妻の卒業式

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主題歌:「また逢う日まで」 尾崎紀世彦

第1回
「別れてくれないか?」
脚本:田渕久美子
演出:遠藤理史

結婚25年目の夫婦に訪れた離婚の危機。
妻・恭子(岡江久美子)は自分の事をごくごく普通に幸せな主婦だと思っていたのに、娘・里香子(高野志穂)の結婚が決まった途端、夫・隆之(三宅裕司)に「別れてくれないか?」と言われ・・・。
いやぁ、何も予期してない時に夫が切り出す別れなんて、どんなものなんでしょうね?
何となくお互いに溝を感じるようになり、その溝が埋められないほど深くなってしまった事に気付き、離婚を決意・・・というのならわかる気がするけど、長年連れ添った夫婦でありながら夫が別れを切り出すまで、妻はその片鱗に気付きもしないんですから・・・。

しかも一旦は「冗談だった」と「別れてくれないか?」という言葉を取り下げたかのように見えたのに、その翌日には酒に酔って帰宅し、もう一度「別れてくれないか?」でしょ?(^。^;)
余計キツイっちゅーの!
娘の結婚が決まって安心したと同時に、自分の人生について考えたと隆之。
「生き直したい」「リセットしたい」「一人になって考えたい」
何となくだけど隆之が言わんとするところもわかる。
会社ではリストラを宣告する人事部長だし、ストレスもあったでしょう。
リストラされる方も辛いけど、する方も楽しい仕事じゃないし・・・。
ただ、隆之の場合、仕事のストレスだけが「別れてくれないか?」という言葉に繋がったんじゃなくて、それが原因のひとつには違いないんだろうけど、すべてではないって感じなんだよね〜。

恭子が「私は何?何なわけ?」と言った気持ちもよくわかる。
呑気な専業主婦のようで、自分は自分なりに家族を支えてきたと思っているのでしょう。
夫がそんな事を言い出す理由がさっぱり理解できないというのも、辛いもんだろうなぁ。
離婚なんて認めないと言ってたし・・・。

こういう場合、普通は夫と妻のどちらか一方に感情移入しそうなんだけど、私は両者それぞれに「なるほどなぁ」と思う部分があった。
最近は熟年離婚も増加しているらしいし、こういうのって実は身近な問題だったりするのかもしれないな。
これからどんな風に話が転がっていくのかわからないけど、韓国料理屋のパクさん(パク・トンハ)も絡んでくるのかしら?
子供が成長して、完璧に親の手を離れた時、二人っきりの世界に戻った夫婦のあり方みたいなものも見えてくるのかな?
テーマも興味深いし、とりあえず見続けてみようと思います。

第2回
「絶対、別れません!」
脚本:田渕久美子
演出:遠藤理史

隆之(三宅裕司)に「別れてくれ」と言われた翌朝、娘の里香子(高野志穂)からは「彼の両親に会ってほしい」と言われ、複雑な恭子(岡江久美子)。
何だかね〜、隆之は恭子に別れを切り出した事で「俺は生きているんだ」と実感できたと話しているし、恭子は突然の夫の言葉に戸惑うばかりだし・・・。
夫はすっきり、でも妻はどんより・・・って感じよね。(^。^;)

そんな中、隆之に回されてきたリストラ候補者のリストに、同期で友人でもある吉山(モト冬樹)の名前が・・・。
普段から社内の人をリストラするという辛い仕事をしているのに、今度はその対象が友人の吉山・・・しかも吉山は今回の離婚話も相談しているほどの仲だというのに、隆之も一層苦しい立場だよね?
そんな事があって疲れて帰って来たところに、恭子はもう一度やり直すべく、きちんと化粧をして隆之の好みのものを作って待ち構えているわけだ!
あーーー、タイミングが悪すぎる!
こうやって傍から見ているから、夫と妻の気持ちが微妙にズレていくのがよくわかるんだけど、当事者はきっと気付かぬうちに・・・で、溝が深まったと思った時はすでに手遅れって感じなんだろうな。
「反省したの。やり直したい。何か方法はない?」と言う恭子に、「疲れてるんだ」と言ってしまう隆之。
ここでも「実は今度、吉山をリストラしなきゃならなくなって・・・俺も辛いんだ」みたいな一言があれば、それはそれで恭子も隆之の気持ちを察することが出来たのかもしれない。
でも、何故疲れているかを言わずに一言で片付けられると、恭子としては一度は自分が折れようと思った気持ちもどこへやら・・・なのかもしれない。
「話し合う事も出来ないの?」とキレる気持ちも、同じ「妻」の立場としては理解できるんだけどね〜、隆之のこともわかって見ていると妻の味方ばかりも出来ないんだよなぁ。
その上、「今夜は里香子、帰らないって!」と隆之の胸に顔を埋めてみても、「そんな気にはなれないんだ」でしょ?
うーん、辛いね〜。(^。^;)

韓国料理のお店のパクさん(パク・トンハ)が自分の事を気にしてると思っていたけど、それも勘違いで彼のフィアンセを紹介されて「あなたは私の母に似ている」なんて言われちゃ〜、もうすべてが情けなくなって泣き出した恭子の気持ちも・・・うん、わかる。
自分って結局、何なのよ!って思っちゃうよね。

さんざん考えて、離婚届にサインをし隆之に渡した恭子。
条件は里香子の結婚までは夫婦でいることと、自分が要求した金額をもらう事。
ところが、その金額を見て「これは出来ない」と言い出した隆之。
なんと、今度は今月いっぱいで会社を退職すると言い出した!
恭子にしてみれば、一大決心で離婚の決意をしたのに、その前に退職なんて「はぁ?」だよね。(苦笑)
おまけに、そのやり取りを里香子に聞かれちゃって・・・。(^^;

いやぁ、何だか年代のせいなんでしょうか?
ウラ月9にハマっちゃいましたわ。(^^ゞ
こうやって一組の夫婦を客観的に見る事で、自分達を見直すことにもなるかもしれませんわね。(^.^)ホホホ

第3回
「仕事を下さい!」
脚本:田渕久美子
演出:中島由貴

「私がいない間に二人でよく考えて」と里香子(高野志穂)は時子(淡路恵子)の家へと出て行って1週間後、隆之(三宅裕司)は会社を辞めた。
退職した隆之が1日中家にいる状況に、次第にイライラする恭子(岡江久美子)。
いやぁ、まだ経験がないからわからないけど、恭子の気持ちがわかるような気がしたなぁ。
1日夫が家にいて、3食を共にし、目に付くところにいつもウロウロしてる。
子育てが一段落して以来、専業主婦として自分だけの時間を持っていた恭子に、この状況は辛いでしょう。
しかも、隆之には突然離婚を切り出された経緯があるものね〜。
勝手に離婚を切り出して、勝手に退職してきて・・・なのに、当たり前のように3食ご飯を家で食べて、自分のしたいことをしている隆之。
そんな自分勝手な男を、ずっと見ているなんて我慢がならないかも・・・。

そんな中で、里香子には「お母さんはお父さんを愛してなかった。ただ給料を持ってきてもらえばよかったのよ。」みたいな事を言われて、自分が離婚したかったわけでもないのに、娘には自分が悪者のように扱われ、ついカッとなってしまう恭子。
うわ〜、これもわかる、わかるって感じ。
やっぱ、私も妻とか母とかの立場だからかなぁ・・・恭子の気持ちがよくわかるのよね。
娘に悪者扱いされて、家に戻ると隆之が散らかした台所が目に付いて・・・。
あぁ、ここで恭子がキレるのもすごくわかるぅ!
でも恭子がキレた事で、隆之が家事をするようになっちゃうのよね。
それがさぁ、これまた男の人にありがちなんだけど、ちょっと家事をやり出すと意外と徹底的にやっちゃうんだよね。(ーー;)
そうなると恭子の仕事を奪ってしまう事になるわけで、家の中に恭子の居場所がなくなってしまうわけよ。
「主婦の仕事を奪われたら、一体私には何が残るんだろう?」という恭子の焦りが、25年前に働いていた会社に「雇って欲しい」と言いに行くまでにさせるんだろうな。
日雇いという条件で雇ってもらったものの、25年というブランクと自分が当時より年老いた現実と直面し、「主婦が思いつきで出来る仕事じゃない!」と一言で片付けられ・・・。
これも言い知れないショックだよね。

帰りの遅い恭子に差し入れを持ってきた隆之。
だけど、隆之の顔を見るなり「何しに来たのよ!」と怒りをぶつけ、そして泣いて・・・。
前クールの「アットホーム・ダッド」もそうだったけど、夫が妻の立場を経験する事で理解を示し、妻が夫と同じように外で働く事で、社会に出て働く事の大変さを理解するってわけ。
いずれ離婚をするという事は変わってないみたいだけど、何だか隆之と恭子は理解を深めたような雰囲気の中で、里香子が結婚をやめると言い出して・・・。(苦笑)
毎回、毎回、最後に「どうして、そうなるの?」って展開になるのが面白い!

さすがウラ月9!
題材が身近なせいか、本家月9よりこちらの方がハマってしまいます。

第4回
「離婚は罪なの?」
脚本:田渕久美子
演出:田中正

隆之(三宅裕司)が突然離婚を切り出し、恭子(岡江久美子)が悩みながらもそれに応じる形で落ち着いて、今度はその事で娘の里香子(高野志穂)が悩み出し・・・。
里香子の両親に離婚の話があると知った洋介(山田純大)の母・悦子(沢田亜矢子)は大騒ぎ。
まぁ、確かにこれから結婚する子の親が離婚なんて、「あぁ、そうですか」では済まないと思うけど・・・。(^^;

ここまで来て離婚すると言い出した両親を目の当たりにして、結婚がどういうものかわからなくなった里香子。
そんな里香子に「結婚してないんだから、わからなくて当たり前」という時子(淡路恵子)のカッコいい事・・・。
わからないからこそ、自分の両親がどうなるのかを見て来いと里香子を家に戻す時子。
正しく孫を育てるおばあちゃんだよね。
厳しいけど絶対に「おばあちゃんがいてくれて良かった」って感謝できるような・・・。
いいなぁ、時子さん。

隆之、必死に古いたんすを直してたと思ったら、そういう道に進む事を考え付いたのね。
職業訓練校に通って技術を見につけるつもりだと。
そして、恭子が自立するための手伝いもするといって、「これまで本当にすまなかった。そして、ありがとう」と頭を下げる隆之。
夫のこういうところを見ちゃったら、長年連れ添った夫婦だけにぐっと来るものがあるよなぁ。
隆之は人生をリセットしてみたい、やり直してみたいと言っていたけど、「離婚」なんて思い切った事を言い出した事で、まさに「リセット」された状態だよね。
そんな隆之を見る恭子の目も、何だか穏やかですべてを理解してるみたいだし・・・。

そこへ乱入してきた悦子が「自分の人生を見つめなおしたいという理由で離婚するなんて、バカバカしい。思い留まってほしい。」と言うと、恭子が「そうは思わない。夫を認めている。」と断言!
いやぁ、もうそこまで隆之を信頼してるなら、離婚せずとも・・・って気もするんだけどね。(^^;ゞ

結婚25年、銀婚式だということを忘れていた恭子。
里香子たちが用意してくれたシャンパンを隆之が開ける横で、サインした離婚届を見つめる恭子。
ほらほら・・・もう離婚はやめましょうって言うよね?・・・と思ったら。
あ〜ら、どうしてそうなるの?(笑)
「私たちの離婚・・・里香子たちの結婚式と同じ日にしましょう。」だって!( ;^^)ヘ..
毎回、ラストが意外なことになって驚かされるわ〜。
やっぱ、離婚の決意は変わらないのね。
でも、離婚して関係がよくなるのかもしれない。
そういう形も・・・きっとアリだよね?

最終回
「また逢う日まで」
脚本:田渕久美子
演出:中島由貴

娘・里香子(高野志穂)の結婚式を、自分達の離婚の日と決めた隆之(三宅裕司)と恭子(岡江久美子)。
里香子は結婚、隆之は家具作りを基礎から学ぼうと飛騨高山行きを決め、恭子は自分の進むべき道を考える。
そこで思いついたのが、韓国料理店で自分を癒してくれたあのスープ。
自分が一杯のスープで癒された事を思い出し、今度はそれを人に提供できるように仕事にしたいと思うわけだね〜。
長年、専業主婦としてお料理の腕は磨いてきたんだし・・・。
でも、ここで「そうだ!スープのお店をやろう!」と思いついて、あっさり離婚後にお店をOPEN!なんて話だったら、「そううまく行くかいな!」と突っ込む気満々だったんだけど、やっぱそこはNHKのドラマ・・・きちんとしてましたわ。(^^;

離婚をお互いが決意してからも、何度となく「(離婚を)やめようかなぁ」という気持ちが心の中にあるのが伝わってきて、そこらへんもリアリティあったわ。
でも、「やめようかな」のタイミングが夫婦でぴったり合わないとダメなんだよね。
隆之が「やめようかな」と思う時は恭子が離婚に前向きで、恭子が「やめようかな」の時は隆之にその気がない。
結局、すれ違ってしまったんだよね。

里香子の結婚式が終わって、二人とも式に出たそのままの服装で離婚届と出しに行くのが、笑えるようなせつないような・・・。
里香子が出て行って、隆之もいなくなって・・・今まで家族がみんなで暮らしていた家にたった一人残された恭子。
一人でケーキを食べながら、わけもなく泣けてくる・・・という恭子のシーンは、経験もないのに共感して泣けてしまった。(涙)
やっぱ、寂しいよね。

そして、1年後・・・里香子が子供を産んだ事で再会した隆之と恭子。
孫の顔を見ただけで別れていくのかと思ったら、隆之が「どうかな?お茶でも・・・。」と誘い、恭子が「そうね」と答えて、二人並んで街を歩く。
何かが原因ですれ違ってしまい、離婚という選択をした夫婦だけど、一旦別れた事でリセットされて、いい関係が築けるようになればいいよな・・・と思わせるエンディング。
1年経っても恭子は韓国料理店で手伝いをしてるというのも、現実的で納得がいきました。
個人的には、やっぱ本家月9よりウラ月9をお薦めしたい。(^^;ゞ

 

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