浅丘ルリ子)に頼まれたニコ(大後寿々花)。
怪我をして動けない名梨(岡田義徳)の代わりに・・・と依頼され、いきなり100万円渡されたら中学生はビビっちゃうよね。(^▽^;)
しかも、そのお金は"腕のいいスリ"にスラれて返すわけにもいかなくなっちゃうし・・・。

お歯黒女の正体は、自殺願望のある山野月子(香椎由宇)だった。
ロボ(松山ケンイチ)の目の前で自殺集団の車に乗り遅れた月子。
「死ぬと決めてから心が安らかだった」という一言には、「そんなもんなんだろうか?」と思っちゃったわ。
自殺をやめさせたかったら100万円頂戴という月子を救うため、ロボはニコと一緒に仕事の依頼を受けるのよ。

みんなに覚えておいてほしかったからやったことだった。
価値のある人間でいたかった。
私から見れば、お歯黒女として人の記憶に残る事に何の価値があるのか理解できないんだけど、月子には大きな意味があったんでしょうね。
死ぬと決めたからできた事だとすれば、よく言われる事だけど違った方向に目を向ければ、また別の何かを成し遂げる事ができたと思うんだけど・・・。

そんな月子の考えを変えたのは、なんと10歳の頃の自分が「10年後の私」に宛てて書いた手紙。
たった10歳だった自分が、未来の自分に渡したかったのは「どんな時も元気の出る魔法の乾電池」だった。
「がんばってね」・・・昔の自分に励まされるのって、どんな気持ちだろうね。

お歯黒女が自殺すれば、月子はもう一度やり直せると考えたニコ。
ロボは「脱皮だ!」って・・・。(笑)
確かに脱皮なのかもしれないね。

死ぬために、生きた証を残そうとした月子。
そんな事考えてる暇があったら、どんどん生きちゃえばいいんだよ!

「気の進まない事でも自分のやり方でやり通す。それが自分らしく生きるという事。」とマキ。
今週も名言、ありがとうございます。<(_ _)>
元気が出る魔法の電池は「ありがとう」という言葉かぁ・・・。
「ありがとう」って言葉の響きに、心がま〜るくなった今回のお話でした。

VOICE4 かんにん袋
「爆弾魔になった彼女を救え」
脚本:山岡真介
演出:石尾純

喫茶店の看板に仕掛けられた爆弾が爆破し、「おしどり喫茶」の「ど」が吹き飛んで「おし り喫茶」に・・・。(笑)
偶然、その時間に現場を車で通りかかったロボ(松山ケンイチ)が警察に連行されてしまい、ニコ(大後寿々花)はマキ(浅丘ルリ子)にロボを警察から出して欲しいと頼む。
その代わりに、マキの仕事を引き受けるニコ。
それはマキの知り合いの大学教授・田崎を脅す内容の手紙。
かんにん袋と名乗る犯人は、田崎に何らかの恨みがある様子なんだけど・・・。

それがロボの先輩でもある宇佐美(市川実和子)だったのね。
田崎に他の生徒と成績を取り違えられ、単位を落とし、就職まで決まっていたのにそこからの5年間を台無しにされてしまった。
その時の田崎の言い草がね〜、もし取り違えてたとして、それを認めたらもう一人の生徒が単位を落としちゃうよ・・・君は自分さえ良ければいいの?的な言い方なんだもん!
そりゃ、根本的に何か違うんじゃないの?と言いたいわ!

しかし、いくら5年間の恨みがあるからって、宇佐美さんもちょっと嫌な事があるとお手製の爆弾で爆破でしょ?(^▽^;)
そりゃ、いけませんわ。
「おしどり喫茶」が「おしり喫茶」とか「アニホン株式会社」が「アホ株式会社」は笑えるけど、これで周りの人が怪我しちゃってたら・・・と思うとね〜。(´ヘ`;)
カレーの中の爆弾だって、ロボがカレーまみれになったぐらいだから笑えるんだけど、一歩間違えば・・・だもんね。

どうしても田崎が許せなくて、かんにん袋は田崎がいつも持っている地球儀に爆弾を仕掛ける。
地球儀を回すごとにカウンターがゼロに近付き、やがて爆発するという仕掛けだったようだけど、間一髪みんなを救ったのは放送室からニコが叫んだ「だるまさんがころんだ!」の一言。(笑)
これで動きが止まるって条件反射だね〜。(爆)
しかし、その前に放送室に乱入してきたニコと名梨(岡田義徳)を制止しに来た掃除のおばちゃんと名梨のキスで、私の動きは止まってたけどね。(^^ゞ

田崎を呼び出し、テープに録音された5年前のやり取りを聞かせるニコたち。
あれはニコが田崎の声色を使って、あらたに録音したものだったんでしょうね。
怯えた田崎はかんにん袋に謝ったものの、結局「宇佐美」という名前は思い出せない。
そんなヤツに謝ってもらったところで、どうなるもんでもない。

今日もマキが最後にシメてくれましたね。
「我慢するのもひとつの方法よ。そうすれば日々の事に紛れて、どうでもよくなってくる。それでいいんじゃない?」
確かに・・・そうやって嫌な事を忘れていくというのも大切なのかも。
ただ、成績の取り違いで就職もダメになったという事実を「どうでもよくなった」と思えるかというと、そうでもないような気はするけどね。(゚ー゚;Aアセアセ

VOICE5 うしみつ様
「高校入学!?恐怖の三日間!!」
脚本:根本ノンジ
演出:池田健司

今回は巷で大流行の「うしみつ様」人形と、そのたたりだか呪いだかを調べるために高校に潜入したニコ(大後寿々花)とロボ(松山ケンイチ)、あーんど、よっちゃんこと名梨(岡田義徳)。
笑っちゃうのは高校に潜り込むのを嫌がってたロボが「女子高生・ミニスカート・ハイソックス」ってキーワードに反応して「ロボ、出動します!」になっちゃうとこ。
そして名梨は「リーゼント・マブダチ・メンチ斬り」に反応して、今時珍しい学ランにバイクという姿で「ぬ〜すんだバイク〜で走り出す〜♪」とご機嫌で登校するところ。
可笑しかったわ〜。

で、うしみつ様だけど「コックリさん」だわね・・・あれは。
うしみつ様を呼べる女子高生・怜(黒川智花)たちが、たたりだの呪いだのとでっち上げて、災いを避ける事ができる「うしみつ様」人形を高値で売りつけ儲けていたって話。
ロボが見つけた「うしみつ様」の売上表を見て、大人になってから嫌でもやらなきゃいけないのに・・・とボヤくところに共感しちゃったよ。
何で高校生から金儲けなんだろ?
大人になってからやれる事を急いでやる必要なんて全くないのにね。
それより、高校生じゃなきゃやれないことを楽しむべきなんじゃないの?
それがその時はわからないもんなんだよなぁ。(しみじみ)

うしみつ様の中に仕込んだ磁石を、怜の両手にはめたブレスレットで動かしていたという、お粗末な種明かしだったけど、「学校というつまらない場所を面白くするためのゲーム」だという怜に、ロボが「ゲームなら楽しい予言にしろ」と言ったところはなかなか良かった。

「インチキだろうとなかろうと何かにすがったり頼ったり、寄りかかったりよじ登ったりするものよ!でもそれは悪い事じゃない!みんなそんなに強くない。」が今回のマキ(浅丘ルリ子)の言葉。
ふむ・・・言ってる事はわかるけど、そう心に響く言葉でもなかったような・・・。(´ヘ`;)

来週は白石加代子さんが登場!
「すいか」でめちゃめちゃいい味出してた白石さんだけに、これは期待が大きくなりますね〜。

VOICE6 ZI
「殺し屋の子育て・・・」
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

ニコ(大後寿々花)の両親、離婚の危機。
ロボ(松山ケンイチ)の母ちゃん(白石加代子)、突然の上京。
そんな中、マキ(浅丘ルリ子)からの依頼は、「殺し屋ZIを捜せ」というもの。
またまた〜、中学生相手に殺し屋を捜せなんて、そんな無茶な・・・。(^▽^;)

フラワーハウスNH・・・これを横になって読むと「NH」の部分が「ZI」に見える事に気付いたロボ。
その花屋の女主人(りょう)と知り合ったニコ&ロボ。
朝ごはんに呼ばれて、みんなでこれからご飯・・・ってところで、いきなりの銃撃戦。
ありえねーーーー!
朝ごはんの真っ只中に起こる銃撃戦も、平然とした顔で応戦する女主人も、花屋に逃げ道が用意されてるのも・・・。(笑)
どんな話なんだよ!と思ったけど、そこそこホロリとさせられる部分はあったりして・・・。

実は殺し屋だった花屋の女主人・ZIが、「自分じゃない誰かのために生きていきたくなっちゃった。」とニコに打ち明けるところも良かったし、それを聞いたニコがZIの旦那さん(小木茂光)の声色を使って追ってきた殺し屋の注意を引くところも良かった。
ニコの後ろから銃を構えて走るZIのカッコいいこと!
りょうのクールな目が、何ともたまりませんでしたわ。

狙われていたのはZIではなく旦那さんの方。
かつてZIは旦那さんの命を狙っていた。
しかし、追い詰めたところで箱の中に捨てられていた赤ん坊に気付いた旦那さん・・・赤ん坊を胸に抱いた旦那さんを撃てなかったZI。
そして、小さな命を二人で育てるようになり、家族というものにハマってしまったらしい。

話としてはありえないし何だかなぁ・・・って感じなんだけど、家族を守るために家族から離れていった旦那さんと、そんなお父さんのために人文字で「サヨナラ」というメッセージを送ったコタロー君。
その人文字に参加したのが、韓流スターのカン様にハマっているロボの母ちゃんとカン様ファンのおば様たち。(^▽^;)
息子に50人の人手を頼まれたのに、結局200人ほど集ったってーのは、ロボ母がすごいのか、カン様がすごいのか・・・。(笑)

「カン様が好きってことにしておくと便利、父ちゃんがほっといてくれる。お前もほっといてほしかったんだな。自分の世界がほしかったんだな?」と母ちゃん。
別れ際の「死ななきゃそれでいい!死ぬまでロボットいじってろ!」は、愛のこもった言葉だと思ったわ。
「死ななきゃそれでいい」・・・考えると深い言葉だよね。

「バラバラだった人間が偶然出会って家族になれるんですね。」とマキに言うZI。
「偶然出会って時間が経てば、ほどけてバラバラになっちゃう。それが家族」というマキの言葉に頷いた私。
いつまでも家族のままではいられない。
だからこそ、家族というものが普通にある今を大事にしなきゃいけないんだろうなぁ。
当たり前のようにあるものも、いつしか当たり前のように消えていく。
悲しいかな、それに気付くのは消え始めた時なのかもしれない。

第7話

実際にあった事件を想起させる場面を含んでいるため、急遽2話「ごぼ蔵」の再放送に差し替えられたそうな・・・。

7話の放送は未定、次回は8話で小林聡美・ともさかりえ・もたいまさこと「すいか」なメンバーがゲストで楽しみ。

しかし、放送未定の7話っていつか放送されるんだろうか?
それともDVDにのみ収録とか?

VOICE8 プッチーニ・前編
「恋愛と死・前編」
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

表の顔は看護師、裏の顔は死に行く人の最後の願いをかなえる3人組・プッチーニ。
そんなプッチーニを演じるのは、小林聡美・もたいまさこ・ともさかりえの「すいか」な面々。
味があってよかったです。

このプッチーニの一人・昭子(小林聡美)に、トイレに落としたマックスロボの腕を拾ってもらったことで知り合ったロボ(松山ケンイチ)は恋に落ちるんですね。
何だか「人」に恋した途端、ロボへの愛情が一気に生身の人間に移行した感じが人間ぽくて良かったなぁ。
最初は昭子への気持ちが何なのか自分でもわかってなかったロボ。
名梨(岡田義徳)に、「出会った瞬間、体にビリビリッと感じるのが愛」と言われ、自分の昭子への気持ちが「愛」だと確信するわけですなぁ。
いつものロボの優しさが今回は昭子にぜ〜んぶ注がれたって感じで、こういう風に愛されたら幸せなんじゃないかな?って気にもさせられちゃったわ。
携帯を取りに来た昭子が、連日の疲れで寝ちゃうんだけど、その昭子のために食事を作り、食べさせ、眠りたいだけ寝かせてあげて・・・。
なんか、きゅん♪としちゃったよ〜。
昭子はロボが寝てる間に帰っちゃうんだけど、彼女の手の甲には「あなたといると苦しいです」とロボがボールペンで書いてて・・・。
いやぁ・・・そんな文字を見ちゃったら、私も苦しくなっちゃうわ。
っつーか、きゅん♪きゅん♪しまくりだわ!

「別子」という人を忘れないためにプッチーニをやっている3人。
その別子ってどんな人だったんだろう?

一方で、ニコ(大後寿々花)はひいじいちゃんが危篤と聞いても泣けないのは、スイッチを切っているからだと絵美理(ともさかりえ)の話を聞いて考える。
そのスイッチって自分でもわからないうちに「ON」になっちゃうのかもね。
いつも自分と一緒にいたロボが他の人に恋をした。

「ニコといると楽しかった。でも好きな人といるのは苦しい。しょうがない・・・好きだから。」

あぁ・・・すごくせつない。
ニコもロボといるのが楽しかったはず。
でも、ロボが他の誰かを見始めたことで、ニコの中に苦しさが現れる。
「しょうがない・・・好きだから」ってロボの言葉の意味が、皮肉にもよくわかったんじゃないかしら?

さて、プッチーニは黒い折鶴に託された願いをかなえるため、マキ(浅丘ルリ子)を殺すつもりらしい。
それを知ったニコ、でも相棒のロボの頭の中は昭子でいっぱい。
はぁ・・・見ている方もせつないし、苦しかったわ。
プッチーニの話は前編・後編となってるし、今更例の7話を見るのは無理なんだろうか?
そりゃDVDには入るだろうけど、見れるものなら見たいわよね〜。

VOICE9 プッチーニ・後編
「みんな死なないで」
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

ロボ(松山ケンイチ)と昭子(小林聡美)、一緒に住んでたんだぁ・・・。
結構幸せそうで、特にロボが洗濯物を干してる昭子をじ〜っと眺めている柔らかな表情が良かったですわ。
でも、この幸せはいつまでも続くものではなかったのよね。

名梨(岡田義徳)から、マキ(浅丘ルリ子)が結構なの知れたスパイだったと聞かされたニコ(大後寿々花)。
仲間を見捨てて生き延びたマキ・・・その仲間というのはマキの恋人でもあった小野さん(マイク真木)。
で、プッチーニに託された折鶴に書かれた「真境名マキと一緒に死にたい」と書いたのは、実はマキ。
自分が見捨てた恋人が、いまだに意識が戻らず眠り続けている・・・なのに自分は生きていて、それがたまらなかったんでしょうか?

名梨が突然やって来て、昭子が洗濯機の中に隠していた銃を見つけるロボ。
自分がここへ来たことも、銃を見たことも言うな!と言われ、ロボはそれを口にはしないんだけど、銃の試し撃ちから戻ってきた昭子の手の匂いをかいで「悲しいにおいがする」とロボが言った時は、結構(TωT)ウルウルしちゃったなぁ。
自分の好きな人が人を殺そうとしているなんて信じたくない・・・だけど彼女の手からは、それっぽい匂いがする。
「私が人殺しだったらどうする?」と聞かれ、「正義感より好きが勝ってしまう!ラスボスだとしても好き!」と答えるロボ。
これもせつないなぁ・・・。

いよいよプッチーニがマキを殺すつもりだと察知したロボは、ニコに電話しマキを中学校に隠すよう指示をする。
しかし、この電話を昭子が聞いてて、プッチーニに話は筒抜けになってしまうのよ。
その上、携帯電話を昭子に渡してしまいニコにもう一度連絡を取る事はできなくなったロボ。
「人を殺すなんて、どんな時もダメに決まってるじゃないか!」と正義感で再度立ち上がったロボは、ニコが自分の声に気づいてくれる事を信じて、大声で叫ぶ。
「プッチーニにバレた!!」

マキの命を狙いに来たプッチーニ、看護師である彼女たち、人が死んでも何も変わらずにいる人々への苛立ち・・・。
そんなプッチーニに、人が死んでも何も変わらないようでいて、実は変わってるんだという事を話すニコ。
別子のことを忘れないためにプッチーニとして死に行く人の最後の願いを叶えてきた彼女たち。
忘れないでいること、忘れていくこと・・・本当はどちらも大切なはずなんだけどね。

ロボがやって来て小野さんの意識が戻ったと嘘をついた事で、マキを狙った殺人事件は防ぐ事が出来た。
別子が遺した「私の事はいいからね。それぞれの道を歩んでください。」というメッセージ。
ん?で、別子って結局どういう人物だったんだろ?

崎山さん(鶴田忍)がプッチーニに残したのは、箱いっぱいの紙の桜。
崎山さんがリハビリで切り抜いてた紙の桜だったけど、そこに埋もれていた黒い折鶴に書かれた崎山さんの言葉で泣いちゃったわ。
「あんたら、しあわせになりや。」
命の期限がすぐそこまで迫った人たちが、最後に願う事を託す折鶴なのに、崎山さんが書いたのは自分じゃなく、他人を思っての言葉なんだよね。

意識が戻った小野さんはマキのことを友だちだから許すと言って、旅立って行かれましたわ。
この「許す」って一言があるだけで、マキはこれからの人生、前に進んでいけるのでしょう。

ロボと暮らした部屋を出た昭子に「6時まではここにいるから」と居場所を書いたメモを託されたニコですが、ゴミ箱に捨ててしまうのよね。
でも、その直後に会ったロボの「一番大変な時にいれなくてごめんね。」という一言で、ニコは急に後悔するの・・・メモを捨てちゃった事を。
そんなニコをロボは許してくれた。
友だちだから・・・。

誰かが誰かを許してあげれば、少なくとも一人の人間を救う事ができる。
上手に何かを忘れていく事も大事、許す事も大事・・・。
うまくいえないけど、それが大事なんだな・・・と思った今日のセクロボでした。

VOICE10 幸子
「来世の幸せをお金で買う男」
脚本:木皿泉
演出:池田健司

突然、ニコ(大後寿々花)を養子にしたいと言いに来たマキ(浅丘ルリ子)。
「2億円でいかがでしょうか?」と言って、「とりあえず1億持って来ました。」だよ!
目の前に1億の現金積まれたら、ちょーーーっとぐらいは心揺れるよね。(^^ゞ
いやいや、もちろん心の底では「お金で娘をやれないわよ!」と思ってますわよ。
でも、養子にするけどそっちの家で今まで通り一緒に暮らしてくれていいって言われたら、心が間違っちゃいそうじゃない?(^▽^;)

っつーか、ニコの家族もきっちり心揺れちゃってるのが可笑しい。
お父さん(塚本晋也)の「夢は世界平和」はどこ行った?
お母さん(片桐はいり)、もやしのひげを取りながら「2億円、2億円」って呟くのはやめて下さい。(笑)
一海(村川絵梨)もお父さんが1億8000万のビルを「案外安いな」と言ってるのに頷いてるし・・・。

そんなニコの養子話の最中、ロボ(松山ケンイチ)が拉致され連れて来られたのが、漫画家・信田コーン(篠井英介)の仕事場。
占い師に来世でニコの子供として生まれてきて大成功するから、ニコをおろそかにせず今できる限りのことをしなさいと言われたコーンは、ニコの相手(つまり自分の来世の父親)がロボなんかであっては困るとお金で引き離そうとしてきたわけだ。
遺産50億がニコに渡るように手続き中だというコーン。
なるほど、それでマキは2億でニコを手に入れようとしていたってわけね。
マキさん、考えてる事結構恐いし・・・。(^▽^;)

コーンさんは、ロボとニコを引き離すのもお金、そして50億もの遺産をニコに渡すほどのお金持ち。
だけど、現世にはどうも満足してないみたいで、占い師に来世の事を聞いたら、その通りになる事だけが楽しみって感じなんだよね〜。

そして、コーンさんの持ってる水族館の魚を殺すという脅迫状が届くんだけど、これは奥さんの仕業だな・・・とわかってたよ。
奥さん、何となく寂しそうだったもんね。
夫は成功し、お金にも何の不自由もない生活を送れるようになっても、何だか心の中は寂しい。
そして、まだ売れなかった時、公園の砂山にトンネルを掘ってた頃の生活を懐かしむ奥さん。
でも、ある意味こういう感覚を持ったままでいられたって事は幸せなのかもね。
お金があれば何でもできる〜ぅなんて思わず、貧乏暮らしだった頃の心の満足感を今でも大切に思ってるんだから・・・。

水族館の水槽に電気を流し魚を殺してしまおうとした奥さんでしたが、その瞬間に町が停電しお魚さんたちも助かったってわけです。
停電の中で、それぞれが大切なものを見つけていくという雰囲気は良かった。
ニコのお父さんとお母さんが停電の中、必死に守っていたものは1億円ではなく家族のアルバムだったなんて素敵な話だよね〜。
でも、本当は1億円を守ってるつもりだったんでしょ?
ってことは・・・と考えると、ちょっと複雑だったりするんだけど、最終的に家族が一番大事と気付いたことで良かった!(笑)
真っ暗な中、シャッターが開かず閉じこめられた一海を助けたのが名梨(岡田義徳)。
で、何となくよっちゃんにゴロニャン状態の一海。
そんな二人とバッタリ出会って、ショックを受けた感じのロボ。
ニコと歩きながら、「明るくなったら終わったって気がするのは僕だけかな?」なんて喋ってたのが、何だか本当にそうだったって感じで苦笑いしちゃったよ。

それぞれにいろんな幸せの形がある。
「私の幸せとロボの幸せが一緒だったら・・・と思う。でも、たぶん違うんだろうなぁ。」というニコの心の声は何だかちょっぴりせつなくもあり・・・。

いよいよ、最終回ですね。
「LAST VOICE ロボ」って、何だかそれだけでせつない気持ちになっちゃうんですけど・・・。(´Д⊂グスン

LAST VOICE ロボ
「救えるのは宇宙で私だけ」
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

うみゅみゅみゅみゅ〜。
何とも言い難い最終回だったなぁ。

初回の三日坊主(中村獅童)が最終回で再び登場。
しかし初回で死んだだけに、今回は幽霊なんだよね。
セキセインコのルミちゃんがニコ(大後々花)とロボ(松山ケンイチ)にだけ見えるとか、死んだはずの三日坊主が見えるとか・・・。

そして、見えていたはずのルミちゃんや三日坊主が見えなくなるニコ。
自分をしっかり持った転校生との出会いが、ニコのそれまでの生き方を変えましたね。
周りに合わせてばかりじゃなく、自分の思ったことを言い、その通りに行動する。
出来そうでなかなか出来ないことなんだよなぁ。

三日坊主が憎しみを抑えるための呪文をロボから伝授される。
それは「バテレン・レンコン・トマトはマーーーックス!」という何の意味もない言葉なんだけど、憎しみがわいてきてどうしようもない時に、その意味不明な言葉を口にするだけで、不思議と気持ちが落ち着いてくる。
自分を殺した男(北見敏之)がそこにいても、「バテレン・・・」の呪文で回避できる。
これは今時のキレやすい人間に対するメッセージなのかな?
キレそうになった時、こうやって呪文を唱えるだけで何となく落ち着いていく。
たぶん、呪文の言葉なんて何でもいい。
憎しみに向かってダッシュしそうな気持ちに少しだけブレーキがかけられたら、それだけで随分違ってくるような気がしたなぁ。

どんどん自分を変えていくこと、人と別れるから、次の出会いがあること。
メッセージ的には前向きさを感じたんだけど、なんちゅーか伝わり辛い気がしたんだよね〜。
明日もまた普通に会えそうな気がしていたのに、何があったわけでもなくニコとロボは会わなくなり、それ以降、一度だけニコはロボを見つけたんだけど声はかけなかった。
それは、それでいいんじゃないかな?

自分で自分を守れるか?自分の味方でいられるか?
実は大切な事なんだよなぁ。

うーん、ちりばめられたパーツはいいんだけど、まとめ方がイマイチって感じがしてならない。
ちょっと残念・・・そんな印象でございます。<(_ _)>

 

SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO