女王の教室スペシャル

P:大平太・仲野尚之

エピソード1
〜堕天使〜
脚本:遊川和彦
演出:岩本仁志

賛否両論ありながらも、話題になった「女王教室」の特別版。
あの阿久津真矢(天海祐希)に至るまでを、二夜連続で描く作品の前編。

あの真矢だって最初からあんな風じゃなかったわけで、教師になって夢も希望もあって子供たちと仲良くなりたいと、ただ純粋に願う先生だったのよね。
初めて6年生の担任になり張り切る真矢は、池内愛(後藤果萌)という生徒に交換日記をしようと言われ、仲良くなりたくて始めてしまう。
この池内愛という生徒、真矢の言う事をよくきいてクラスをまとめてくれるし、先生にとっては扱いやすく手助けをしてくれる存在なんだけど、真矢に対する想いが半端じゃなくて・・・。
交換日記が問題になったこともあって、真矢は交換日記を止め、愛が「私の事、クラスで一番好き?」と聞いても「クラスのみんなと同じぐらい好き」と答える。
最終的には真矢に虐待されたと嘘をつく愛。
こういうのって男女の恋愛でありそうな話なんだけど、生徒が先生に・・・しかも女同士でこれほど強く想うというのも、ちょっと怖い。
自分のことをぶったら本当のことを話すという愛を信じて、彼女の頬をぶつ真矢。
しかし、それもあっさり裏切られ、退職を迫られることに・・・。

で、真矢には付き合っていた男性・富塚(生瀬勝久)がいて、このへこんだ時期にプロポーズされるわけだ。
結婚、出産・・・、女としての幸せな道を歩んでいるように見えて、我が子・翔(武井証)への教育に熱が入りすぎ、チック症を起こすまでに追い込んでしまう。
食卓でのしつけで真矢と富塚が軽く言い合うところもそうだし、翔に対して必死に教えようとする真矢の姿に、どんな親もちょっと自分を重ねる部分があったんじゃないかしら?
我が子にはどうしても一生懸命になってしまうんだよなぁ。(^▽^;)

そして翔の死。
ママの好きなちょうちょを追いかけて、川で溺れて亡くなった翔。
我が子を亡くした時に、夫には「お前は翔を苦しめただけ。お前が殺した。」とののしられ、離婚へ。
自分も子供の後を追って自殺を図ろうとしたところで、17歳になった愛(戸田恵梨香)から「死のうと思ってる」という電話。
自分が死のうとした時に、同じように思いつめた愛の電話を受け、どうしても放っておけなかったんだろう。
小学生のときの「死ぬ」という電話で駆けつけていれば・・・という想いもあったかもしれない。
「じゃあ、一緒に死にましょう。」と電車の前に立つ二人。
「やだ、死にたくない!」という愛の言葉を聞いた瞬間、間一髪電車を避けて生き延びる。
愛ちゃんって妊娠して、それを打ち明けたら男に「困る」と言われて苦しんでたんだよね。
「愛されないと感じるのは、あなたが誰も愛してないから。」「子供は堕ろすしかないわね。」と真矢。
おぉ・・・少しだけ阿久津真矢完成形の片鱗が見えてきた。
「今度はもう少し厳しくした方がいい。」と愛に言われた真矢は、教師として復帰する。
グレーのスーツにポニーテール。
「みんなと仲良くなりたい」と思っていた頃の真矢と完成形との中間で、あの阿久津真矢になるまでには、いくつかの段階があったことがわかったわ。

和美(志田未来)は相変らずなんだけど、「みんなと仲良くしたい」という彼女の気持ちは、最初の頃の真矢のようだったんだなぁ・・・と思うと、なかなか興味深い。
たぶん、エピソード2はより見応えのある内容になっているんでしょう。
グレーから黒へ・・・見逃せません!

エピソード2
〜悪魔降臨〜
脚本:遊川和彦
演出:大塚恭司

やっぱ、本編でも出てきた「なぜ人を殺しちゃいけないの?」な生徒の登場は見応えあった!

グレーのスーツにポニーテールで子供たちに厳しく接する事を誓って復帰した真矢(天海祐希)。
まだまだ甘いなぁ・・・って感じだったよね。(笑)

クラスを統率している宮内君(森田直幸)の存在があまりに大きくて・・・と思ったら、私立の小学校を病気で長期間休んだ事でやめなくてはならなくなって、一年だぶってるという人物だったのか・・・。
実際に他のクラスメイトより年上なわけで、そりゃ威圧感もあるわなぁ。(^▽^;)
宮内君が先頭に立っていじめているのが里中君(伊藤大翔)。
このいじめのシーンは見ているのも辛かった。
教科書は落書きだらけ、コンパスでお尻をつつかれ、体育館倉庫みたいな場所で陰湿ないじめ。
そして極めつけは「何なら死んじゃえば?君みたいな人間は死んでも誰も困らないんだから。」という言葉での追い込み。

真矢は決してこの状況を見逃さず、「この教室で何が起こっているのか徹底的に調べます!」と宣言したけど、宮内君はなかなか手強い。
学校に来なくなった里中君に、「全力で守る」と言い切った真矢。
その言葉に動かされた里中君が、勇気を出して真実を語ったんだろう。
真矢は宮内君を問いただそうとするが、自分でズボンを下げた彼が「許して下さい」と言ってるところを教頭に見られて、また誤解されてしまう。(^▽^;)
こういうパターンばっかじゃん!

宮内君の母親(西田尚美)は当然文句を言いに来るし、これが原因で真矢は担任を外される。
里中君というターゲットがいなくなれば、宮内君のストレスのはけ口がなくなるわけで・・・。
そうなると当然、次のターゲットが必要になる。
今までは里中君をいじめる仲間だった生徒が、今度はいじめられるようになり・・・ってところが、怖いけどリアルな感じがした。

久々に登校した里中君を見つけた宮内君は、「死ね!」と強要。
川で浮いてる里中君を見つけた時の真矢、翔(武井証)が死んだ時とかぶっちゃうよね〜。
天に向かって「どんな事をしても子供たちを守りますから!」と叫び、里中君を死なせないでと祈る真矢。
いやぁ、ここで里中君まで死ぬようなことがあったら、立ち直れなかったのかもしれない。
運よく助かった事で、宮内君への怒りが爆発!
そして、「どうして人を殺しちゃいけないんですか?」ですよ。
宮内君のストレスは父親からのプレッシャーだったり、宮内君の兄を事故で亡くした母親の過剰な愛だったりするんだろう。
それはそれでわかる!
だけど、やはりそのストレスを人をいじめる事で発散するのは間違ってる。
真矢の首元の傷は、この時のもの・・・。
しかし、宮内君と真矢の闘いは迫力あったなぁ。
「あんたみたいなくだらない大人は、黙って俺の言う事聞いてりゃいいんだよ!」と真矢の首を絞める宮内君。
いやぁ、真矢の方がリーチが長いっすから・・・。(^▽^;)
簡単に締め返されちゃってましたね。
「この世に生まれてきた人の未来を奪う権利なんて誰にもない。だから、人を殺しちゃいけないの!」
ボコボコにされた状態で、尚且つ宮内君の首を絞め返しながら、こんな事がいえるなんて・・・真矢、恐るべし!

いじめていた宮内君が今度はいじめられる側になってしまったというのも、恐ろしい。
誰でもいいからターゲットにするヤツがいないとダメなんだろうか?
里中君が宮内君の友達になってくれたというのは、簡単には想像しがたい雰囲気なんだけど、ドラマ的にはこの形が理想的なんだろうな。
再教育センターを経て、甘さをすっかり取り除いた阿久津真矢が完成。
子供たちを守るために、徹底的に監視するスタイルを考えて和美(志田未来)たちのクラスで実践したわけか。
和美を「一番強い子」と狙いをつけて、最初からターゲットに選んでいた事もわかった。

また再教育センターにいる真矢が、次はどんな阿久津真矢になるのかと思うと、見てみたいような恐ろしいような複雑な気持ちだわ。(^▽^;)

 

SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO