白夜行

原作:東野圭吾 「白夜行
P:石丸彰彦
主題歌:柴咲コウ 「
ドラマ「白夜行」オリジナル・サウンドトラック

第一話
「東野圭吾記念碑的名作
奇跡のドラマ化!!
少年はなぜ父を?
少女はなぜ母を?
14年間の壮大な
愛と絶望の物語」
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗

重い内容ですなぁ・・・いつものことながら原作は読んでおりませんが、だからこそこういうドラマは楽しめたりするわけで。
しかし、初回2時間ですか・・・。
長いかな?と思ったら、意外とそうでもなかったわ。
個人的にこういう重々しい内容が嫌いじゃないのと、好きな子役さんたちがほぼ2時間出ずっぱりだったので、ぐぐっと引き付けられて観ておりました。

冒頭では2005年のクリスマスイブ。
キレイに着飾った雪穂(綾瀬はるか)が、サンタの衣装で腹にハサミを突き刺して血まみれになっている亮司(山田孝之)に「行って」と言われ立ち去るところから・・・。
ここから時は遡り、14年前、1991年に飛ぶんですわ。
亮司(泉沢祐希)と雪穂(福田麻由子)という別々の小学校に通う二人の出会い。
今思えば、これが運命のいたずらですね。
母親の弥生子(麻生祐未)が質屋の店員・松浦(渡部篤郎)と浮気している亮司、一方で雪穂は呑んだくれの母・文代(河合美智子)との毎日。
嫌なことがあると暗記をすることで気を紛らしていた二人は意気投合。
しかし、そんな二人を見えない糸で繋いだのは、亮司の父・洋介(平田満)だった。
このオヤジ、文代が借金で苦しんでいるのを知って、金を渡しては雪穂の裸体をカメラに収めていたのよ。
で、ある日、いつものように文代が雪穂を連れて建築中止のビルに入っていくのを亮司が見てしまい、後をつけると自分の父が雪穂を裸にして写真撮ってるのを目撃しちゃうわけだ。
衝撃的だよね・・・。
今まで浮気してるのは母親で、悪いのは母親だと思ってきただろうに、優しかった父親があろうことか自分が心を許した友だちにひどいことしてるんだもん。
持っていたハサミで一突き・・・父親を殺してしまった亮司。
でも、「頭の中で何回も殺した」という雪穂が、その罪をすべて自分の母親になすりつけようとするわけよ。
自分も死ぬ気で無理心中を装うんだけど、雪穂だけ生き残ってしまって・・・。
結局、亮司と雪穂は子供の頃に自分の親を殺すという、とんでもない事をやってしまったわけなんだけど、洋介を殺したのは文代で自殺を図ったという構図が出来上がってしまい、二人の子供たちは他人として生きることで事件の真相を葬り去ろうとしたわけだ。

うーん、こういう内容を見てると「永遠の仔」を思い出すなぁ。
あのドラマも重かったけど、子役がしっかり演技してて大人になってからは大人の俳優陣がきっちり受け継いだ芝居をしてて好きだったんだよなぁ。

この事件を捜査していた刑事・笹垣(武田鉄矢)が怖くてね〜。
誤認逮捕で容疑者の子供が自殺するという暗い過去を持つ刑事なんだけど、子供たちを見る目が恐ろしいんですわ。
金八先生とは大違い!(^▽^;)
関西弁はややぎこちないものの、そこは迫力で押し切ってますね〜。

名前も知らない、会った事もない他人として生きていくことを誓った亮司と雪穂。
1998年の冬、誰もが事件を忘れたと思っていた頃に、なんと笹垣が亮司の前に姿を現すんですわ。
笹垣はずっと子供たちが怪しいと睨んでいた刑事だけに、この事件を密かに追い続けていたんでしょうね。
実の親を殺したことを隠して生き続けるって、辛く苦しい日々なんだろうなぁ。
亮司と雪穂がどちらも実の親を殺すに至ってしまったということが、それぞれ自首できない理由にもなっていたりするのでしょう。
相手を守るためには嘘をつき続けなくてはならない。
いやぁ、重苦しいです。(´ヘ`;)
初回はほとんど子役の二人が頑張ってたんだけど、これからメインになる山田君と綾瀬はるかちゃんのセカチューコンビにも頑張ってほしいところ。
そして武田鉄矢さん!じりじり攻め込んでほしいわ〜。

第二話
「閉ざされた未来に」
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗

二話も重くぎっしり詰まった内容だった。
そして、綾瀬はるかちゃん・・・心配してたけど、なかなか良いではないの。

7年も経ってるのに、例の事件から目を離そうとしない笹垣(武田鉄矢)。
そして、事件の第一発見者である菊池君(田中圭)に接触を試みる笹垣。
菊池は菊池で事件当時、亮司(山田孝之)の父(平田満)と雪穂(幼少期:福田麻由子)があのビルに入るところを撮った写真を見せて、亮司をゆすってくるし・・・。
忘れ去られるのを待っているのに、神様はそれを許してはくれない。
じわじわと追いつめられていく亮司。
山田君がなかなか好演してるな・・・と思いましたわ。

一方で雪穂(綾瀬はるか)もあの事件から逃れることが出来ずにいた。
名前を変えても、どこからか必ず噂はついてくるものなのね〜。
また、それが原因でいじめられるわけだ。
事件の内容を書いた手紙が配られるとか、ロッカーに落書きとか・・・。
でも、いじめがどんどんエスカレートしていくのが妙にリアルで怖かったよ。
ロッカーは残飯だらけ、気持ち悪くなってトイレに駆け込みたいのに「大丈夫?」と心配するふりをして引きとめ、クラスメイトの前で吐かせる藤村さん。
駅のトイレには雪穂の電話番号が書かれ、いやらしいメッセージが。

そのトイレの落書きを消していた雪穂とそれを見つけた亮司が再会するわけよ。
何だかね〜、再会する場所がトイレで、しかも雪穂を困らせる落書きが目の前に広がってて・・・そんな場所で再会してしまう二人が悲しくてね〜。
自首するという亮司に怒り出す雪穂。
時効までの15年を待って、もう一度亮司と二人で手を繋いで太陽の下を歩くために、他人のふりをして7年も耐えてきたのに・・・と。
「亮くん以外、私には誰もいない。」
たぶん、それは亮司も同じだろう。
雪穂以外に誰もいない。
なんて悲しく強い結びつきなんだろう。

自首をせず、菊池を殺したりもせずに、この窮地を切り抜ける方法として選んだのは、藤村を襲い、その現場に菊池の帽子を落とし、彼の犯行と警察に思わせること。
そして菊池が犯人ではないと亮司が彼のアリバイを証言することで、幼い雪穂と父親が写った写真のネガを手渡してもらおうとしたのよ。
計画は成功したけど、父親が雪穂にしたように自分が藤村を裸にして写真を撮ったという事が亮司には重くのしかかるのよね〜。

これで切り抜けたかと思ったら、菊池が笹垣に会いに行ってるじゃん!
「亮司のことで話があんだけど・・・。」
ヤバイ!

っつーか、笹垣はいまだに亮司や雪穂を怪しいとおもっているのに、この二人が会うようになってることが一番ヤバイだろう。(苦笑)
見応えのある1時間だわ〜。
綾瀬はるかちゃんが時折見せる影のある表情が、福田麻由子ちゃんが演じてた時と相通じるものがあって、ちょっとブルッとするところもあったなぁ。
しかしあらためて考えると怖い話やなぁ。(^▽^;)

第三話
「さよならの光」
脚本:森下佳子
演出:那須田淳

1998年12月。
菊池君(田中圭)は、笹垣(武田鉄矢)に「亮司(山田孝之)にハメられた」と言いに行ったのか・・・。
だって、その通りだもんなぁ。(゚ー゚;Aアセアセ
それにしても笹垣怖いよ〜。((;゚Д゚)ガクガクブルブル
菊池からその事を聞いた時も、雪穂(綾瀬はるか)を見つけた時も、亮司を見つけた時も、表情が怖すぎ。
武田鉄矢の新たな一面見ちゃってるよなぁ・・・って感じ。

藤村さん(倉沢桃子)の件を立件しようとする笹垣、そうなって7年前の事件を蒸し返されるのを恐れる雪穂。
いっそ自首した方が・・・と考える亮司と、何が何でも逃げ切りたい雪穂。
この状況で、あの怖い顔の笹垣の出現でしょ?(^▽^;)
自首を考える亮司の気持ち、すごくわかる気がするわ。
でも、雪穂のこの7年を聞いたら、彼女がどうしても逃げ切ろうとしている気持ちもわかるような・・・。
ただ、じっと待ってただけの7年じゃなかったのね。
施設に入れられてもいじめられ、教会のマリア様の前で施設のおっさんにいたずらされそうになったり・・・。
誰も信じられず、誰も守ってはくれず、苦しい思いを打ち明ける相手もいない中での7年間。
苦しんで来た分、簡単に自首なんてできないんだろうな。
自首すれば、我慢を重ねてきた7年の意味がなくなってしまうもの・・・。

神聖な教会を落書きで汚し、暴れてめちゃくちゃにした雪穂の気持ちを思うと胸が痛かった。
彼女には神様なんていなかったんだと思うと・・・せつなくて・・・。
「俺、強くなるよ。ごめんな・・・今まで一人で頑張らせて・・・俺、頑張るから。もう二度と手を汚さなくて済む様に頑張るから。」という亮司。
頑張ることは、自分で自分を殺すことなのか。
死亡届の意味が最初はよくわからなくて、卒業式の日、弥生子(麻生祐未)のところへ行って「もう一人子供作れば?」なんて言ってるのとか、去っていく亮司に弥生子が船乗りになって海で死んだって事でいいんだよね?みたいな事を言うのが「何で?」って感じだったんだけど、弥生子はポケットの中の死亡届を見ただけで、息子が考えていることを察したって事なんでしょうか?
笹垣から逃れるには死んだ事にするしかなかったのかも・・・。
それにしても、亮司の死亡届を見て「最高のクリスマスプレゼント」と言ってしまう雪穂もやっぱ怖いよなぁ。(^▽^;)

何だか想像できる範囲を超えてきて、いっぱいいっぱいになって来ちゃったよ。(゚ー゚;Aアセアセ
死体とやっちゃうとか、死亡届を出して自分を消すとか・・・。
15年の時効を迎えたとしても、死んだことになっている亮司と太陽の下を手を繋いで歩いたりできないだろうに・・・。
2人は何のためにどこへ向かっているのだろう?

第四話
「罪と罰」
脚本:森下佳子
演出:石井康晴

亮司(山田孝之)が死体とやったことで、園村(小出恵介)は助かった。
それで園村は死んだ事になっている亮司に使われる運命になるわけか・・・。
銀行勤めの奈美江(奥貫薫)も売春しようとしたことをネタにゆすられて、亮司のキャッシュカード偽造計画を手伝わされるハメに・・・。
そして、それで手に入れた金は雪穂(綾瀬はるか)に渡した通帳に送金。
金が振り込まれていることが、自分が生きている証だと言って・・・。

日の目を見ることがなくても、死んだ事になっていても、亮司は雪穂をいつも見守っていたわけだね〜。
そんな中で雪穂が短大に進学し、社交ダンス部のOBで製薬会社の御曹司・篠塚(柏原崇)に恋をしているのが亮司には許せなかった。
そりゃ、そうだろうなぁ・・・。
自分を死んだ事にしてまで、2人の秘密を守ろうとしているのに、雪穂だけが日の当たる世界で誰かに恋をしているなんて・・・。
自分しかいないと言った雪穂が、他の誰かに心を奪われているなんて・・・。
こんな想いをしている自分は何なんだ?と思っちゃうだろうなぁ。

奈美江に不正送金を手伝わせていた榎本(的場浩司)が、彼女を捜して亮司を訪ねる。
もちろん奈美江を消すため・・・。
ここらへんがよくわからなかったんだけど、最初亮司は奈美江を守ろうとしたんだよね?
でも、自分が生き延びるためには奈美江を榎本に売るしかなかったってこと?
っつーか、そうと決めたら潔かったというか、苦渋の選択をしたという感じではなく、情けも何もない感じがして、ちょっと亮司が怖かった。
で、篠塚に恋をしている雪穂を「守りたいと思った時と同じ強さで傷つけたいと思った」というのも、怖かったなぁ・・・。
愛は憎しみに変わるって事なんだろうか?

奈美江は殺されたけど、亮司が傷つけたいと思った雪穂は、何も知らずに奈美江と同じ変装をさせられて、銀行で現金2000万をおろした。
防犯カメラにも残ってしまった雪穂。
「許さねーからな、自分だけズルく一抜けなんて」という亮司は、雪穂を抱いた。
この2人がこうなってしまうのは、すごく当たり前に感じてしまう。
というよりは、この状況下で篠塚に恋心を抱く雪穂が私にはわからない。
「理屈じゃないんだもん。仕方ないじゃない。」
うーん、そうなのか・・・。(;´Д`)
ヘタレだった亮司が、どんどん怖い人になっていく。
亮司についていろいろ知ってるヤツは、どんどん消されていくんじゃなかろうか?ってぐらいの非情な印象を受けますなぁ。

第五話
「決別する二人」
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗

篠塚(柏原崇)が江利子(大塚ちひろ)と付き合っているのを知ってしまった雪穂(綾瀬はるか)。
好きになった人が、自分の友達と付き合い出したら、普通に嫉妬もしますわな〜。
でも、雪穂の嫉妬ってちょっと違うよね?
江利子の育ってきた境遇が恵まれていることに対しての嫉妬になってるもん。
最終的には篠塚なんかどうでもいいんだよなぁ。
江利子が思ったことをそのまま口にする事を篠塚が誉めて、そういう風に何事も包み隠さず素直に出せるのが幸せな事だと気付きもしないぐらい幸せな江利子に、心の底から嫉妬した雪穂。
そういう環境で育てば自分だってそうなれた。
親は選べない。
どうしてこうも不公平なのか・・・。

だからって、江利子を「藤村さん(倉沢桃子)と同じ目に遭わせてくれないかなぁ」と亮司(山田孝之)に頼むのは違うでしょう。
藤村さんを襲ったのは、過去の事件を隠し通すためだから、もちろんそれも悪いことだけど二人の気持ちもわかるのよ。
だけど、今回の江利子の事は過去の事件と関係ないじゃん!
こうすれば亮司は動くというのを読んだ上で、彼が江利子を襲うまで追い込むのが恐ろしい。
そこまでして江利子を不幸にしたいとは・・・。
雪穂が自分をハメていると知りながらも、結局は江利子を襲ってしまう亮司。
う・・・言葉もない。
亮司と雪穂が決別するところは、結構見入っちゃったわ。
「騙される方がバカなのよ!」という雪穂の捨て台詞。
こうやって傷つけてしか別れられないところにせつなさは感じたものの、やはり江利子を亮司に襲わせたことは許せないよ〜。

笹垣(武田鉄矢)が書き記したノートを弥生子(麻生祐未)に見せた古賀(田中幸太朗)。
母親の親心に賭けてみましたと言ってたけど、弥生子は古賀の読み通り心を動かされそうで怖いわ 〜。

そして、ストーリーには関係ないけど、塩谷瞬ってえらい膨らんでないかい?(^▽^;)
「塩谷瞬」の名前をエンディングで発見したものの「どこに出てた?」状態で、公式サイトで確認してみたら、社交ダンス部副部長じゃん!
えーーーー、何だか別人みたいなんですけど・・・。(^▽^;)

第六話
「白夜の終わり」
脚本:森下佳子
演出:那須田淳

やっぱ、弥生子(麻生祐未)は動いちゃったなぁ。
興信所に松浦(渡部篤郎)について調べさせるんだけど、古賀(田中幸太朗)が八重子をぴったりマークしてるんだよね。

それで、弥生子が松浦と接触しているところに踏み込んで、松浦を婦女暴行の現行犯で逮捕しようとした時に刺されちゃうんだよな・・・古賀・・・。
「踊る大捜査線」でも言ってたじゃないの〜、「逮捕の瞬間が一番危ない」って。(^▽^;)
しかし、もう瀕死の古賀の背中に跨って、何度も何度も刺し続ける松浦は怖かったわ。
日本一返り血の似合う俳優の渡部さんだから、振り返ったら血まみれなんじゃないかと密かに期待してたんだけど、何故かきれいなままで拍子抜け。
これが堤監督だったら、間違いなく血まみれ渡部さんが見られたと思うんだけど・・・。

弥生子にも母親の一面を見たなぁ。
雪穂(綾瀬はるか)の写真やネガを松浦から奪えば、亮司(山田孝之)が脅されることもないと思ってたんだろう。
だけど、そこでまた松浦に襲われて、彼らを尾行していた古賀が踏み込んだものの刺され、そこに亮司がやってきて松浦を刺す。
弥生子も目の前で我が子が人を刺すシーンを見るんだから、パニックだよね。

しかし、松浦がどんな人物だったかを知ると、何だか彼の人生も哀れだなぁと思っちゃったよ。
浮気相手の子として生まれ、「本物」ではないという扱いを受けて育ち、そのせいか「パチモン」を仕事にするようになり、警察にもつかまり・・・。
そこで「お前なんか生まれてくるべきじゃなかった」と言われ、母と兄を刺して傷害をくらった。
そんな松浦が亮司に刺された時、亮司の中に自分と似たものを感じ、だからこそ「あのこと」だけは言わなかったと言うのは泣けた。
母と兄に自分の存在を認めてもらえず、亮司にも「あんたなんかいない方がいい、もう死んで」と言われて死んでいくしかない松浦。
誰からも必要とされない松浦もまた哀れな男だったんだなぁ。

それにしても雪穂は怖い。
亮司が松浦を殺した後の会話で、「やろうと思ったらやっちゃうんだもんなぁ。」って一言は恐ろしかった。
自分も殺そうと思っていた松浦を亮司が殺してくれた。
お返しに亮司をもう一度太陽の下に戻してあげると雪穂。
どうやって戻すというんだろう?すでに死んだ人という扱いなのに・・・。

篠塚さん(柏原崇)は江利子(大塚ちひろ)を襲わせたのが雪穂だって気付いてるのかな?
松浦は逃走中って言ってたけど、遺体が見つかってないって事なのか?
雪穂が庭に何か埋めてたけど、まさかあそこに松浦が?(;´Д`)
可愛い後輩の古賀を殺されて、笹垣(武田鉄矢)にも火がつきそう!

第七話
「美しき亡霊の決意」
脚本:森下佳子
演出:石井康晴

松浦(渡部篤郎)の携帯の履歴から、雪穂(綾瀬はるか)との繋がりに目をつけた笹垣(武田鉄矢)。
雪穂は松浦や亮司(山田孝之)から脅されていた、捕まえて欲しいと話す。
亮司が加害者、雪穂は被害者という風にストーリーが書き換えられていく。
笹垣は完全に雪穂を疑ってるんだけど、小娘の尻尾が掴めないところに苛立ってる感じ。
そんなところで m9っ( ̄ー ̄)ニヤリッって顔しちゃダメよ〜。>雪穂
そりゃ、笹垣も殴るわ〜。

高宮(塩谷瞬)に雪穂が近付いたのは、彼の実家が資産家だったからなんだ・・・。
すべては亮司を太陽の下へ戻すため・・・、利用できるものは利用しようって考えか〜。
いやぁ、毎回思うことだけど怖いよなぁ。(^▽^;)
財産目当てで高宮との結婚にこぎつけようとする雪穂、結局は自分の体を使って高宮とたらしこむわけで、そこに母(河合美智子)の姿がかぶるのが哀しいよね。
体で金を得て、自分の体だけでは稼げなくなると、娘の体も使って・・・。
そんな風にしか生きられなかった母と、何ら代わらないことをしている自分。

雪穂との結婚が決まっている高宮には片思いしている三沢千都留(佐藤仁美)という女性がいた。
だけど、一度雪穂を妊娠させたことがある高宮は、雪穂を捨てることもできない。
うーん、この妊娠って本当だったの?検査薬をどうやって陽性にしたかはわからないけど、何となく嘘っぽい。(;´Д`)
雪穂にとって三沢さんは邪魔なわけで、亮司は結婚式を間近に控えた高宮から三沢さんを引き離す。
しかし、ホテルに笹垣がウロウロしてるのは怖かったよ〜。 (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
幸い亮司は見つからなかったけど、篠塚(柏原崇)に亮司の写真を渡して「見かけたら連絡してくれ」だってさ・・・。
きっと、どこかで篠塚が亮司を見かけるんだろうな・・・。(^▽^;)

それにしても、結婚式前日に三沢さんと会えたら雪穂との結婚をやめる、ダメだったら雪穂とそのまま結婚するって高宮もどうなんでしょ?
雪穂と高宮は結婚したけど、これは雪穂が亮司のためにやってあげられることだったのね。
高宮の会社のネットワークに忍び込むためのIDとパスワードを亮司にあげて、あとは離婚して金をもぎとろうって計算か・・・。
離婚を視野に入れての結婚というのが何とも哀しいし、亮司は雪穂の幸せを願っていたんじゃないのか?と思うと、これまた何ともいえない気持ちになるんだけど・・・。
お互いに相手が幸せでいてくれることを、ただひとつの救いだと思い、どんないけない事も正当化して生きてきた。
雪穂からもらったIDとパスワードで、ネットワークから何かを盗み出したのか、亮司は別人として普通にどこぞの会社で「主任」と呼ばれて仕事をしてるみたい。
大丈夫なんだろうか?堂々と働いたりして・・・。(^▽^;)

ちらっと出てきた西田尚美さんが気になります。
雪穂の幽霊みたいな存在の亮司、西田尚美さんも「幽霊」という言葉を電話で口にしていた。
もしも、亮司がこの女性に相通じるものを感じたとしたら、恋に発展するというのもアリなんでしょうか?
笹垣は辞表をだして探偵事務所を開いたみたいだし、またまた怖い存在になってしまいましたね。
警察という縛りがない分、好き勝手に動けるわけだし・・・。
1時間見ると、どっと疲れるドラマでございます。<(_ _)>

第八話
「泥に咲いた花の夢」
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗

雪穂(綾瀬はるか)がどこに向かおうとしているのか、わからんようになってきた。
高宮(塩谷瞬)と離婚するために、ブティックの仕事に没頭し、毎日の食事は買って来たお惣菜やお弁当という嫌がらせを続けているのに、なかなか高宮が離婚を言い出してくれなくて。
千都留(佐藤仁美)を利用する事を思いついた亮司(山田孝之)と雪穂。
千都留と高宮が繋がってくれれば、雪穂にとっては離婚への道が見えてくるかもしれないし、亮司にとっては高宮の会社から盗んだ開発中のソフト(?)を自分を繋ぐ雪穂から目を背けさせる事ができる。
こういうことに利用されている千都留が可哀想にも思えてきた。

それにしても、雪穂は薬使うの好きやなぁ。(^▽^;)
高宮の酒に薬を入れて、彼が眠っている間に亮司を家にあげ、自分のことを殴らせる。
次の日から買い付けに行くということで、雪穂の家にはブティックを一緒に経営している友人を泊り込ませていて、殴られる物音を聞かせるわけ・・・。
しかし、友人は亮司が来たことに気付かなかったんだろうか?
もし、ぐっすり眠っていたら、殴られる物音にさえ気付かないって事もあるんじゃないの?
な〜んて、いろいろ思ったりもしたけど、雪穂の思惑通り高宮の暴力って事で離婚話に進む事が出来たみたい。
ただ、そんな雪穂のことを高宮が「哀れな女」と思っているのが、またせつない。
ここで雪穂のことを心底憎んだりしてくれたら良かったんだろうけど、「哀れ」と思われることが何だかなぁ・・・。
それにしても雪穂の「この結婚は売春なんだから、金もらわなきゃ何の意味もないの。」と言い切ってしまうところは、ちょっと恐ろしかった。

やっと離婚にこぎつけて、ブティックの名前も「R&Y」に変えた。
えー!いくらブティックをやってる友人の名前が「りょうこ」だとしても、看板に堂々と「R&Y」と掲げて大丈夫なのかい?(^▽^;)

笹垣(武田鉄矢)が姿を現さないのは確かに不気味だった。
だけど、これからは笹垣と同じぐらい、篠塚(柏原崇)が怖い存在かも・・・。
典子(西田尚美)は薬剤師だったんだ?
その職業は危険な香りがしますなぁ。(゚ー゚;Aアセアセ
亮司が典子に近付いたのは薬剤師だから?それとも自分と通じる何かを感じたから?
それにしても、もうDVDの発売告知ですか・・・。
早いっすね〜。

第九話
「こぼれ落ちた過去」
脚本:森下佳子
演出:高橋正尚

典子(西田尚美)に近付き、一緒に暮らし始めた亮司(山田孝之)。
薬剤師の典子に、青酸カリを持ち出させる。
公園で怪しい男から硫酸も受け取ってたよね?
何でも手に入るところが、また恐ろしいわ。

それにしても亮司がイケない体だというのには驚いた。
今までに1回だけイケたのが、あの死体とやった時らしいじゃない・・・。
「冷たい人だったけど・・・。」って、怖っ!
「俺の遺伝子なんて残すなって事なんだよ。」という亮司。
「他人と命を紡いじゃいけないと思って、それに体が連動してるのよ。」と典子。
もう言葉もありませんわ。

雪穂(綾瀬はるか)の母・礼子(八千草薫)が、ついに庭に埋められたものを見てしまいましたね。
あれは、松浦(渡部篤郎)の死体だったんでしょ?
サボテン植えようとして掘り返したら死体とご対面・・・そりゃ、ぶっ倒れるわ!(^▽^;)
笹垣(武田鉄矢)はついに雪穂と亮司の繋がりを知った。
亮司の父親が雪穂にしていたことも・・・。
篠塚(柏原崇)に、雪穂と亮司は自分たちの真実に触れた人物消すと笹垣が言ったあたりで、いや〜な予感はしたんだけど、まさか雪穂が自分を育ててくれた礼子まで殺そうとするとは驚いた。
そして、それを止めに入った亮司の「二度目はダメだよ」という台詞にゾクゾクした。
「行って!」
いつもこの言葉なんだよなぁ。
礼子が一人病室に残った亮司に、「二人して、そのザマか?哀れやなぁ。」と言ったところで、ぐっと来た。
そして、真文(余貴美子)が亮司の卒業証書を持って、弥生子(麻生祐未)の店にやって来る場面では、麻生祐未の芝居にヤラれた。
「いい子だったでしょ?・・・私が殺したんです。」
生きながら死んでいる、いや、死にながら生きているのか・・・、そんな息子への想いが一気に湧き出してきてって感じの迫力のある芝居だった。

礼子を殺すのは亮司の役目なのか・・・。
うーん、雪穂が礼子を殺そうとするのが、かなりショックだった。
亮司が止めに入ってくれて良かったと思ったら、結局礼子には死あるのみ・・・みたいだし。
いろんな事をうすうす勘付いても、雪穂に「しんどかったやろ?堪忍な。」と言ってくれた優しい礼子なのに。
「自首し〜。長生きするから・・・。待っててあげるから。」
そう言ってくれた人、育ててくれた人、いつも守ってくれた人・・・。
普通、殺せないよなぁ。

1時間見終わったら、心がどよ〜んとしてしまった。
こういう生き方しかできない二人、やっぱ「哀れやなぁ」なのかもしれない。

第十話
「開く過去の扉」
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗

いやぁ、もう、自分の感情を言葉にして表す事すらできないかもしれない。
何なんだろう?このドラマを見て、自分の中にわいてくるこの感情は・・・。

亮司(山田孝之)が礼子(八千草薫)のチューブを抜いて、あっさりと彼女を命を絶った。
誰かが自分たちの前に壁となって立ちはだかった時、その人物を殺すことでしか先へ進む道を見つけられない亮司と雪穂(綾瀬はるか)。

そして、ついに・・・というべきか・・・、亮司の母・弥生子(麻生祐未)が自殺。
笹垣(武田鉄矢)はちゃんと見抜いてたんだよね。
「お前はお前なりに、息子守ろうとしたんやろう。」って・・・。
誰にも打ちかえられず、自分の中で抱えておくにはあまりにも大きな出来事。
弥生子のお酒も、手首に残された数回の自殺の痕も、逃れるところはそこしかなかったんだって感じで辛かった。
だけど、真文(余貴美子)が卒業証書を持って来なければ・・・、笹垣があんな風に弥生子に理解を示さなければ、もしかしたら彼女は彼女なりにぎりぎりの線で乗り切ったのかもしれない。
人と関わらないで済んでいれば・・・。
でも、結局はダメだった。
「あの子はまだダクトの中にいる。押し込めたのは私。そんな人生しかあげられなくてごめん。」と震える文字で書き残し、手首を切って自殺。
我が子にそんな人生しかあげられなかったと悔やむ弥生子自身の人生は・・・と思うと、これまたせつなくなってしまう。

篠塚(柏原崇)は雪穂に自首をさせようと、彼女に近付いていくんだけど・・・。
雪穂が「子供は親の役に立たなきゃいけないのに・・・何一つお返しが出来なかった。」と篠塚の前で泣くシーンは、言葉の裏に隠された雪穂の子供時代を思うと胸が苦しくなった。
篠塚は雪穂の懐に入って行って、自首をさせようと思っているみたいだけど、雪穂の心はそう簡単には動かされないような気がするんだよなぁ。

そして何と言ってもラスト付近の亮司でしょう。
笹垣を殺すために彼の部屋へ忍び込み、典子(西田尚美)から手に入れた青酸カリをトイレに充満させる。
あとは、笹垣が帰ってくれば・・・というところで、部屋にあった弥生子の遺影と遺骨を見つけるわけよ。
こんな風に自分の母親の死を知るなんて・・・・想像もできないわ。
自分たちについて書き綴られた笹垣のノートを読んで、彼がどれだけ自分たちを見つめてきたかを知らされる亮司。
幽霊として生きるしかない人生、別人になって生きている自分。
笹垣だけが、桐原亮司をずっと見てくれていた。
何だろう・・・、これってやはり心を揺さぶられるような感情がわいてくるものなのかな?

こんな殺し方をしてはいけないと、急いで部屋へ行きトイレの青酸カリを水に流した。
しかし、そこへ笹垣が戻って来て、亮司はあのハサミを持つ。
う〜っ・・・重い・・・。
少なくとも亮司の中では、もう時効を待つ気持ちなんてないんだろう。
むしろ、見つけて欲しいんだろう・・・自分を。
ただ、雪穂だけは守らなくちゃいけない・・・それだけのために幽霊の人生を歩んでいる。
こんな人生しか与えてもらえなかったと言うべきか、それともこんな人生を自分で選んだんだと言うべきか・・・。

最終話
「白夜の果て」
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗

亮司(山田孝之)は笹垣(武田鉄矢)を刺したものの、自分が青酸ガスを吸ってしまって意識朦朧としながら逃げ出した。
雪穂(綾瀬はるか)は二号店の出店で忙しい。
「いつか田舎に戻りたい」と言っていた亮司のための店みたいだったなぁ。

友彦(小出恵介)が自首した事で亮司が指名手配され、どんどん追い詰められていく二人。
笹垣は典子(西田尚美)と亮司の間に子供がいる事を知るし、松浦(渡部篤郎)の遺体が礼子(八千草薫)の家の庭に埋められている事もつきとめる。
一方で篠塚(柏原崇)も雪穂が店に飾っている額の中から亮司の切り絵を見つけ、「もう自首しないか?」と雪穂に言う。
笹垣も篠塚も亮司と雪穂という二人の関係を知るほどに、「助けてやりたい」という気持ちになっていってるような気がする。
責めるでも追い詰めるでもなく、救いたい・・・。
ただ、ここまで来てからでは遅かったのかもしれないけど。

亮司と雪穂のお互いを思いやる気持ちも、同じでいるようで微妙に違っている。
亮司はあくまでも雪穂に太陽の下を歩かせたかった。
雪穂は亮司と一緒に死刑台まで歩いていこうと決めていた。
どちらも相手の事を思ってるわけだけど、ささやかな彼らの夢が決して幸せではないところに胸が痛む。

R&Y2号店のOPENの日、亮司は再び笹垣殺害を試みる。
切り絵を配っておびき寄せ、背後から笹垣を刺して袋詰めにする。
笹垣さえいなくなれば、雪穂の未来は明るいと思ったんだろう。
刺されたハサミでつめられた袋を裂いて出てきた笹垣が、亮司の犯した罪を父親殺しから順番に並べていくところは、ぐぐっと来た。
ここで亮司は典子が自分の子供を産んでいる事を知る。
ここからの笹垣の台詞は、武田鉄矢の力技!

「その子供にちゃんと13階段上る姿見せーぇ!お前自分と同じ子を作る気か!親、信じられへん子作る気か!間違いだらけやったけど、お前が精一杯やったんは俺が知ってる。一人の人間幸せにするためにお前は精一杯やった。お前の子に俺が言うたる。お前に流れと〜血は、ホンマはそういう血や!俺がちゃんと子供に言うたる。すまんかった・・・あの日、お前を捕まえてやれんで、ホンマすまんかったのぉ。亮司、来いや!」

そう言って広げた笹垣の両手に、素直に飛び込んで泣く事が出来たら・・・。
亮司はどんなに楽になれただろう・・・。
そう思うと、その後、笹垣が手に持つハサミを自分に刺した亮司の行動が辛かった。

自分がどんなに苦しくても、雪穂に太陽の下を歩かせるためだったら何でもやる。
笹垣を殺して、自分も死ねば、雪穂に未来をプレゼントしてやれると思った。
でも、そんな自分を見つけてくれた笹垣を最終的には殺せなかった。
せめて自分だけは死のう・・・きっと、雪穂には自分の気持ちが伝わる。
そう信じて、歩道橋の上からダイブ。

血まみれになりながら、雪穂に「行って・・・」と指で指し示す。
指さされた方向へ歩いていく雪穂。
亮司がそう望んだのなら、自分は歩いていくしかないと決意したんだろうな。
篠塚が言った「犯罪でさえなければ本当に美しい絆だと思う。」という言葉に頷くしかなかった。
そして、「人生を捧げられた方が辛い」というのにも、うーんと唸るしかなかった。

亮司が命を投げ出してまで捧げた雪穂の人生は、嘘に嘘を重ねた「生きる屍」「借金まみれ」の「生き地獄」。
二人で太陽の下、手を繋いで歩きたいというささやかな願いは、典子が生んだ亮司の子供と雪穂が太陽の下で手を繋ぐという形で叶えられた。
しかし、それはあまりにもせつない夢だった。

亮司は笹垣という一人の大人に本当の自分を見つけてもらえて、雪穂に太陽の下を歩かせるために死んでいけて・・・もしかしたら最後は彼なりに幸せだったのかもしれない。
でも、雪穂は・・・。
どこまで生きて行っても幸せにはたどり着けない人生を歩くしかない。
亮司の想いを知っているからこそ、自首することも死ぬこともできない。
こんな人生のために、いくつもの罪を重ねて、嘘を重ねて生きてきたのかと思うと・・・。

何か重いものを飲み込んでしまったような感じで、見終わった後、いつまでも重苦しさが抜けない。
じゃあ、この作品は嫌いですか?と聞かれたら、決して嫌いではない。
そういうドラマだったと思う。

 

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