砂の器

原作:松本清張
潤色:橋本忍・山田洋次
P:伊佐野英樹・瀬戸口克陽

主題歌:DREAMS COME TRUE ♪やさしいキスをして

第1回
脚本:龍居由佳里
演出:福澤克雄

私は中居君でシリアスなドラマをやられると、笑わずにはいられなくなるので、あまり見る気がしないんですが、今回は何とか見ることが出来そうな気がします。
やはり、それはKen Watanabeの存在でしょうか・・・。
ノッてるって感じがしますね〜。
「白い巨塔」を上川隆也がごっそりさらって行くとすれば、この「砂の器」はKen Watanabeが根こそぎ持っていくんじゃないでしょうか?

中居君が天才ピアニスト・和賀英良(中居正広)を演じるという事で、彼がピアノを弾くシーンもかなり突っ込みどころになるんじゃないかと狙ってたんですが、あたくし、中居君という方のダンスの上手さをすっかり忘れておりました。m(_ _)m
たぶん、中居君はピアノを弾く動作をダンス、あるいは振り付けとして覚えていかれたのではないでしょうか?
リズム感はあるお方なので、合わせて動くというのはお上手だと感じました。
カメラワークも上手いからなんでしょうが、突っ込ませて頂くほどのピアニストシーンはなく・・・。

和賀という男の幼い頃を知る人物(赤井英和)が現れ、和賀は今の自分の地位を守るためか、その男を殺してしまうわけですが、その殺し方が残酷だったなぁ。
身元がわからなくなるまで顔を潰し、指紋も採取できないように指先も潰し・・・。
そして真っ白なタートルネックのセーターに、おびただしいほどついた返り血を、帰宅した後、洗面所で洗い流そうとするシーンに寒気がしました。
殺害現場から帰宅するまでの間に、会ってしまった女性が劇団に所属する女優のあさみ(松雪泰子)なんだけど、彼女の存在は重要になっていくんでしょうね。

刑事の今西(渡辺謙)が、この事件を捜査するんだけど、なんせ被害者の特定すら出来ない状況で、手がかりは白いタートルネックの若い男が、被害者と思われる人物と飲み屋にいたという証言と、そこでの会話で「カメダ」という言葉が出て来たということ。
「カメダ」が人の名前なのか、地名なのかさえわからない中で、今西が秋田に亀田という地名がある事に気付くわけだ・・・。

初回の感想としては、とにかく画が美しい!
これには参った!と思った。
雲なんて、こんな雲どうやって撮ったの?って感じで、ひたすら風景の美しさに引き込まれたよ。
「白い影」みたいなシリアスを気取ったコントだったら、速攻リタイアしてやる!と思ってたんだけど、このドラマはちょっと違うようです。(^^;
ってなわけで、来週ももちろん見ます!

第2回
脚本:龍居由佳里
演出:福澤克雄

和賀さん(中居正広)ったら、一番肝心な血に染まった白のタートルネックの処分に困ったのはわかるけど、切り刻んで大量の未使用の五線譜に包んで、元カノの玲子(佐藤仁美)に焼却を頼んじゃダメだよ〜。(^^;
甘いな〜、やっぱそれは自分で処理しなきゃ・・・。
しかも、玲子と関川(武田真治)が繋がってたというのも、かなり危険な状況じゃない?
ゴミ袋の中身、しっかり関川に見られて、切り刻んだセーターを包んだ五線譜でそのゴミが和賀の託したものだとバレてるし・・・。

警察は「カメダ」が秋田の亀田だと推測し、今西(渡辺謙)と吉村(永井大)が向ったけど、そこで噂に上ってたのは「黒づくめの男」。
この黒づくめの男って、単に関係ない誰かの事だと思ってたけど、警察が「カメダ」と「東北弁」をキーワードに捜査していると知った和賀が、宮田(岡田義徳)を亀田に向わせていたとは・・・。(^。^;)
和賀が殺人を犯した日に来ていた服も宮田のものだったようだし、いずれ宮田が犯人だと疑われる日もやって来るのかしら?
被害者の身元も割れたし、三木(赤井英和)が岡山県人だとわかった。
東北出身者だと思っていた被害者は岡山の人間・・・警察の捜査は今後、どうなってしまうんでしょう?

いやぁ、それにしても先週のピアニカといい、今週の地図帳といい、和賀の子供の頃の思い出BOXの中身が面白い。
天才ピアニスト・和賀英良だし、全国津々浦々を演奏旅行にも行くことでしょう。
その度に、次はどこかな?とあの地図帳で確認してるかと思うと、ちょっと笑えるよね。_・)ぷっ
今回はあさみ(松雪泰子)が母親の葬式に帰るという彼女の故郷・丹後の伊根を地図帳で探してた和賀だけど、その伊根と福井のあたりを指でなぞっていたよね。
あれはどういう意味なんでしょか?
和賀が子供の頃、父親と旅した場所なのかな?
あさみというキャラはドラマ独自のものらしいけど、不幸な女性のようですね。
せっかく掴んだ主役の座は「若さ」を理由に後輩の女優に持っていかれ、傷心で故郷の母親の葬儀に参列しようと帰省すれば、そこには母の再婚相手とその娘らしき女の子が号泣していて、自分が戻る家はないことに気付かされるし・・・。
それで海へ飛び込んで死のうとしているあさみを、和賀は最初突き落とそうとしていたようだけど、その場所でくるくる回っている風車を見て、またもや幼少期の自分を思い出していたようだね。
和賀の過去がわからないだけに、何とも言い難いのですが、和賀もかつてあの場所に来た事があるということ?
それとも死のうとしているあさみを見て、幼い頃死にたくないのに父親に腕を引っ張られて・・・という状況が、単に思い出されたということなのかしら?
先週見た予告だと、和賀があさみを突き落とすように見えたんだけど、どうも死のうとするあさみを止めるみたいだね。

うーん、先週はいい意味でハラハラしながら「どうなる?どうなる?」と見ることが出来たんだけど、今回は結構あさみ絡みの話が多くて、ちょっと面白みには欠けたかな?
そして、和賀の台詞は・・・極力少なくしてほしいです。m(_ _)m
どうも、喋り出すとボロが出そうで・・・。(^。^;)
和賀が一人でいるシーンだと、喋る相手がいないからいいんだけど、これからあさみや綾香(京野ことみ)以外にも、捜査が進めば警察関係者とも喋る機会が増えるでしょう。
そこで「ありゃりゃ・・・」とならないように、中居君がうまくやってくれればいいけど。(^^ゞ

第3回
脚本:龍居由佳里
演出:金子文紀

うーん、今回はちょっとまったりしちゃったかな?
和賀(中居正広)があさみ(松雪泰子)を助けて、「宿命は変えられる」とか言っちゃって、あさみの中では和賀という男が運命の人になってるような気がするんだけど・・・。
何だかこの二人を中心に話が進むと、あんまり面白くないんだよなぁ。(^。^;)
松雪さんには悪いけど、あさみの役は付け足し程度に出てくれればいいような気がする。
私が見たいのは殺人事件から逃げようとする和賀と、それを追って行く今西(渡辺謙)であって、和賀とあさみの関係ではないんだよぉ。

あさみより玲子(佐藤仁美)が気になるわ。
和賀が頼んだゴミをすんなり焼却処分してくれてたら良かったんだけど、関川(武田真治)に見つかってもたもたしてるうちに、焼却炉閉鎖で焼く事すら出来なくなっちゃうなんてね・・・。(^。^;)
っつーか、ここで急に焼却炉閉鎖というのも、ちょっと唐突な気がしましたが。(^^;
関川はあのゴミを見て、和賀に対してどの程度まで疑惑を抱いているのかしら?
顔をあわせてもゴミについて触れないところが、不気味な感じがする。
んで、玲子もゴミの中身を見て、和賀がやったことに薄々気付いてるのよね?
予告で切り刻んだセーターを列車の窓からばら撒くシーンがあったけど、ああやって証拠の品が捨てられるとしたら、和賀にとっては大きな誤算でしょう。

今西の奥さん・純子(森口瑤子)が偶然あさみとすれ違ったりして、これからあさみと純子も繋がってくるのかしら?
そうなると世間の狭いドラマになりそうな気がして、ちょっと不安。(^^;
ドラマにおける人と人との繋がり方って重要よね〜。
あんまり簡単にいろんな人が繋がって欲しくないなぁ。

その今西刑事だけど、三木(赤井英和)が岡山の人間で東北とは繋がりがなかったと知って、捜査が振り出しに・・・。
岡山に近い出雲地方の言葉が東北弁と似ているという事実、亀嵩という地名があることを発見し、今西は事件の真相に近付いたんだろうか?

とりあえず証拠の品を持っているのは玲子だから、彼女の行動は注目しちゃうよね。
和賀はこれ以上何も出来ないだろうし、あとはただ祈るのみなのかしら?
わざわざ原作にはない人物なのにドラマには登場したあさみというキャラが、これからどういう意味を持ってくるのか・・・それも見ていかなきゃね。

第4回
脚本:龍居由佳里
亀嵩ロケ演出:福澤克雄
演出:金子文紀

うーん、ここへ来て、あまり進展がないようで、ちょっとキツイなぁ。
今西(渡辺謙)が亀嵩付近を捜査するのはいいんだけど、そこでの三木(赤井英和)の評判は「いい人」。
誰にあっても「いい人」としか言われない三木が、恨まれて殺されたとは考えにくい。
いかにいい人だったかという話の中で、浮浪者の親子と三木に接点があったことまで出てきて、「お!これは次へ進むか?」と思わせられたんだけど、やっぱそう簡単にはいかないのね。(^^;
視聴者は「そうそう!その浮浪者の親子を調べなきゃ!」と思っていても、今西たちはそこにヒントがあるなんて思ってないものね。
あぁ、もどかしいわ。

んで、劇団を退団したあさみ(松雪泰子)が和賀(中居正広)に会いたくなるという話もありましたが、やっぱこのあたりがどうもいらない気がしてしまう。
おまけに今西の奥さん・純子(森口瑤子)とあさみが、またまたゴミ出しで出会うというのも、先週に引き続き偶然過ぎる!
こうなってくると、いつかは純子とあさみが友達のような関係になり、その繋がりで今西とあさみにも接点が出来てしまいそうだよね。
そんなにうまく繋がっていっちゃうと、視聴者的にはげんなりなのよ〜。(^。^;)

今週一番期待していたのが、玲子(佐藤仁美)が和賀の証拠のセーターを電車の窓からばら撒くところなんだけど、予告では早速吉村刑事(永井大)がセーターの切れ端を拾ってたような・・・。
玲子という人物の心情も気になるんだよね。
和賀のことが好きなのかな?と思ってたけど、関川(武田真治)を和賀が傷つけたことを怒ってたし・・・。
それで捨てそびれていた和賀のセーターをばら撒きに行ったとしたら、半分は和賀を苦しめたい気持ちもあったのかしら?
和賀を救いたいのか、苦しめたいのか・・・微妙な女心かもしれないわね。

第5回
脚本:龍居由佳里
演出:福澤克雄

先週予告を見て、玲子(佐藤仁美)がばら撒いた切り刻んだセーターが、どうやって吉村(永井大)に見つかるのか凄く興味があったんだけど、まさか新聞のコラムがきっかけとはビックリしちゃったわ。(^^;
たまたま玲子と同じ列車に乗り合わせた作家が、彼女が列車の窓から紙吹雪をまくのが美しかったとコラムに書いてて、それを読んだ吉村が作家と接触し、玲子がばら撒いたであろう場所を徒歩で探していくわけよね。
いやぁ、まさに足を使った捜査だわ。
しかも捜査本部は解散で、吉村は休暇を取ってこの捜査してるしね。
ボロボロになりながら、崖から転落し、泥水にはまり、さすがの吉村も「もう、嫌だ〜」だった瞬間、雨に打たれるセーターの切れ端を発見。
良かったね〜、吉村刑事・・・。
でも、話はかなりうますぎるような・・・。(^。^;)

あさみ(松雪泰子)と和賀(中居正広)が一夜を共にしたのもビックリ。
んで、あさみは劇団の衣装部に戻ってるし・・・。
宮田(岡田義則)が和賀に貸した服って、劇団の衣装だったのね。
なるほど、これであさみが衣装部にいれば、服を見てあの夜ぶつかったのが和賀だと思い出すかもしれないってわけだ。
ここでも話がうますぎるような・・・。(^。^;)

今西刑事(渡辺謙)は伊勢で三木(赤井英和)が泊まった旅館で、彼が二日連続同じ映画館に通ったあと、東京へ向った事を知る。
映画館で見た映画が原因なのか、そこで誰かにあったのか・・・と思ったら、映画館の壁に地元出身の代議士・田所(夏八木勲)の写真があって、その集合写真には和賀の姿も・・・。
なるほど、三木はこの映画館で写真の和賀を見つけたのか。

玲子のマンションで和賀と今西たちがすれ違うところは、カッコよかったね〜。
映像的にカッコよかったし、見ている側の気持ちが高ぶるシーンでした。
やっぱこのドラマは犯人と刑事の関係を見せてくれなきゃね。
あさみが衣装部の服から何かを思い出すとすれば、そこは見どころかもしれないけど、やっぱ彼女の出番は控え目な方がよろしいかと・・・。(^^;

第6回
脚本:龍居由佳里
演出:山室大輔

あはは・・・セーターの切れ端を鑑定に持ち込む吉村(永井大)、コントだよ。(笑)
休暇を取ってまで、必死に秩父鉄道沿線をへろへろになるまで探し回って、やっと手に入れた証拠の品だから無理もないけど、あのへなへなとした足取りでやってくる芝居は笑うしかない。(^^;
吉村の見つけてきたセーターの切れ端から、三木(赤井英和)の血液が検出され、捜査本部再開!
まぁ、それはいいとして、「紙吹雪をまく女」が玲子(佐藤仁美)だとわかるのも、乗り合わせた作家が玲子を知っていたという偶然でしょう?
うーん、ここらへんがもうちょっとしっかりしてると、見ていても面白いんだけど・・・。
どうも「偶然」って言葉ですべてを解決してしまうような安直さが、このドラマの惜しいところではありますな。

さて、その玲子さんですが、関川(武田真治)には妊娠を喜んでもらえず、傷ついて夜の街を彷徨う中での流産。
それだけならまだしも、流産の出血でショック死なんて、あまりにも可哀想だわ。
雑踏の中で倒れてるのに、周囲の人々は驚きもせずさっさと歩いてるしね〜。(^。^;)
これから玲子に捜査の手がのびるところだったのに、本人は死亡。
そこで玲子の部屋が捜査され、店の顧客名簿や部屋に残された指紋から警察は関川を任意で取り調べるわけだ。
そして関川を経由して、いよいよ和賀(中居正広)へ・・・。

あさみ(松雪泰子)も和賀とぶつかった事を思い出したっぽい。
今西(渡辺謙)たちも和賀を、どう追い詰めるのかしら・・・。
ここからが見ものよね。
何でもかんでも「偶然」で繋げるんじゃなくて、ちゃんと納得できるような結び付け方をしてほしいわ。
あさみと和賀のシーンはかなり減ったようで、ドラマとしては見やすくなったかな。
ただし、見やすくなったからといって、面白くなったわけではないんだけどね。(^^;

第7回
脚本:龍居由佳里
演出:福澤克雄

ついに今西(渡辺謙)たちの捜査が和賀(中居正広)におよび、どんどん追い詰められていく和賀が見どころでした。
しかし・・・冒頭で今西たちが部屋を出て行った後、わなわな震えながらドアの鍵をかけて崩れていく和賀はどうなんでしょ?
久々に「コントなの?中居君?」って感じがして笑ってしまったわ。(^。^;)

1月4日のアリバイも、打ち合わせもしてないのに和賀の言い分とあさみ(松雪泰子)の言い分が一致しててビックリしたなぁ。
あさみは衣装部にあったコートを探して、袖口についてた血液を見つけちゃったよね。
それはまさにあの日、和賀が着ていたコートで、自分がすれ違いざまにぶつかって血をつけてしまったコート。
これであさみの中で、和賀とあの晩出会った事がはっきりとしたわけだね〜。
あさみがあの晩の事と自分が好きになってる和賀が繋がってきた時に、どういう行動に出るのかしら?

んで、伊勢再び・・・よね?(笑)
綾香(京野ことみ)に聞き込みをしようとして、そこに現れた田所(夏八木勲)の顔を見た今西は、はっと伊勢の映画館にあった写真を思い出すわけよ!
そして、再び伊勢へと向うんだけど、この駆け出す今西もちょっとイケてね〜。(^^;
ねらってああいう走り方だったんでしょうけど、もうちょっと今西刑事はカッコよい人物でもいいのになぁ。
伊勢の映画館、今度は何を見るべきかわかって訪れているから、今西刑事も一目散に壁に飾られた写真を見つめるのよ〜。
田所と和賀の接点・・・そして和賀の腕にある大きな傷がやたら映し出されていたけど、最後の決め手はあの傷になるんだろうか?

亀嵩の桐原(織本順吉)曰く、三木(赤井英和)は浮浪者の親子に関する何の記録も残さなかったとか・・・。
ただ、浮浪者の父親は息子を連れて逃げていたという事が語られた。
そしてその父親の名前が「モトウラ チヨキチ」。
名前を聞いた今西も「あの、モトウラですか?」と驚いていたけど、何か大きな犯罪を犯して逃げていた人物なのかしら?
なかなか次が気になるところで、上手に終わってくれたわね。(苦笑)

第8回
脚本:龍居由佳里
演出:金子文紀

今西刑事(渡辺謙)の捜査範囲、いやぁ広いっすね〜。
伊勢、亀嵩、山中温泉、長崎・・・・。
移動だけで疲れそうなんだけど、やはり犯人を追い詰めていく刑事の執念を感じます。
追う方が勢いを増すのに対して、追われる和賀(中居正広)が行き詰っていく様子が見応えあったわ。
(゚ー゚)(。_。)ウンウン、やはりこういう内容だと面白いかも・・・。

千代吉(原田芳雄)のかかわった事件というのが、大畑事件。
この事件がどういうものかがよくわからないんだけど、大畑ダム周辺の住人が千代吉のことになると口を閉ざすのが・・・。
そして和賀の出身地・長崎で気になる事実とぶつかった今西。
和賀が10歳のときにあった長崎の大水害、和賀はたった一人その地区で生き残った人物だったようだけど、その他に行方不明の施設の子供の遺体が収容されてるなんて・・・。
その施設の子供も10歳、服部武史君という施設の子供の友達が和賀君。
うわーーーー、それってば収容された遺体が和賀君で、服部武史君が和賀としてそこからの人生を生きたって事じゃないですか。
10歳の子供にそういう知恵ってあるんでしょうか?
それは幼い頃から逃亡する生活を続けてきた少年ゆえの、生きるための術だったのでしょうか。
過去を捨てて新たな人生を生き直すためには、そうするしかなかったのかな?
胸が痛くなっちゃうわ。

私ったら千代吉の事をすでに亡くなった人だと思ってたんだけど(^。^;)、大畑事件で刑務所に入ってたのね。
しかも病状が悪化って新聞に載ってるし・・・。

宮田(岡田義徳)が秋田の亀田に行っていたこと、あさみ(松雪泰子)が1月4日に蒲田にいた事。
今西と吉村(永井大)が、じりじりとつきとめていくのがドキドキしちゃう。
あさみは例のコートを自分の部屋に隠してるけど、そんな部屋に今西が訪ねてきたら・・・もう心臓飛び出そうだよね。(^。^;)
予告では和賀が逃亡するようなこと言ってたけど、必ず千代吉に会いに行くんだろうなぁ。
そこを今西たちが待ち構えるという展開かしら?
一度自分を殺してまで手に入れた和賀英良という人生。
その人生を守るために、過去を知る三木(赤井英和)を殺さなくてはならなかった和賀の内面。
ただ追い詰め、追い詰められてというだけでなく、そういう深い部分がうまく絡んでくれると見応えはありそう。

第9回
脚本:龍居由佳里
演出:山室大輔

最後にあさみ(松雪泰子)が1月4日にぶつかった男性が和賀英良(中居正広)ですって、今西(渡辺謙)に言ったこと以外は、どうでもよかったなぁ。(^。^;)
ひどく間延びした感じで、ドラマとしてもラストスパートってところで何をもたもたしてんだ?って感じだった。
確かに今西にぴったりマークされているあさみの、焦りや迷いみたいなものは見せてくれてもよかった部分だろうけど、こんなに長い時間をかけなくても・・・と思っちゃったよ。(^^;

「宿命」も完成したと言ったのに、まだ完成してないと言い出したり、どっちやねん!って感じだわ。

千代吉(原田芳雄)は過去に大量殺人を犯したらしいけど、それについても明らかになるのは来週みたいで、今回の1時間の必要性がよくわからん!

和賀が逃亡したと大騒ぎしては、今西は「和賀はコンサートが終わるまでは絶対に逃げません!」と断言してるし・・・。
はぁ・・・ラストが近付いて駆け足になるのも嫌だけど、こんなに間延びしちゃうのもいかがなものかしら?

・・・ってなわけで、来週に期待しましょう。m(_ _)m

第10回
脚本:龍居由佳里
演出:福澤克雄

今回は完成した「宿命」の流れる中、千代吉(原田芳雄)が大量殺人を犯して、秀夫(斉藤隆盛)を連れて放浪の旅に出て亀嵩へたどり着くまで。
これは人によって賛否両論、意見が分かれそうだなぁと思いつつ見ておりましたが、原作を読んでいない私としては好きな回でした。

大畑村でのダム建設問題、村人が揃って反対運動をしたがその戦いに負けてしまい、行き場のない怒りの矛先が千代吉に向けられてしまう。
この村八分になるきっかけというのは、確かに何も知らない者からすれば「何で?」って気もするけど、今西(渡辺謙)の報告の中でもあったようにそれまでにも何かしらの差別があったとすれば、ここで一気に村八分に・・・という動きも理解できなくはない。
親がいじめられれば、当然子供の秀夫もいじめに遭う。
心労からか秀夫の母親・房(かとうかずこ)が苦しみ出し、村長の家で行われている結婚式に呼ばれている村の医者を呼びに行く千代吉。
ところが、そんな緊急事態でも村人の態度は変わらず、隣村まで運ぶ途中で房が息をひき取る。
そして千代吉は村人を次々と殺し、村に火を放った。
これが大量殺人の真相。
虐げられて、虐げられても我慢してきた千代吉が、房を失った事をきっかけに「鬼」と化した様子は納得できたし、秀夫を連れて放浪を続ける過程もこれだけの時間をかけて見せてくれてよかったと思った。
辛い放浪のシーンをちょこちょこっと見せられて、いきなり亀嵩に着いてるようじゃ、本浦親子の長い旅を知るまでには至らないもの。
村から逃げ出して、警察の手が届かぬように逃げる旅だけど、長い間続けているうちには季節も変わり、行った先々で風景も変わり、花も咲き、風も吹き、紅葉もあり、雪もあり・・・。
そんな中では辛い中にも笑顔もあり・・・。
いつの間にか放浪している事が、この親子の中で日常になっていってる様子がちゃんと伝わった。
和賀(中居正広)が大事にしていたピアニカも、放浪の途中で千代吉が通りかかった学校から盗んで与えたもの。
そのピアニカを演奏する事が、当時の秀夫にとって唯一の娯楽だったわけで、その秀夫が今やピアニストにまでなったのかと思うと、それはまさに「宿命」のような気もしてしまうんだよね。
うーん、やっぱり画が美しいとそれだけ見入ってしまいますな。(^^;ゞ
途中でお遍路さんに会って、千代吉と秀夫がお遍路さんの装束になっていたのは、「え?それも盗んだの?」とちょっと焦ってしまったけど・・・。(^^;
放浪してるわけだから、盗むしかなかったんだろうなぁ。

そして親子は亀嵩へ・・・。
ここで三木(赤井英和)と出会ったわけよね。
一応、話は繋がったんだけど、和賀が三木を殺さなきゃいけなかった理由にしては、まだ納得がいかない。
最初の方の今西の説明で、和賀が蒲田を殺害場所に選んだのは自宅とコンサート会場の間で一番自分に縁遠い場所だったからではないか・・みたいな事を言ってたけど、それもちょっと納得させるには弱い感じ。
残すは最終回のみ・・・で、どうシメてくれるのでしょうか?
っつーか、今回なかなか良かったなぁ・・と思ったんだけど、よくよく考えてみれば和賀やあさみ(松雪泰子)の出番がごく少なかったんだよね。( ;^^)ヘ..
それって、それって・・・。(^^;ゞ

最終回
脚本:龍居由佳里
演出:福澤克雄

本浦秀夫(斉藤隆成)と千代吉(原田芳雄)の放浪から、秀夫が和賀(中居正広)として三木(赤井英和)を殺害するまでの経緯が今西(渡辺謙)によって語られた最終回。
完成した「宿命」に乗せて、本浦親子の苦しかった逃亡、三木に保護され安堵した短い日々、そして三木が千代吉に気付いて出頭させる時の親子の別れ。
美しい映像はそれだけで作品を三割増に良く見せてくれますね〜。(^^;
しかし、三木って本当にいい人だったんだね。
浮浪者の親子を自分の家で保護し、それが大畑事件の犯人だと知っても、秀夫がいじめられる事がないように・・・と、千代吉を大阪で出頭させようとしたり、本浦親子に関する記述のある勤務日誌まで燃やしたり・・・。
しかし、駅で本浦親子が別れるシーンは泣けちゃったよ。
千代吉に「父ちゃーーーん!父ちゃーーーん!」と叫ぶ秀夫、だけど何も声をかけることができない千代吉。
見かねて三木が「何か言ってやれ!」と言うと、言葉はなく笑顔で手を振る千代吉。(・・,)グスン
それだけ世話になった三木を、秀夫が殺さなくてならなかったのも「宿命」だとしたら、それはあまりに哀しすぎる。

三木が気遣ったにもかかわらず秀夫は人殺しの子供といじめられるようになり・・・。
腕に残っていた大きな傷も、いじめられて出来た傷だったとは。
三木がどれだけ優しく見守ってくれても、子供の秀夫にとっては耐え難い日々だったんでしょう。
それで結局、三木の家を出て一人で放浪することになったのね。
いやぁ・・・しかし、亀嵩から行き着いた先が長崎でしょ?
子供一人で放浪して、それだけの距離を移動したなんて、ちょっと無理があるような気もしてしまったんですが。(^^;ゞ
その長崎で秀夫が仲良くなったのが和賀英良君で、水害で和賀君が亡くなったのを知り、そこからは自分が和賀に成りすましたわけよね。
子供ながらに、自分が生きるための術として、そういう道を選んだとは・・・。

そのまま和賀として成功の道を歩めればよかったんだろうけど、そこで登場したのが伊勢で和賀の写真を見て、秀夫だと直感した三木が現れて、一気に和賀を襲った恐怖。
誰も本当の自分を知らないところで成功をした和賀にとって、過去の自分を知っている三木は一番恐れた存在だったのでしょう。
それじゃあ、あの蒲田の夜・・・和賀は最初から三木を殺すつもりだったんだろうか?
それとも三木が倒れて頭を打った瞬間に、一気に殺意がわいてきたんだろうか?
三木は最後までいい人だったよね。
伊勢で成長した秀夫の写真を見つけて和賀に会いに来たのだって、何も過去を暴露するつもりはなくて、医療刑務所にいて余命いくばくもない千代吉に息子・秀夫を会わせてやりたいと、ただそれだけだったんだもん。
だけど、三木の心情なんかわからない和賀にとっては・・・うーん、やはり恐怖でしかなかったのかなぁ。

「宿命」の演奏を成功させ、舞台袖に控えていた今西たちに連行されていく和賀。
途中、今西の独断で千代吉と和賀を対面させたのは、今西なりに三木の願いを叶えるためだったのかしら?
千代吉を前にして、和賀が「あなたが憎かった。あなたの子供でいる事が嫌だった。本浦秀夫をこの世から消すために、三木さんを殺してしまいました。」と泣き崩れるところも、じわ〜っと泣けてきた。
このあたりの中居君の演技は悪くなかったよね。
ピアニカで宿命を弾いて千代吉に聞かせるカットで、このドラマは終了。
すっきりとはしなかったけど、「何じゃ、そりゃ?」とも思わなかった。
やはり映像で三割増なのかもしれない。(^^;
このドラマは最初と最後は悪くなかったと思うんだけど、途中が妙に間延びしたりして、そういう部分がマイナスだったかな?

 

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