ブラックジャックによろしく
〜涙のがん病棟編〜

脚本:後藤法子
演出:平野俊一

連続ドラマだった時の斉藤先生(妻夫木聡)からすれば、少しは成長が見られるようで、何もできないのにあがいてるだけの研修医から、同じあがくにしても、どうしなければならないかと考えられるようになってたように感じました。

今回のSPは癌患者と向き合う医者が描かれていただけに、内容も複雑だったなぁ。
告知のあり方、治療方針、そして患者の選択、知る権利・・・。
そういう事のひとつひとつに、明確な答えが出せるわけもなく、医者によっても癌という病気に対する考え方が、宇佐美(石橋貴明)と庄司(阿部寛)のように正反対だったりもするわけで、そんな中、研修医の斉藤や出久根(加藤浩次)は指導医が誰かによっても、患者に対する接し方が変わってくるわけだよね。

今回、がん患者のまどか(伊東美咲)を担当した出久根が、患者である彼女に恋愛感情を抱き、「枯れていくだけの花は嫌」だと言う彼女のために病室の窓から見える位置にチューリップを植えたりするんだけど、正直言って出久根がまどかに恋心を抱く経緯みたいなものがあんまり伝わって来なくて、まどかの最期も妙にクサく感じてしまった。

そして一番納得できなかったのが、タカさんだよ!(^^;
始まる前から嫌な予感はしてたんだけど、予感的中!
やっぱ、動きも台詞もカタイ!カタイ!
どうして、ああガチガチになってしまうんでしょう?
鶴瓶さんにしても、加藤君にしても、お笑いの面々はなかなかの演技をしてると思うんだけど、そんな中、タカさんだけはどうもコント状態・・・。
これはいただけなかったわ。

今回、一番泣けたのは、途中で高砂(笑福亭鶴瓶)が斉藤に「さっき生まれた赤ん坊が死んだんや。」と語るシーン。
生まれてすぐに管を通され、お尻をパンパン叩かれて、どうして欲しいとも言えずに死んでいった赤ん坊を思って、高砂が一瞬やりきれなさを斉藤に話すシーンなんだけど、ここはじ〜んとしちゃったよ。
それに対して、斉藤は斉藤で癌が再発した事を隠されている辻本さん(薬師丸ひろ子)を思い、自分の本当の病状を知らなくては、どうして欲しい、何がして欲しいと医者に告げることも出来ないのでは・・・と考えるわけで、高砂先生の言葉をきっかけに斉藤がアクションを起こすのは良かったと思う。

そして病院へ向う坂道にある赤いポストは効果的に使われてましたね。
坂道にある赤いポストを目指して、「自転車であそこまで足をつかずに行けたら・・・」と斉藤が目標にしていたポストが、ある日突然撤去され・・・そして、また新しいポストが数日後に設置される。
目標がなくなった時、何を目指して進めばいいのかわからなくなるけど、新たな目標が出来る事で、また進むことができるようになる。
ここらへんは良かったような・・・。

全体的にまずまずな印象で見てたんだけど、一気に冷めちゃったのは辻本さんが息子の入学式の日に救急車で運ばれてきた時なんだなぁ。
何で、旦那(梨本謙次郎)と息子は入学式に出てるのさ!
普通、あの状況なら入学式はパスするでしょ?
全く真実味がなくて、ここで一気に引いてしまいました。m(_ _)m
最終的には、辻本さんはもう一度、斉藤の待つ永大病院に戻ったわけだけど、それで希望が見えるかと言えば、そうでもないような・・・。
何とも言えない雰囲気のまま、平井堅のお歌に酔いしれて終わっていった気がしますが・・・。(^^;
約2時間半のドラマを、飽きずに最後まで見れたという点においては、まずまずでしょうか。

 

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