恋する京都

チーフP:小見山佳典

主題歌:神野美伽 ♪「恋する京都」

第1回
「京にんじんは恋の味」
脚本:伴一彦
演出:笠浦友愛

NHKのドラマって本当に風景が美しいんですけど、今回は舞台が京都というだけあって更にいい感じです。

京都の芸妓・志乃(鶴田真由)は夫を交通事故で亡くし、一人娘の晶(村崎真彩)と父親の耕造(犬塚弘)と一緒に実家の写真館で暮らしている。
志乃は恋する男女に「かまい」二人の恋を成就させる事で、自分も幸せのおすそ分けを頂くというのを楽しみにしている女性。
志乃がかまう男女の恋の行く末や、志乃自身の恋を描いていくドラマ。

晶役の子役さんが、嫌味のない上手さでいいわ。
ロミオとジュリエットを学校でやるからって練習するんだけど、台詞がすべて京都弁。(笑)
それが「ロミオさん、ロミオさん、あなたに家を捨てて欲しいんどす。」みたいな感じで笑えちゃうのよね。

初回の男女は大学で研究をしている立花(豊原功輔)と老舗の人形店の一人娘・恭子(雛形あきこ)。
オーストラリアへの留学話が立花に持ち上がって、恭子にプロポーズしたんだけど断わられ・・・そこで志乃が二人に「かまい」・・・。
お互いを思うあまり、立花は留学を諦めようとしたり、恭子も好きな人形作りより彼を選ぼうとしたり・・・。
そこで志乃が「離れていても強い心があれば・・」と遠距離恋愛を勧めて、二人はそれを受け入れたってわけね。

私も関西方面に住んでいた時期があったんですが、本当にいい意味で人を「かまう」土地柄なんですよね。(恋愛に限らず)
京都の美しい景色、京野菜、はんなりとした京言葉(これは多少?と思うところもあったけど)が楽しめるNHKらしいドラマだと思いました。

志乃と京野菜を作っている圭吾(村上淳)の恋も、これからやわやわと始まるのね・・・と思ったら、初回でいきなりキスしちゃってましたわ。(^^;
「裏月9」と言われるNHKのこの枠ですが、見終わったあと心が洗い流されたような気がします。
さら〜っと美しい京都に触れてみるのも良いのでは・・・。

第2回
「私、京おんなになりたい!」
脚本:伴一彦
演出:笠浦友愛

今回は高子(鈴木紗理奈)という女の子の登場。
バーで働く後藤(村田充)という男に恋をした高子は、同じく後藤にお熱の舞妓・桃香(北川智子)にライバル心を抱き、京女になる事を決意。
それで志乃(鶴田真由)に弟子入りするんだけど、結局はありのままの高子がいいってことに志乃も気付くわけよね。
京野菜を作ってる圭吾(村上淳)が、「野菜も人間もありのままが一番いい!」って言うところなんか、素直に納得しちゃったなぁ。
今回はお寺の「大根(だいこ)だき」が出てきたけど、京野菜と京都での恋がうま〜く結びついてて、じんわりと心に染み入るいいドラマだと思ったわ。
大根に味がしみこむように、京都の風景やそこで始まる小さな恋が視聴者の心にもしみこんでくるわけですなぁ。(うっとり)

圭吾が説明してくれる京野菜の話も、志乃の幸せのおすそ分けを頂く仕草も、芸妓の間に伝わる風習みたいなものも、すーっと心に入ってくるんだよね〜。
全く難しくなく、本当にすーーーーっと。
今回も高子の京女修行の中で、志乃がさらっと教えた「お客さんが来ない時は、四つ筋に立って誰にも見られずにしゃもじでおいで、おいでをする」というのが、後半あんなに活きてくるとは思ってなくて・・・。
大根だきに招待した後藤が現れず、高子がお寺を走って出て行った後、何をするかと思ったら、四つ筋でのおいで、おいで・・・。(涙)
いやぁ、泣けました。(・・,)グスン
せつなかったなぁ・・・。

後藤が言ってた牧場の息子だという話も嘘、単なる大阪のフリーター、そして勤めていた店もクビになったと知っても、高子はありのままの後藤が好きだと言った。
その気持ちが可愛かった。

先週キスしちゃった圭吾と志乃の間での、「あれは間違い」「間違いと言ったのが間違い」というようなやり取りが面白かった。
圭吾は志乃のことを好きになってしまったのに、志乃はやはり死んだ太郎(永澤俊矢)が忘れられない。
恋敵が亡くなったご主人というのが、これまたせつないんですよね。

第3回
「鹿ケ谷かぼちゃは
初恋のときめき」
脚本:伴一彦
演出:谷口卓敬

今週もじわ〜っと涙するような、いい雰囲気のドラマでした。
50年前に京都でお世話になった「ハルオさん」を探してやって来た菊さん(淡島千景)。
ハルオさんに鹿ケ谷かぼちゃの焼き物をもらって、「これを作っている」と言われたことだけが手がかり。
それで焼き物を作ってる人を探すんだけど、これが実は野菜の鹿ケ谷かぼちゃを作っていた圭吾(村上淳)のおじいさんだったというじゃない!
晶(村崎真彩)たちが菊さんの証言をもとに作った「ハルオさん」の似顔絵・・・めちゃめちゃ圭吾にそっくりで、私はひと目見て「圭吾やん!」と思ったのに、志乃(鶴田真由)が「どこかで見たなぁ・・・」なんて言ってるのがもどかしかったわよ。(笑)

ハルオさんが自分の亡くなったおじいさんだと知った圭吾は、その事を伝えるべきだと志乃に言うんだけど、志乃は思い出を壊す事になるのでは・・・と怖がるんだよね。
ここらへんも菊さんの話でありながら、亡くなった太郎(永澤俊矢)を思い続ける志乃のこととかぶってたりして、圭吾が放つ言葉のひとつひとつがせつなくなっちゃうんだよね〜。
「死んだもんは死んだもんとして受け入れるのが大切」
「今を生きる」
それは志乃に向けての言葉・・・。
圭吾の一途な想いと、志乃が太郎を忘れられずにいる気持ちが、どちらもわかるだけに胸がきゅんとしちゃうんだよね。

クリスマスの日、サンタ姿で現れた圭吾からの菊さんへのプレゼントは、本物の鹿ケ谷かぼちゃともうひとつ。
50年前に菊がハルオさんに渡した紙人形のついた「しおり」。
この「しおり」をハルオさんは農作業ノートにはさんで大切に持っていたという事実。
何よりも大事にしている畑の農作物を育てるためのノート、その大切なものに大切にはさまれた「しおり」って、ハルオさんにとってどんな物だったかわかるものね。
いやぁ、今回も泣けましたわ。
菊さんが鹿ケ谷かぼちゃの焼き物を大切に持ち続けたように、ハルオさんも「しおり」を持ち続けていたわけで、二人はそれ以来会うことはなかったかもしれないけど、気持ちは繋がっていたってことですなぁ。

その後、菊さんからの手紙で新しいときめきを見つけたらしいことが綴ってあるのもよかった。
思い出だけにしがみついて生きるのではなく、思い出は大切に・・・、でも「今を生きる」ことも大切にしている素敵な生き方。
そんな菊さんに出会った事で、志乃さんも圭吾に対して一歩踏み出す勇気が持てたようで、こちらも何より。
こういうのを見ると「生きてる」って事の素晴らしさに気付かされる。
いくつになっても、生きていれば新たな発見、新たな希望って必ず見つかるものなんだよね。
また、それを自分で探す気持ちがないといけないなぁ・・・と、真剣に思ったりもしましたわ。

第4回
「八坂の塔で
恋のデュエット」
脚本:伴一彦
演出:谷口卓敬

今回は晶(村崎真彩)の同級生・秀輝(小阪風真)の母親・良美(愛華みれ)が恋をする事を通して、同じ母親という立場の志乃(鶴田真由)も「母親は恋をしてはいけないのか」ということについて悩むという内容。
離婚して京都に帰ってきた良美が東京の男性と恋をしている事で、もしも二人が結婚したら秀輝も東京へ?、そう思うととたんに寂しくなる晶。
小さな恋心が芽生えてたんだね〜。
学芸会でやるロミオとジュリエットのお芝居で、キスシーンがあるのに出来ない。
子供ながら相手を意識するあまり出来ないという晶の気持ちが、何とも微笑ましくてかわいらしくて・・・でも、どことなくせつなくて。

離婚してるんだから、良美も志乃も誰かに恋をしても全く問題ないんだけど、やはりそこで「子供」という存在が気になってしまうんだよね。
特に息子を持つ良美の場合は、息子が母を取られたくないという気持ちがわかるだけに、自分の恋を諦めようとしてしまうのかもしれない。
こういう立場に立ったことがないから何とも言えないけど、何となく良美や志乃が悩んでる気持ちはわかる。
でも、「子供は恋人とは別の特別な存在」というのが、本当に一番ふさわしい表現かもしれないね。
子供は子供、恋人とどちらが大切かなんて比べられないもの。
それが秀輝にも伝わって、「ママにふさわしいかどうか見極めたる!」となったのは、嬉しかったなぁ。
子供だって親の幸せを願ってるんだよね。小学生でも・・・さ。
晶だって志乃が圭吾(村上淳)を好きなこと、ちゃんと気付いてたし・・・。
親は子供の事を「まだまだ子供」と思って見てるけど、そんな子供は親が思うよりもっと速いスピードで成長していってるんだなぁ、なんて少し寂しくも感じたりして。
晶ちゃんが言った「ママ、恋を楽しんで!」に対して、「へぇ、おおきに。」と答える志乃さんが可愛かった。

そして学芸会。
いやぁ、この京都弁のロミオとジュリエット、全編拝見したかったわ〜。(笑)
晶の「ロミオさん、ロミオさん、なんでロミオさんやのん?」という台詞回しが最高に面白い!
そして問題のキスシーン。
秀輝が遠くへ行ってしまうかもしれないと思う晶の、初めてで本気のキス♪
見ている志乃さんが「いやぁ♪」って感じでビックリするのとか、みんなが口を大きくあけてるのとかが笑えたけど、お子ちゃま同士のキスなのに何だか心が温かくなったんだよね〜。
まさに幸せのおすそ分けを頂いた気分でした♪

結局、良美の恋もこれから続いていきそうで、秀輝の転校もなさそうで・・。
清水の舞台から飛び降りる覚悟での晶のキスは「返してよ〜」ってなことになってたけどね。(笑)

うま〜く収まったようで、最後の最後に出て来た圭吾ともめてるような女性は何なんだ?
せっかく志乃さんと圭吾も結ばれそうだったのに・・・。

最終回
「恋のオバケは福の神」
脚本:伴一彦
演出:笠浦友愛

圭吾(村上淳)の周りに現れた女性は、妹の奈緒子(松尾れい子)だったのね。(^。^;)ホッ!
元カノとかじゃなくてよかったけど、圭吾は京都に来る前にイタリアンのシェフをしていて、奈緒子は連れ戻しに来たらしい。
志乃(鶴田真由)とせっかくうまくいってるのに、こんな時に何でーーー!だわ。

父親(大杉漣)と話し合って必ず京都に戻ってくると、一旦東京へ行った圭吾。
彼がいない間、芸妓の仕事を休んでまで彼が大切にしてた畑を守り、野菜を売りに歩く志乃さん。
奥ゆかしいけど芯の強い京女って感じ。
京都へ戻ってくると言っていた圭吾が、やはり父親を放っておけなくて東京で店を継ぐ決心をするんだけど、東京へ出て来た志乃に自分の側にいてほしいと言うと、志乃さんは断わってしまうんだよね。
圭吾のことは好きだけど、京都で圭吾が大切にしていた畑や野菜を守りたい、圭吾が大切にしてきた人々と関わって生きて行きたい・・・。
「うち、あなたを守っていきたい。そうさせておくれやす。」
近くで寄り添うだけが恋じゃなく、離れていても気持ちの繋がりを大切に、ずっとずっと相手を想っていられる自信がないと言えない言葉だけど、志乃さんのゆるぎない気持ちは伝わってきたわ。
だからこそ、圭吾もそれに納得したんだろうね。

でもこのまま遠距離恋愛だったら、やっぱちょっと寂しいかな?と思ってたら、節分の日に京都に戻って来てくれて良かった。
圭吾のお父さんもわざとクビにしてくれるあたりが、イキだよね。
京都の節分での「オバケ」という風習で、白雪姫に扮している志乃さんの前に現れた圭吾は本当に白雪姫を迎えに来た王子様だったわ。
ラストのシーンも、京都の風景をバックに志乃と圭吾のキスシーン・・・かと思いきや、それを晶ちゃん(村崎真彩)がこっそり見ていて「幸せのおすそ分け」を頂くなんて、最後まで手抜かりなし!って感じでした。(^^)//゛゛゛パチパチ
風景も人の心も美しくて、すーーーっと心に染み入るようなドラマでした。
NHKはこういうのが本当にうまいですよね。

 

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