白い巨塔(第二部)

1話〜10話のレビューはこちら

原作:山崎豊子
P:和田行

主題歌:ヘイリー ♪アメイジング・グレイス

第11回
「天国と地獄」
脚本:井上由美子
演出:西谷弘

いよいよ2クール目、そして初っ端は2時間スペシャル、しかもアウシュビッツ収容所でのロケ敢行・・・と、意気込みを感じました。
アウシュビッツといっても、この話がどうやってアウシュビッツへ繋がるんだろう?と、若干心配でもあったんだけど、ワルシャワの学会に行った財前(唐沢寿明)が観光で連れて行ってもらった場所だったのか・・・。
あの場所で、多くの人の命が奪われた事、その中には人体実験と称して医師が人の命を奪っていたという現実もあったことを、どう感じたんだろう?
命の重さを財前が少しでも考えるきっかけになっただろうか?
教授が行う総回診・・・患者からの質問すら許されない空気、教授の診断に異議を唱える事すら出来ない絶対服従の縦社会。
そこに人の命がかかわっているとは、到底思えないんだよなぁ。

佐々木さん(田山涼成)は、咳が出る程度のところから、みるみるうちに弱って、ついには亡くなってしまったね。
佐々木さんが亡くなるところは泣いちゃったよ。
口に管が入ってるから喋れなくて・・・でも何かを必死に言おうとしてて・・・最後は一筋の涙だもんね。(・・,)グスン
1クール目であまり目立ってなかった里見先生(江口洋介)が、やっと出て来た感じでドラマ的にはいい感じだったんだけど、どんなに里見が患者を診ようとしても、内科と外科の間に厚い壁があるのが歯痒かったわ。
柳原(伊藤英明)だって、途中から絶対に財前の指示通りではいけないとわかっていても、自分の力だけでは何とも出来なくて・・・。
効果のなさそうな抗生物質を、繰り返し繰り返し投与するしかない憤りみたいなものが、見ていて辛かった。
もっと早く治療方針を見直すことが出来れば、佐々木さんを救えたかもしれないのに、里見も手出しできない状況だったし、財前宛に送ったメールも鬱陶しがられるだけだったしね。

しかし、鵜飼教授(伊武雅刀)も佐々木さんが亡くなったと聞いて、あくまでも術後肺炎で押し切ってしまおうとするあたりに、背筋がぞーーーっとしちゃったよ。
病理解剖されると本当の死因がバレてしまうからと、何気によし江(かたせ梨乃)に解剖を断わるように仕向けるあたりも手馴れていて怖い。
「亡くなった後に切り刻むのも・・・」とか「解剖を断わる方もいらっしゃいますが」とか、家族を失ったばかりのよし江にしてみれば「お断りします!」と言うしかないものね。
側でやり取りを聞いてた里見先生は、当然鵜飼が何を企んでいるのかわかって、よし江に病理解剖をすすめたんだけど、やっぱ聞く耳持たずだし・・・。
いやぁ、とりあえず自分がこういう立場に立たされたら、どんなに亡くなった人が可哀想だと思っても、病理解剖はやってもらおうと思ったさ。(^^;
まぁ、病院から遺体を運ぶ車の運転手さんが、「何かあったんですか?」と一言声をかけてくれてよかったよ。
あのまま帰って、普通にお葬式で火葬されたら、逆に佐々木さんが可哀想かも。
ここでもひとつ学んだよ。
遺体の見送りに大勢の病院スタッフが出てきたら怪しいと・・・。φ(.. )メモメモ
そしてその中に教授らしき人物がいないかチェックすると・・・。φ(.. )メモメモ
なんせ運転手さんが自分の中の疑問を口に出して言ってくれて、よし江も病理解剖をする気になってくれて良かった。
病理解剖は大河内教授(品川徹)だし、まずマチガイナイ!

これで医療ミスが発覚し、今回ちらっと出て来た弁護士の関口(上川隆也)が担当することになるわけね。
いよいよ面白くなってきた!

第12回
「捨て身」
脚本:井上由美子
演出:村上正典

すいません・・・最初に吠えてもいいですか?(爆)
上川隆也が好きだーーーーー!

第二部から登場した関口弁護士(上川隆也)ですが、私、この時点で確信致しました。
白い巨塔第二部、きっと上川隆也がすべてもっていくことでしょう!
確かに役どころもいいですよ。
事務所をたたみ掛けた弁護士が、よし江(かたせ梨乃)に亡くなった佐々木さん(田山涼成)の医療裁判を依頼されもう一度法廷へ立つんですから、魅力があって当然な役なんですが、上川隆也をこの役にキャスティングした事で、関口弁護士という役が二倍にも三倍にも魅力的になったんじゃないでしょうか?(言いすぎ?(^。^;))

財前(唐沢寿明)もますます憎たらしい男になってきましたね。
そういう意味では唐沢さんもウマイんでしょう。
佐々木さんが亡くなった事で家族に謝罪したいという柳原(伊藤英明)に、「何故こんなへまな死なせ方をしたんだ?」はないでしょう?
すべて財前の指示に忠実に従ったがゆえに招いた結果なのに、さも自分は悪くないと言わんばかり・・・。
でも、それに対して言い返すことが出来ない柳原君に、またまた恐るべき縦社会を見た気が致します。
財前先生も自宅へ帰れば「くれない会」の集会で、ケイ子(黒木瞳)とワルシャワで別れては、他に行き場もなくて可哀想な気もするんだけどね。(苦笑)

それにしても、よし江が裁判を起こしたいと言い出した時、あの息子が力になってくれて良かったよね〜。
佐々木さんがまだ生きてた頃は、何だかやる気のない息子だなぁと心配だったんだけど、父親を亡くしてみて初めてしっかりしようと思ったのかな?
ちゃんとお母さんを支えてくれてて、目頭熱くなっちゃったよ。
それに何より感心したのは、よし江と息子が裁判を起こす事を決意してから、関口弁護士に会うまでの過程を、きちんと描いてくれた事。
たぶん、裁判なんて縁のない人が、急に裁判を起こすとなれば、どこに行って何をすればいいかわからないはず!
よし江たちもまず警察へ行っちゃったりしてたけど、そこで医師会館を紹介されて相談すると、医師会の息のかかった弁護士を紹介されて、最初から依頼を受けるつもりもない弁護士が1時間分の相談料だけちゃっかり取ってしまったり・・・。
きっと、こんなもんだろう・・・と思っちゃったよ。
関口弁護士が引き受けるに至ったまでが省略されちゃった感じはしたんだけど、病院に証拠保全の知らせが来たあたりはゾクゾクしちゃったなぁ。
そして、このドラマのお得意の手法である、ED前をぶっつり切っちゃうのも効果的!
関口弁護士が病院のエレベーターを降りて、さぁこれから・・・ってところで突然切られちゃったら、「あ〜ん!もうちょっと見せてーーー!」って思っちゃうもんね。(^^;ゞ
うん、第二部に入って面白くなってきたんじゃないでしょうか?

第13回
「カルテ改ざん」
脚本:井上由美子
演出:岩田和行

今週も叫ばせてーーー!
上川隆也、かっちょええーーーー!

なぜ、よし江(かたせ梨乃)の依頼を関口弁護士(上川隆也)が引き受けたのか、凄く気になってたんだけど、着手金で借金返済しようと思っていたとはね〜。
普通なら、「なんだよ!がっかりだよ!」と思うところが、関口弁護士のやったことだったら「弁護士だって、自分の生活あるものね。」と、ありえないほどの寛容な気持ちになってる自分が怖い。
人間の記憶が曖昧なら、感情も曖昧なものですわね。(^^;ゞ
でも、最初の証拠保全でやって来た関口の、やる気のなさがこれでわかったわ。
どうせ勝てない裁判だとわかってて、着手金目当てで引き受けた裁判だったからなのね。

関口弁護士に対して、浪速大学病院側にやってきた弁護士・国平(及川光博)も、いかにも・・・って感じでいいよね〜。
「記録の整理」と言い含めての、「カルテの改ざん」。
「事実の確認」どころか、捻じ曲げてる。

佐々木さんが必死に作ってきた着手金の200万、その中から無造作にアルバイト料を支払う関口に佐枝子(矢田亜希子)は違和感を感じ、後日、どうしても受け取れないと返しに来た。
この真面目で融通が利かない佐枝子がいたからこそ、関口は自分がやったことをおかしいと気付き、里見(江口洋介)と出会った事で、もう一度真剣に裁判に取り組む気持ちを持ったわけよね。
佐枝子が関口に「このまま佐々木さんと向き合わないなら、弁護士も最低です。」ときっぱり言い切ったのが泣けちゃったよ。

そして、二度目の証拠保全。
コピー機持込、カメラも持参・・・最初の時とは全く違う関口の姿勢。
やる気になった目つきが、またいいのよね〜♪(うっとり)
見事に書き換えられた佐々木さんのカルテ、関口弁護士がしっかり修正された「転移の初見なし」という記述に目を留めたのが、しびれる瞬間だったわ!
そして、ブラインドを開け、まぶしい日の光にカルテを透かして、カメラで証拠保全・・・と。( ̄ー ̄)ニヤリッ

今週もたくさん学んだ「白い巨塔」。
証拠保全は画像資料も漏れなく押さえましょう!
そして、ブラインドを閉じられたら要注意!(自分で開けてやれ!)
っつーか、これは弁護士さんのお仕事ですわね。(^^;ゞ
いや、知識がないよりあった方がいいわけで・・・。

財前(唐沢寿明)が母親(池内淳子)と電話で話していて、「高く上るほど、躓いた時の怪我が大きい」という母親に、「上る時は一気に上らなくちゃ」と言っていたのが、いかにも今の財前を表しているようで、何気ない会話でしたが重みを感じました。

とりあえずカミカワーズ的には、満足!満足!
着手金目当てで引き受けた裁判だろうが、最終的にやる気を出してくれればそれで許せてしまうところが、愛だろ?愛!(間違ってる?(^^;)

第14回
「母の涙」
脚本:井上由美子
演出:河野圭太

いよいよ裁判が始まりましたわね、奥様♪
法廷での関口弁護士(上川隆也)の、カッコいいこと・・・。
あまりにカッコよくて、わけもなく涙が出てしまいましたわ。(ToT)ウルウル
あんなに素敵な弁護士のいる法廷・・・傍聴してみたい。
いやいや、関口弁護士に弁護してもらいたい。
いえいえ、どうせなら厳しく責められてみたい。(危険)
あーーー、柳原君(伊藤英明)になりたいーーー!・・・と、ストーリーに関係ないところで、相当ハマっておりました。m(_ _)m

しかし、医療裁判って起こした側も大変なのね。
お金目当てだと思われるなんて、一番嫌な事だよね。
人の見る目って本当に恐ろしいとおもっちゃったわ。
弁当屋も再開したのに、お客さんに浪速大の関係者がいただけでキャンセルされちゃったり、シビアだよなぁ。

証人尋問が始まって、第1回は大河内教授(品川徹)と佃(片岡孝太郎)。
佃先生にビシバシ切り込む関口弁護士にうっとり♪
あのむさ苦しいひげ面も、ぼさぼさのヘアースタイルも、すべてが素敵♪
でも、どんな状況におかれても、いつも冷静な大河内教授も良かったよね。

第2回の尋問は柳原君とよし江(かたせ梨乃)。
柳原君が証言台へ立つ前に、ずっと悩んでいる姿が印象的だった。
彼はやはり心の奥底では、自分がもっと財前(唐沢寿明)に意見をしてれば・・・という気持ちがあるんだろうね。
医師としての考え方は、どちらかといえば里見(江口洋介)寄りな柳原君だけに、助かったかもしれない患者さんを助けられなかったという事実を重く受け止めているのでしょう。
悩んでいる柳原君に君子(西田尚美)が「そんなに苦しむなら本当の事を言えばいいじゃない。地方の病院に行くことになったら、私がついて行ってあげるから・・・。」って声をかけた時は、もしかして柳原君本当の事を言うのかな?と思ったけど、やはり浪速大に残る事を選んだのね。
というか、君子の「本当の事を言えばいいじゃない」って言葉を聞いた時点では、たぶん心が揺れたんだと思うけど、その後の「他の病院へ行く事になったら」で急に現実を突きつけられた気がしたんじゃないかな?
奨学金もらって一生懸命勉強して、浪速大学病院でここまでやってきたのに・・・と、田舎の両親の顔でも浮かんでしまったのかな?

訴えた患者側で証言する事を引き受けた里見の周辺も揺れてるよね。
本人の気持ちは固いようだけど、鵜飼教授(伊武雅刀)のプレッシャーはまだしも、妻・三知代(水野真紀)の懇願は辛いだろうなぁ。
里見は医者として医療の現場での嘘が許せない。
だけど、大学病院の一人の医者である里見が患者側で証言台に立つという事は、すなわち大学病院を追われる立場になるということ。
それだけで済めばまだマシで、医師として働く場所さえなくなるかもしれない。
生活は出来なくなり、間違いなく家族は苦労する。
医者としての信念を貫けば、家族は守れない・・・。
それでも里見は証言台に立つのか?
いやぁ、これは厳しい選択だ。

話は戻って、柳原君。
財前と打ち合わせた通りに、肺の影は認められたが、誰一人転移だとは思わなかったという証言をしてたね。
そのまますんなり終わるはずもなく、関口弁護士がきっちりあの修正液の訂正箇所を指摘し始めて・・・。
もう、しびれますわよね〜、奥様♪
訂正箇所を光で透かして撮影したものを見せて、「読んで下さい」って・・・。
明らかに動揺している柳原君に対して、弁護士としての突っ込みどころを逃さなかった関口弁護士の自信を持った態度が対照的で素晴らしい!
しかし、敵ながらアッパレなのが国平弁護士(及川光博)で、修正液で修正するのは普通だみたいなフォローを入れてるし・・・。
しかしね〜、「転移の疑いか?」って書いてあるのを、「転移の所見なし(だったっけ?)」に修正するってーのは、単なる書き間違いとは捉えにくいと思うのですが・・・。(^。^;)
カルテの改ざんではなく、単なる修正だったのか?と確かめるように問う関口弁護士の前で、弱気になった柳原君がどう答えるのか・・・。
うーん、次を早く見せてくれーーー!って感じですなぁ。(^^ゞポリポリ
私としては、柳原君の最後の良心に賭けたい!

予告では早速三知代がくれない会でいじめられてましたね。
ある意味、法廷に立ってるご本人たちより、その背後に控えているくれない会のような方々の方が、やりたい放題な分恐ろしい。(^^;
自分の妻がいじめられていると知っても、里見は証言をするのか?
単なる視聴者としては、「里見先生、証言してーーー!」なんだけど、もしも自分が三知代の立場だったら・・・と思うと、やはり証言台には立って欲しくないかもしれない。
しかし、里見が自分の立場と自分の家族を守ったら、佐々木さんの家族は間違いなく負けるでしょう。
そうなると、最初に佐々木さんを救えなかっただけでなく、今度は家族も救えないというわけで、それに里見が耐えられるとは思えない。
難しい選択だけど、里見が証言台に立てば、財前・里見・そして我らが関口弁護士と役者が揃うのですよね。
はぁ・・・そのシーンを考えただけでも、身震いしてしまいますわ。

第15回
「判決」
脚本:井上由美子
演出:村上正典

久々のくれない会に参った!(^。^;)
女の集団の恐ろしさ、大学病院で働く殿方よりその妻がいかに力を持っているかを、まざまざと見せ付けられたような気が致しました。m(_ _)m
鵜飼夫人(野川由美子)が電話で三知代(水野真紀)を食事に誘う。
「あたくしとお食事いたしません?」
おおおおおおお・・・・こわっ!
当然、二人きりのお食事会だと思って三知代が出かけると、出迎えたのは財前夫人の杏子(若村麻由美)。(゚ロ゚)ギョェ
奥へ進めば、ずばばばばーーーんと揃ったくれない会の奥様方!
「しまった!ハメられた!」と思うわね〜。。。゛(ノ><)ノ ヒィ
んで、白々しい泣きまねをする杏子を、鵜飼夫人をはじめとする奥様方が「大丈夫?」と支え、冷たい視線が三知代に投げかけられるわけですわ。(;_;)
「針のむしろ」とは、こういう状況を言うんですのね・・・。
そりゃ、三知代も里見(江口洋介)の証言をやめさせたくなるでしょうよ。
でも、仮に里見が証言するのをやめたとしても、くれない会という存在のある浪速大病院で今後も奥様方と付き合わなきゃならないと思うと、ここで関係を絶ついいチャンスとも言えるわけですが、そんなこと考える余裕もありませんわね。(^^;ゞ

話は冒頭へ戻りますが、柳原(伊藤英明)を追い詰める関口弁護士(上川隆也)が本当に素敵でしたわね。
助けを求めるように財前(唐沢寿明)を見ようとする柳原、その視線を阻むかのように彼と財前の間に移動して、自分の体で遮る関口。
自信なく「カルテの改ざんは・・・してません」と小さな声で言う柳原に、間髪いれず「聞こえません!」と返す関口。(うっとり)
今度は大きな声で、自分の不安を断ち切るように「カルテの改ざんなどしていません!」と柳原。
あぁ、柳原君・・・君は宣誓して証言台に立ったんじゃないのか・・・。

よし江(かたせ梨乃)に冷酷で嫌味な尋問をする国平(及川光博)も良かったんだけど、その尋問の様子を黙って厳しい表情で見つめている関口弁護士にハートが射抜かれっ放し!(^。^;)
あぁ、その目で見つめられたい♥
そして「お答え下さい」と問い詰められたい♥
はい、答えます・・・「あなたが好きです♥」(おバカさん(*^.^*)エヘッ)

脱線したところで、話を戻して・・・。(^。^;)
里見が証言するのを最後まで止めたかった三知代。
「あなたが行くんだったら、私も出て行きます。」とまで行ったのに、里見先生は行っちゃいましたね。
ここで行かなきゃ里見先生じゃないんだろうけど、やっぱ三知代としては辛かったと思うなぁ。
佐枝子(矢田亜希子)まで「もう一度考えてもらうために来ました。」って待ってるし・・・。
里見先生は出廷の時間が過ぎちゃって、内心焦ってたんじゃなかろうか?(^。^;)
しかし、こうやって遅れたおかげで、法廷的にはいいタイミングで里見が現れて、なかなか見応えありました。
財前が関口に「あなたに追加検査の必要性を指摘した人は、一人もいなかったのですか?」と聞かれている時に、まさにその必要性を指摘した里見先生が現れるんだもんなぁ。
それでも「いませんでした!」と言い切る財前。
それに対して、「私は真実を述べたいと思います。」と切り出した里見先生。
この対決、どうなるのか・・・関口弁護士の活躍も楽しみ♪

今回、里見先生と関口弁護士をずっと観察してたんだけど、上川さんの里見先生役というのもアリだったかなぁと思えてきちゃった。
そしたら第一部からずっと上川さんが出てるのを見ることができたのに・・・。(^^;ゞ
しかし、何度も言ってることだけど、第二部から登場した人物なのに、いいところを持っていくどころか、主役が霞むほどの活躍ぶり!
私が財前夫人なら、関口弁護士にあっさり乗りかえる事を考えてしまいそうですわ。(笑)

第16回
「妻たち」
脚本:井上由美子
演出:西谷弘

よく出るな〜、平泉成さん!(爆)
どのドラマでも出没してるような気がするわ。(^^;

里見(江口洋介)の「私が財前教授(唐沢寿明)と争いたいとしたら、それは永遠に治療の現場でありたいと思います。」って台詞は、実に里見先生らしくてよかったよ。
うーん、今回はわりと里見祭りだったような・・・。
関口弁護士(上川隆也)ファンとしては、ちょっと物足りなさもあったんだけど、里見が証言台に立った事で家を出ていた三知代(水野真紀)も、わりとあっさり戻って来てよかった、よかった・・・。(^。^;)ホッ!
裁判の判決は原告側の負け。
医療裁判の難しさをまざまざと見せ付けられた気がしましたが、簡単に控訴・・と行かないのももどかしかったな。
控訴すれば裁判の費用もかかるし、時間もかかる。
そして何より控訴するからには、次は勝てるという確かな手ごたえがなくてはならない。
鑑定医として証言した唐木(平泉成)の鑑定を覆すだけの医学的な証拠・・・唐木が妥当な証言をしているだけに難しいよね。
しかし、財前側が勝利しての祝宴の席に唐木がやってきたのは、「お前もか!」って感じだったわ。(^。^;)

里見は事実を証言したのに、その裁判で原告側は負けるし、自分は浪速大病院を追われるしで可哀想だよね。
ただ、出て行った三知代が戻ってきてくれた事だけは救いだと思うわ。
里見に抱きかかえられた息子の好彦(片岡涼)が、「ぎゅってしないの?」と三知代と里見をくっつけようとするところは、とっても微笑ましくて良かったんだけど、そんな幸せに包まれた家族がドアを閉めると、そこには佐枝子(矢田亜希子)に借りた赤い傘がポツリ・・・というのが、ちょっとせつない瞬間でした。

よし江(かたせ梨乃)は悲惨だね。
裁判に負けて、控訴したくてもそれは簡単なことではなくて、挙句の果てに従業員は有り金持って出て行っちゃうし・・・。
店を売っても控訴したいというよし江、大学を辞めてもいいから控訴したいと言う庸一(中村俊太)を前にして、関口弁護士もさらなるやる気が出たようですな。
はいはい、それを待ってました!
第二部は関口弁護士なしでは語れませんので・・・。(*^。^*)

控訴状を提出に行った関口弁護士の顔には、いつもの無精ひげがありませんでしたわ。
いやん、それはそれでカッコいいけど、ひげがなくなって気づく事もあったなぁ。
私はあの無精ひげな関口弁護士が好きだったんだわ〜♪
不精ひげ・・・・カムバーーーーーック!(笑)

第17回
「一年後」
脚本:井上由美子
演出:河野圭太

控訴状を提出するのに、さっぱりとそり落とした関口弁護士(上川隆也)のひげが、1年の間にまたまたのびて、いつもの無精ひげスタイルに戻っていくのに軽く満足。(満足するところではありません)
控訴したものの、一審で鑑定をした唐木(平泉成)は第一人者で、それを覆すような鑑定を引き受けてくれる医者はいない。
関口弁護士の疲労困憊ぶりをみると、やはり医療裁判の大変さを思い知りますわね。

浪速大を辞めた里見(江口洋介)の就職先を、大河内教授(品川徹)が見つけてくれていたのが良かったわ。
何のツテもなければ、再就職口なんてきっと見つからないわよね。
実直な里見が尊敬しているのが、この大河内教授だっていうのも納得できるわ。
いつも冷静かつ公正で、信頼できる人物よね・・・大河内教授って。
財前(唐沢寿明)は、千成病院で3年我慢したら新しく出来るがんセンターに呼び戻してやると里見に言ったけど、里見先生が「あぁ、ありがとう」って言うわけないじゃんね〜。(^。^;)
でも「君は必ず僕に泣きついてくる。なぜなら君は医者だからだ!」って財前の台詞が気になっちゃうんだよなぁ。
その絶対的な自信ってどこから来るんだか・・・。

んで、1年後・・・。
過労でボロボロになった関口弁護士が千成病院の里見を訪ねて来るんだけど、もうこれが本当にボロボロ状態で何故か笑っちゃったよ。(だから、笑うところじゃないってば!)
でも、里見が「過労・・・栄養状態も悪い・・・。」って言ってるのを聞いちゃったら、めちゃめちゃ母性本能がくすぐられちゃったわん♪
はぁ・・・・嫁にしてくれたら、せめて栄養状態ぐらいはよくしてあげられるのに。(無駄なため息)
里見は東(石坂浩二)へ協力を求めてはどうか?と関口に提案するんだけど、それを聞いて東と財前の確執を口にした関口に不安をおぼえてしまうのね。
里見が求めているのは真実を明らかにすること。
もちろん関口も同じ想いではあるけど、やはり彼の立場上、裁判に「勝つ」というところを考えているわけで・・・。

そして問題は柳原(伊藤英明)よ!
彼のどっちつかずな生き方は、じぇんじぇん改善されてないのねん。
正しい事をしたい・・・でも、縦社会で上には逆らえない・・・。
柳原よ!勇気を持て!
君が佐々木さんの事で悩んでいるその気持ちは、人間として間違いじゃないぞ!
あと一歩の勇気を君に授けよう!だから次の裁判ではこう言うの!
「カルテの改ざんは・・・・・ありました。」
弱い柳原の心を読むかのように、財前は柳原にお見合いをさせるのね。
その相手が野田華子(三浦理恵子)。
もうちょっと品のある女性はいなかったんでしょうか?
まぁ、杏子(若村麻由美)の女子大の後輩というのが、妙に納得できるような気もしたんですが・・。(^^;
女をあてがって、柳原に家庭を持たせて、守るべきものを作ってしまえ!という作戦なんだろうなぁ・・・。
うわぁ、ドロドロしてやがる!(爆)
柳原よ、よし江(かたせ梨乃)の弁当屋を覗きに行く気持ちがあるのなら、真実を証言するがいい!
っつーか、よし江さんにも物申す!
関口弁護士に弁当食わせてやってはくれませんか!(笑)
お宅の裁判で関口さんは過労と栄養失調なんですが、毎日余った弁当食わせてやっちゃ〜もらえませんか?(懇願)
頼むよ・・・関口弁護士の体が心配だ。(涙)

裁判への協力を一度は断わった東。
その東が里見を訪ねて来て、佐々木さんのオペを財前が急いでいた事がわかるのね。
東が教授を退官する日を狙っての、佐々木さんのオペ・・・。
その真実を知った東の「そんなことのために、患者一人死なせたのか・・・。」という言葉が、とってもとっても印象的だった。
財前をよくは思ってなくても、やはり心のどこかで自分の教え子、しかも外科医として一流の腕を持つ教え子として大切に思ってきただろうに・・・。
この事実で東の心が動くかもしれないわね。

第18回
「師動く」
脚本:井上由美子
演出:村上正典

東(石坂浩二)が東都大の正木教授を関口(上川隆也)に紹介。
一旦は引き受けてくれたのに、財前(唐沢寿明)の画策で証人の件も断わられちゃって、関口弁護士ピンチよね。
財前も金・女・地位と使えるものは何でも使って、何としてもこの裁判を勝ち抜こうって意識がすごいわ。
東の家にもやって来て、「教え子を足蹴にするのはやめて頂けませんか?」だよ!
恩師を踏み台にしてのし上がった男のくせに、よくもそんなことが言えたもんだわ!
さすがにその言葉を家の中で聞いてた東も立ち上がろうとしたけど、その一瞬先にすっくと立ち上がった関口弁護士のカッコいいこと♥
東の今の地位まで脅すような言い方は、ちょっと許せないね〜。>財前教授
でも財前がどんどん憎まれ役になってくれるほど、関口弁護士の真っ直ぐな生き方が引き立って来るのよ〜。
「3000人を助けても1人を死なせては許されない。それが命というものじゃないですか?」
聞きました?奥様!
くーーーー!あの人を真っ直ぐに見詰める視線で、こんな言葉を言われてごらんなさい!
私だったらひれ伏してしまいますわ。m(_ _)m

そして今週の野田華子(三浦理恵子)。←まるでそんなコーナーでもあるかのように。
あたくし、三浦理恵子がキャスティングされた理由が今週でわかりました!
華子って露出する女でしたのね。(笑)
柳原(伊藤英明)との会食で、上着を脱ぐと必要以上に露出度の高いお洋服。(^。^;)
純情な柳原なぞ、この時点で目のやり場に困ってますわ。(^.^)ホホホ
きっと、大汗かいてワインでもがぶ飲みしたんでしょうね。
べろんべろんになって華子に自分の部屋まで送り届けられると、そこには亀山君子(西田尚美)が・・・。┐('〜`;)┌
ヤケになった柳原は華子に襲い掛かるのでしたぁぁぁぁぁ!
な〜るほど!それで三浦理恵子・・・。(爆)
まんまと野田華子の術中にハマったと思われる柳原君ですが、君子は関口に証言台には立てないと連絡してるし、うーん、やっぱ柳原が真実を証言するしかないような・・・。
東は「財前君を勝たせてはならない!」と証人を引き受けたけど、なんと、財前側の証人として現れたのは船尾教授(中原丈雄)じゃないっすか!
ヾ(・・;)ォィォィ、どうなってんだ?

最後に水野真紀さん、「エースをねらえ」から二時間続けてのお茶出し、大変ご苦労様でした。m(_ _)m
里見(江口洋介)も佐枝子(矢田亜希子)からの手紙を家に持ち帰っちゃいかんよ!(^^;
三知代(水野真紀)に「見てください」って言ってる様なもんじゃん!
そういう配慮が出来ないところが、里見先生らしさなんでしょうけどね・・・。(^^;ゞ

財前の体調の変化も見受けられるようになって来たし、いよいよラストスパートって感じですわね。
最後まで穴の空くほど関口弁護士を見つめなくっちゃ!
ね!カミカワーズの皆さま♥

第19回
「嘘だ!真実の叫び」
脚本:井上由美子
演出:西谷弘 

うわーーーーー!これってテレビの連ドラですよね〜?
こんな迫力ある芝居見せられて、テレビの前でいい意味での震えがきましたわ。

東(石坂浩二)が証言に立ったことで、国平(及川光博)は当然ながら東と財前(唐沢寿明)の確執をついてきたよね。
でも東は確執は少なからずあったと認めた上で、財前の誤りは自分の誤りでもあると言い、今の職を辞してその責任を負うと言い切った!
そしてよし江(かたせ梨乃)たちに頭を下げる東。
いやぁ、潔い!
父親のそんな姿を見て、佐枝子(矢田亜希子)は思わず法廷を出て行ったけど、家族としてはそういうところ見てられなかったのかなぁ。
客観的に見ている側としては、一時は浪速大の教授で地位も名声もあった人が、患者の遺族に頭を下げるなんて行動を取れたことに感動すらおぼえたんだけど・・・。
しかし、又一(西田敏行)のぶつぶつ呟く突っ込みは面白いなぁ。(笑)
船尾証人(中原丈雄)に対する質問が見つからない関口弁護士(上川隆也)に向って、ぼそぼそっと言った「ないんかい!ひげ、剃れや〜・・・」って突っ込みはナイス!
又一にかかっては、里見先生(江口洋介)も「石頭」とか「でっかい、ずーたい」って表現だし・・・。(苦笑)
いい味出してるわ、又一さん。

控訴したものの、突破口が開けない関口弁護士はよし江たちの口から発せられた「私達が起こした裁判なのに、お医者さんが出てきて難しい事ばかり並べ立てて・・・。」という言葉でハッとするんだよね。
「僕は戦い方を間違っていたのかもしれません」
かーーーーーーっ!カッコいい!(壊)
戦略を間違っていたことに気付くのだって、依頼者の言葉をきちんと受け止めなきゃ出来ないことじゃん!
素晴らしい!関口弁護士!
何気ない言葉にも耳を傾け、そこで方向転換できる柔軟さが好き♥
(たぶん、上川さんだったら何でも許せるんやろうなぁ・・・σ(^_^;ワタシ?)

がん治療において大切なのは医者と患者が向き合い、よく話し合うこと。
財前の治療が正しかったのか?に争点が集中してたけど、実はそれより以前に「きちんと説明された上でのオペだったのか?」ってところが重要だという事を、里見と話しながら関口は確信したんだよね。
もう、あの「そうか、わかったぞ!」ってな目線とか、「やはり、こうなんだな」と確信したときの表情とか、最後までこの裁判で戦い負けない意気込みみたいなものが感じられて、本当に見てて震えがきちゃうのよ。(病気?(^。^;))
あぁ、あんまりカッコよくて・・・妊娠しそうだわ。(爆)

関口弁護士の中で、新たな戦い方が見つけられた後の裁判。
なんと傍聴席にやって来た財前の母親(池内淳子)。
それを見た財前はケイ子(黒木瞳)に連れ出してくれるよう目配せするんだけど、やはり母親の前でしらっと嘘をつき通す自信はなかったのかもしれないわね。
関口が提案した対質尋問。
財前とよし江が同時に尋問を受けるものだそうですわ。
ここでも立て板に水のごとく、ペラペラと喋り続ける財前に「人の死は結果論で片付けられるものでしょうか?」と切り込む関口がカッコいい。
(とりあえず、何でもカッコいいらしい♥)
そしてうまく引き出したよ、重要な証言を・・・。
佐々木さんにもオペ以外の選択肢があったこと。
それを引き出して「してやったり」な顔をした関口弁護士が、オペ以外の選択肢があったことの説明を受けたかどうかよし江に問い、それがなかった事を聞いた上で「これは医師の怠慢ではないでしょうか!」という厳しい言葉と冷たい視線を投げかけるわけだ!
きゃーーーーー♥カッコイイ♥
傍聴席にいたら、失神してそう♥

ところが、ところが!
財前ったら、しばし考え込んで「思い出しました」と言い出した内容は・・・。
柳原(伊藤英明)に佐々木さんへの細かな説明を頼んだと・・・。
オペの同意書が自分のところに回ってきたことで、佐々木さんが納得した上での同意書だと判断したと・・・。
つまり、そこで同意してなかったとすれば、柳原の説明が悪い・・・みたいな。
はっきり言って、ヤナに全部かぶってもらおうって魂胆じゃん!
ひどいーーーーーーー!ひどいぞーーーーーー!
苦しくなったら柳原に押し付けて、自分は生き延びようってか?

さすがにヤナも我慢できなくなって、傍聴席から「今の証言は嘘です!カルテの改ざんもありました!偽証罪に問われても構いません!」って叫び続けてたね〜。
当然です!
ここで真実を言わずにどうする?ってんだ!
華子(三浦理恵子)とそういう仲になったことだって、華子→杏子(若村麻由美)→財前って風に筒抜けなのに、そんな女を嫁にしたってスパイと一緒に暮らしてるようなもんじゃん!
すべて捨ててやれーーーーー!>柳原

傍聴席に亀山さん(西田尚美)がいた事が印象的だった。
財前は母親を遠ざけたことで嘘をつき通そうとし、柳原は側に亀山さんがいた事が少なからず最後に叫ぶ勇気になったような気がする。

あと2話か・・・。
しかし見終わった後、どっと疲れるドラマだこと。(^。^;)
主要な面子はもちろん上手いけど、石坂浩二のいい感じに「老い」を感じさせる芝居や、又一の「ちゃちゃ」の入れ方と、細かいところまで見どころたっぷり。
そして妙に感心したのが財前の咳。
意外と咳をする芝居ってわざとらしくなりがちなんだけど、めちゃめちゃ自然な咳で唐沢君うまいなぁと感心してしまった。(^^ゞ
2クールもやってるのに、ぜんぜん長く感じない。
それどころか、やはり第二部に入って加速してきた感じがする。
このまま一気にラストまで・・・関口弁護士とともに駆け抜けたいですわ。←やっぱ、そこなのね!

第20回
「最後の審判」
脚本:井上由美子
演出:河野圭太

傍聴席からたまらず立ち上がって喋り出した柳原(伊藤英明)。
関口(上川隆也)は柳原に証言をさせようとしたのに、裁判官に却下されてしまう。
ところが、ここで亀山君子(西田尚美)だよ!
「今からでも遅くないでしょうか?」
待ってたよーーー!亀山さん!
しかし、裁判って本当に証拠が大切だよね。
カンファレンス記録も柳原がコピー取る前に、財前(唐沢寿明)側が持ち出してるし、シュレッダーかけられちゃね。(^。^;)
亀山さんが証人として証言しても、「証拠がない」で片付けられちゃって・・・。
でも、そこで関口弁護士よ〜♥
こうなることはある程度予測してたんでしょうね、カンファレンス記録がないなら、亀山さん自身が記録した看護計画検討記録なるものを証拠として提出。
そこには財前が他の選択肢を示さず、助かりたかったら切るしかないと告げた事が記録されてるんだもんなぁ。
そういうものがあってよかったよ。(^。^;)ホッ!

里見(江口洋介)も今回は実に彼らしくて良かったと思う。
裁判では何度でも真実を証言すると言いつつ、一方ではもし財前が負けたらどうなるのか?と心配してるし・・・。
「私は財前からメスを奪うかもしれないんですね。」と関口に言うのなんて、ぐっときちゃった。
やっぱ里見と財前は良くも悪くも切っても切れない縁があるんだよね。
ライバルというのとも違うし、友人とも違う・・・だけど、この二人の間には強く繋がっているものを感じてしまうんだよなぁ。
そんな里見先生の証言で、佐々木さんにオペ以外の選択肢を説明しなかった事に触れ、佐々木さんの死は遅かれ早かれ免れるものではなかっただろうけど、「心の準備のないひと月と覚悟の1年は違う。」と言ったのが重かった。
患者さん自身もその患者の周囲の人々も、残された時間の過ごし方は納得して選びたいものね。
納得するためには医者の説明は大切・・・その説明を怠ったことは、やはり医師として許されることではないんだよね。
裁判が始まってからどんどん話が専門的で難しい方向へ言ってしまってたけど、よし江(かたせ梨乃)たちが望んでいたのは、財前にもっときちんと佐々木さんを診て欲しかった、患者ときちんと向き合って欲しかったということなんだもんなぁ。
それを里見先生は一番理解していたのかもしれないし、医者とはそうあるべきだと日々思っていたわけで・・・。
財前は腕の良い外科医だったかもしれないけど、良い医者だったかというと・・・。

そして判決。
よし江さん側の勝訴が伝えられた時のよし江さんの笑顔、そして関口の安堵の表情。
判決が読み上げられて、泣けちゃったよ。(・・,)グスン
見ているこちらまでホッとしたところで、倒れる財前!
肺がんという検査結果が出たけど、その執刀を浪速大の先生ではなく東(石坂浩二)に頼みたいという財前の気持ちが何ともね〜。
それだけ信頼していた東のことを、自分が教授になりたいがために踏みつけたのかと思うと、地位や名誉に固執してしまったことが哀れでならないわ。
里見が東に財前のオペの執刀を頼みに行ってくれたのも、やはり二人の間にある強い繋がりを感じたし、それを承諾してくれた東にも自分が育てた財前を想う気持ちが見えて嬉しかった。

ただ、佐枝子さん(矢田亜希子)の里見への告白は正直嫌だったなぁ。(^^;
里見先生も相手を傷つけないようにとの配慮もあってか、「あなたは三知代(水野真紀)の友人です。」って・・・。(^^;
優しいのはわかるけど、奥さんの事を思うならもっとはっきり断わってほしかったなぁ。
優しさって、ちょっと罪ね。(笑)

さてさて、財前のオペですが、開いたところで東が「え?」って感じの驚きの表情を見せてましたが・・・オペ不可能な状況だったのかしら?
第二部は完璧に関口弁護士に集中して見ていた私ですが、今回はやはり財前と里見という主軸に惹き付けられました。
最終回、どんなシメになるのかしら?
なかなか見応えのあるドラマだっただけに、終わってしまう事への寂しささえ感じてしまいます。

最終回
「最終回」
脚本:井上由美子
演出:西谷弘

第二部に入って裁判がメインとなり関口弁護士(上川隆也)がこのドラマをかっさらったかのように思っていたわりには、最終回はきっちり主役にスポットがあたり・・・。

財前(唐沢寿明)の肺がんは胸膜全体に広がっていて、東(石坂浩二)は開いた胸を閉じるしかなかった。
手の施しようがないというのが、これほど辛いとは・・・。
告知に関しても東は伝えるべきだと言ったのに、又一(西田敏行)は告知しないと言い張り、それに同調する鵜飼(伊武雅刀)。
いやぁ、最終回を見て鵜飼が一番どうしようもない奴でしたわね。
鵜飼夫人(野川由美子)も含めて・・・。

オペは成功したと聞かされていた財前だけど、自分に投与される薬に疑問を抱いたり、麻痺を起こしている自分の右手をおかしいと感じたり、さすが医師ですな。
そんな財前が自分のカルテを探しに行くんだけど、そこには何も異常はない!ってな感じの記載がされてて・・・。
かつて裁判で勝つために佐々木さんのカルテを改ざんしたのに、今は自分のカルテに嘘が書かれていて、財前はどう感じただろう?
逃れられない運命みたいなものを感じただろうか?

キレ者の財前だから、自分で自分の病状は察しただろうけど、最後の最後に里見(江口洋介)に診断を頼んだのも、この二人の切っても切れない結びつきを感じさせるエピでよかったと思う。
東も告知すべきと言っていたように、里見もまた診断結果を正直に話して聞かせるんだよね。(・・,)グスン
余命は長くて3ヶ月・・・。
「無念だ」という財前の言葉に重みがありました。
里見だって無念だったと思う。
財前とは医者としての生き方は全く違ったけど、お互いに相手を一番理解していたんだもの。
理解しているからこそ考え方の違いに反発もしただろうけど、お互いが自分の道を進むために欠かせない存在だったのかもしれないわね。

財前が又一にもらったライターを返したのも、「もうタバコは吸えません」と言ってたけど、本当はもう又一の期待にはそえないという意味だろうし、そんな細かいことまでが死を覚悟した者のする事として見ると痛々しかった。
財前の術後の担当から離れたがる佃(片岡孝太郎)たちや、がんセンターの事しか考えてない鵜飼教授、そしてまだ夫が死ぬとは知らない杏子(若村麻由美)に「精一杯しておあげなさいね」なんて言ってしまう鵜飼夫人の冷たさ。
財前がどれほどの医者であろうと、どれだけの地位や権力があろうと、結局は大学病院の中での勢力争いの中のたったひとつのコマだったに過ぎない。
それでも彼は少しでも高いところを目指した。
その「高いところ」とは一体どこだったのか?
何のために目指したのか?

意識がなかった財前が里見が来たと聞かされて目を開ける。
混乱する意識の中で、彼が佐々木さんの事を思い出していたのが印象的だった。
多少なりとも財前の中で、佐々木さんの手術や術後の診察に関する後悔があったんだろう。
うわ言で自分ががんセンターのセンター長だから、佐々木さんが入院できるようにしてやると言ってたのも泣けちゃったよ。
そして最後の涙。
いろんな意味のある涙だったと思う。

財前が里見に残した手紙・・・震える文字で最後の力を振り絞ってまで、里見に伝えたかったのだと思うと、これまた辛い。
大河内教授(品川徹)に病理解剖をお願いしたい。
自分を里見の研究材料に・・・。
地位や権力に縛られているように見受けられた財前も、余計な部分をそぎ落とせば1人の医師だったという事をあらためて知ったような気がした手紙の内容。
そして自分ががん治療の第一人者でありながら、早期発見できず死んでいくことを心から恥じるという結びの言葉。
どこまでもプライドの高い財前らしかった。

私の大好きな関口弁護士の出番は予想通りほとんどありませんでしたが(・・,)グスン、このドラマの最終回としてはこれで満足ですわ。
ただ、もうちょっと最後の財前をじっくり見たかった気もします。
最終回の延長・・・1時間半でも良かったかな?(^^ゞ

特別版
脚本:井上由美子
演出:村上正典

よくあるパターンの総集編だった。(苦笑)
総集編に気持ちだけ新しいエピを加えて、このドラマを楽しみいしていた視聴者に送るダイジェスト版白い巨塔ってとこでしょうか?
最初からそのつもりでいましたので、別にそれでいいんですけどね・・・。
こうやって総集編を見てみると、すでに第一部の話なんて「そうそう、あったな〜」と懐かしく思ってしまったりして。(^^;ゞ
そして、佐々木さんが亡くなってからの一気に加速するような展開が、やはり面白かったんだなぁ・・・と思いました。

それにしても、総集編になると財前(唐沢寿明)と里見(江口洋介)ばっかですね。(笑)
いや、もちろん主役なんですから、そうあるべきだとは思いますが、第二部をあれだけ盛り上げた関口弁護士(上川隆也)の出番の少ないこと・・・。(^^;
それでも私は自分に言い聞かせてましたよ。
「脇役だったんだし、総集編にしちゃったら出番は少なくても無理ない」と。
でもさぁ、野田華子(三浦理恵子)登場のシーンを入れるんだったら、代わりに関口弁護士をもう1シーン増やして欲しかったわよ。
総集編でまで野田華子は見たくないっちゅーの!

んで、今回追加されたエピはその後の柳原(伊藤英明)が、浪速大でどうしているか?ってところ。
5年前に財前のオペを受けた斉藤さん(島かおり)という女性に定期健診で癌の再発が見つかり、その告知を柳原が任されるのよ。
夫にも先立たれ、子供もいない斉藤さんにどう告知をすべきかと迷う柳原。
ありのままを伝えると、やはり取り乱してしまう斉藤さん。
抗がん剤による治療も、痛みを和らげるだけのケアも、どちらも選べない。
わかるような気がした。
突然、癌の再発を告げられ、相談する人もいなくて、二つの選択肢のうちどちらを選びますか?と聞かれても即答できるはずがない!
そんな斉藤さんに「気持ちが和らぐまでお話をしましょう」と言ってあげられるまでに成長していた柳原。
結局、斉藤さんは抗がん剤による治療で1日でも長く生きる事を選んだ。
柳原が言ってたように、私も身寄りのない斉藤さんがその選択をするとは思わなかったけど、やはり告知してもらって、それを自分なりに受け止めて、そして納得した上で自分の生き方を決めるというのは理想ではあるな。
ただ、冷静に受け止められるかというところが、一番難しいんだと思うけど。
最先端の医療も大切だけど、そこからこぼれた者を救う医療も大切だという里見先生。
まさに財前が目指したものと、里見が進んだ道の違いだったりするんだけど、その両方どちらが欠けても成り立たないと思うと、財前が志半ばで倒れたことを残念に思う。
「無念だ」という財前の言葉は、いつまでも胸に残る一言・・・。
斉藤さんが納得した決断をするまで向き合う事を怠らなかった柳原は、まるで里見先生のようだったけど、彼が目指しているのは最先端医療でもあるのでしょう。
財前と里見が二人で手を伸ばした高いところに、柳原先生が届くといいね。

総集編ですから、こんなもんでしょう。(^^;
カミカワーズにとっては、「もっと関口弁護士、出さんかい!」ってなもんでしたけどね。(^^;ゞ

 

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