世界の中心で、愛をさけぶ

原作:片山恭一 世界の中心で、愛をさけぶ
P:石丸彰彦
潤色:坂本裕二・伊藤ちひろ・行定勲
主題歌:♪かたちあるもの 柴咲コウ
「世界の中心で、愛をさけぶ」オリジナルサウンドトラック

第1回
脚本:森下佳子
演出:堤幸彦

ドラマが始まる前の番宣番組を偶然見てしまったんだけど、その番宣の方が泣きそうになったなぁ。( ;^^)ヘ..
そこでちょっと期待しちゃったからかもしれないけど、思ったよりも初回がもたついて感じてしまいました。
原作は柴咲コウの「泣きながら一気に読みました」という帯につられて購入し読んだ。
しかし平井堅も飛行機の中で読んで号泣したという原作で、私は泣かなかった。
ただ、原作に描かれた部分だけでなく、そこから話を膨らませる事ができそうな印象は受けた。
映画は観ていないが、森山未來の「助けてください!」というあのシーンを使ったスポットで泣きそうになり、その後原作を読み返した時に同じ場面で森山未來を思い出し涙ぐんだ私。(^^;ゞ

初回は17年前の朔太郎(山田孝之)が学校の先生の葬儀で突然降り出した雨の中、弔辞を読む亜紀(綾瀬はるか)に傘をさし掛けた事から、徐々に二人の間に芽生えていく清らかな恋心ってところでしょうか。
今時、高校生の恋愛を描いていても結構内容がどぎつかったりするものだけど、17年前に遡った話とはいえ、朔太郎と亜紀の純粋さが本当に繊細で・・・。
何だか大人が守ってやらなきゃ・・・って気になりますわね。

そして大人になった朔太郎を演じるのが緒形直人。
亜紀を失った喪失感から抜け出せず、17年経っても苦しんでいる。
高校生の朔太郎が経験した出来事と、大人になった朔太郎が背負っているものが、これからどんどん繋がっていくのでしょう。
初回だけの評価はできませんわ。(^^;ゞ
ただ、全体的に台詞が聞き取りにくかったように思うのですが・・・気のせい?(^^;
個人的には緒形直人に期待!
そして今後にも大いに期待!
だけど、初回は思ったよりも「あら?」って感じだったのは否めません。
原作を読んだ者としては、原作に肉付けされた部分にも注目してしまうなぁ。

第2回
脚本:森下佳子
演出:堤幸彦

謙太郎(仲代達矢)の朔太郎(山田孝之)への頼みは・・・かつて好きだった人の墓から骨を盗んできて欲しいというもの。
そして、自分が死んだ時その人の骨と自分の骨を混ぜてまいて欲しい。
突然、こんな事を高校生の朔太郎が頼まれたって頷けるはずもないんだけど、朔太郎の気持ちが変わったのは、目の前で安浦(田中圭)が亜紀(綾瀬はるか)の唇を奪うのを見てしまったから。
大好きな人を持っていかれることの悔しさを知って、謙太郎が今もなお思いを寄せる女性への気持ちを叶える手伝いをしたくなったのかもしれない。
大木君(田中幸太朗)が朔太郎にした突然のキスも良かったよ〜。
いや、男同士のキスが良かったってわけじゃないけど、その後の「何の意味があんのよ!こんなキスに!」って台詞が良かったなぁ。

愛する人のお墓から骨を盗み出し、粉のようになった骨を愛しそうに触り、拳の中に握りしめ、そっと自分の頬に当てて幸せそうな顔をする謙太郎。
いやぁ、この時の仲代さんはぐっと来た!
もうこの世にはいないその人を感じる事が出来るのが「骨」で、その骨をあれだけ愛しそうに触れるところに変わらぬ愛情を感じたりして・・・。

何だかこのドラマって、じわじわ〜っと後で感情の波が押し寄せる気がするわ。

いつも誰かのために頑張ってばかりだった亜紀が、朔太郎に「そのままでいい」と言われた事で涙した気持ちも理解できた。
理解できたからこそ、じ〜んと来ちゃった。
いざキスしようとすると体が逃げる亜紀に拒む理由を尋ねると「口内炎が3つも出来てるの」と言い、その言葉が終わるか終わらぬかのところで強引にキスした朔太郎。
亜紀が秘密の場所として大切にしているあじさいの咲く丘でのキスシーンは、映像的にも美しかった。
あじさいって花がまたいいわね〜。
華美でなく、慎ましやかで・・・。
しかし、現在の朔太郎(緒形直人)が同じ場所を訪れた時、以前はピンクだったあじさいが一面ブルーのあじさいに変わってるというのが、何ともせつなかったよ〜。(・・,)グスン
時の流れ、土壌の変化・・・それらが亜紀がいない事を証明しているようで。

さてさて、謙太郎は死んでしまうようだね。
朔太郎に託した愛する人の骨・・・もう安心しちゃったのかしら?
謙太郎との約束を朔太郎は守る事ができるのだろうか?

第3回
脚本:森下佳子
演出:石井康晴

謙太郎(仲代達矢)は愛する人の骨を手に入れて、自分が死んだ後の事を強引に朔太郎(山田孝之)に頼んで、安心して亡くなったのだろうか?
おじいちゃんが死んだというのに、葬儀の後も何故か元気な朔太郎。
そんなサクを心配する亜紀(綾瀬はるか)。

おじいちゃんとおじいちゃんが愛した女性の骨を混ぜて撒くという約束を実行しようとするが、撒く場所を探すうちに怖くなって・・・。
そこで亜紀に「骨をなくした」と嘘をついてしまうサク。
なくした骨を雨の中必死で探す亜紀も、亜紀が一人で夜の学校を探していると知って駆けつけたサクも、心がキレイな若者ですなぁ。
本当は怖くなって骨を隠してたと正直にサクが打ち明けても、亜紀は怒るでもなく「よかった・・・あって。」と微笑むだけ。

一人で自転車に乗ったサクがペダルの軽さに気付き、そこで大好きだったおじいちゃんを失った事を実感するあたりは、胸が苦しくなってしまった。
まさに喪失感なんだよね。
大切な人を失ったという事実を、その人の葬儀や火葬された骨で感じるのではなく、いつもそこに存在していたのに、今はいないというのを実感として感じるのが、サクの場合、ペダルの軽さだったわけで・・・。
そこで初めて涙があふれるという現実、失ったものが自分の中でいかに大きかったかという認識。
涙とともにあふれて来るのは、おじいちゃんの思い出で・・・。
そんなサクに「私、太るよ。おじいちゃんと同じぐらいになって、後ろに乗るよ。」と言い、かつて謙太郎が幼い朔太郎に向ってそうしたように、両手を大きく広げて優しく微笑む亜紀。
その大きく、温かく、優しい両手に包まれるサク。
亜紀がマリア様みたいに見えました。
現在の朔太郎(緒形直人)が明希(桜井幸子)に抱きしめてもらって、何とも言えない表情で泣いているのも、ぐっと来ちゃったな。(・・,)グスン

おじいちゃんと女性の骨は、かつておじいちゃんが出征した駅で撒かれました。
風を待っている間ではなく、亜紀がサクに話しかけ、サクが答える瞬間に突然の風でふわっと・・・。
あの風もおじいちゃんの優しさだと思いたい。
サクがいつまでもこの件で悩まないように、最後はサクが気付かぬうちに一瞬の風に乗って空中へ・・・。

謙太郎を失った喪失感は、亜紀が埋めてくれるかもしれない。
だけど、その亜紀を失ったら朔太郎は・・・と思うと、本当に苦しくなりますね。
亜紀の鼻血は、いよいよ来たか・・・って感じですが、その先がまた見どころだったりするんだよなぁ。(複雑)

第4回
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗

大木(田中幸太朗)は東京にいる彼女と連絡が取れず、噂ではよろしくない仕事をしているらしい彼女が心配で、密かに東京へ行き彼女と暮らす計画を立てる。

うーん、あのシーンでブルーハーツはどうじゃろか?
黙って東京へ行ってしまう大木を追って、亜紀(綾瀬はるか)が智世(本仮屋ユイカ)に「大木君に走ってるとこ、見せに行こう!」と駅へ急ぐ・・・というシーンで、「リンダリンダ〜♪」は正直ずっこけた。(^^;
素直に柴咲コウの主題歌を流すか、もしくは尾崎豊あたりならせつなさが出てよかったと思うんだけど・・・。
先週、予告で見た時は電車の中で泣いてる大木君とホームを走る智世で泣けそうな気がしたんだけど、そこまでのブルーハーツのミスマッチで泣けなかったわ。(^^;ゞ

陸上の予選会を抜け出してしまった亜紀を、何とか予選に間に合わせたくて朔太郎(山田孝之)が自転車の後ろに亜紀を乗せて必死で急ぐところも、もう一歩のところで間に合わなかった亜紀を走らせてやってほしいと係員に頼むところも、朔太郎らしくて良かった。
だけど、何気に良かったのは矢田部先生(松下由樹)だよなぁ。
亜紀のスタートの練習に朔太郎が付き合ってた時は、朔太郎の自転車にホイッスルをかけておいて、予選会で走れなかった時はストップウォッチを置いてくれてた。
何だかそういう見守り方っていいよね。
予選会終了後、朔太郎の前でたった一人走った亜紀は自己ベストを出した。
「12秒91は誰も知らない僕たちの公式記録だ」・・・いやぁ、これで一気に泣きました。

そして今でも亜紀を忘れられない朔太郎(緒形直人)の泣き顔と、矢田部先生の「あんたたちのことは私が覚えてるから・・・安心して忘れなさい。」という台詞も(ToT)ウルウルした。
うーん、だけど・・・毎回最後はいいんだけどね、そこまでがちょっとダラダラしちゃうんだよなぁ。
原作の小説もあまり長いストーリーじゃないし、これを連ドラでやっちゃうと間がもたない感じ。
話を膨らませながら間延びした感じがなくなれば、もっと良くなりそうなんだけどなぁ。

第5回
脚本:森下佳子
演出:堤幸彦

大木君(田中幸太朗)、彼女には新しい男がいたとかで、あっさり戻ってきちゃったよ。(^^;
先週のあの涙は何だったんだ?ってな感じもしますが、とりあえず今回は亜紀(綾瀬はるか)との幸せな頃を朔太郎(緒形直人)が思い出すところから・・・。

亜紀は発熱、病院でも内出血、立ちくらみ、鼻血など気になる症状から血液検査をされ、本人も自分は何か病気じゃないかと心配し始めるわけよね。
そんな時、持ち上がった夢島という無人島へキャンプに行く話。
智世(本仮屋ユイカ)、ボウズ(柄本佑)が行けなくなり、大木・サク(山田孝之)・そして再検査をパスして無理して参加を決めた亜紀の3人で夢島へ。

まさに幸せな時間だったね。
大木君が気を利かせて、無人島に二人きりにしてくれて・・・。
夢島で語ったこと、タイムポストのこと、二人で見た蛍の乱舞・・・すべて忘れられない思い出だよね。
蛍を見ながら、亜紀が涙ぐんで「幸せだなぁ、私。もう、何かあるんじゃないかと思っちゃうよ。」と言うところは、病院から再検査の呼び出しがあった事も考えて、不安な気持ちを隠せなかったんだろうなぁ。
無人島にサクと二人っきりで、こんなに美しい蛍を見ることができて、すごく幸せを感じる反面、そのしっぺ返しが怖い・・・みたいな。

大木君が翌日迎えに来て船で帰る直前、亜紀はついに倒れてしまった。
はぁ、いよいよ来たか・・・と思うと、だんだん悲しくなってきちゃったよ。(・・,)グスン

そして朔太郎の話を聞いてあげてた明希(桜井幸子)が、きっと亜紀が録音したテープをタイムポストに入れたと思うよと朔太郎に告げ、夢島へ渡ってみると本当にあったね〜、テープが。
しかも、傾いたタイムポストの下を探す朔太郎のポケットから、亜紀の骨を入れてる瓶が転がり落ちて、その瓶が止まった先にテープがあるんだもん。
まるで17年前の亜紀が「ここよ」と呼んだみたいだったわ。
17年前の亜紀の声を、17年後に聞く朔太郎。
「亜紀の声はボロボロだった」という一言で、(ToT)ウルウル。
そして「時が戻っていく。亜紀をボロボロにしたのは自分だと責め続けたあの頃へ。」というナレーションに涙。
次回からは涙倍増でしょう。
ティッシュの箱、タオルなどお手元においてご覧下さい。m(_ _)m

第6回
脚本:森下佳子
演出:堤幸彦

亜紀(綾瀬はるか)を搬送するため到着した救急車のありえないターン!(爆)
あれは、ちょっと突っ込んじゃうよなぁ。(・・;)

ま、冒頭、救急車でちょいと笑わせられたものの、あとは亜紀が入院した事、亜紀の病名が急性白血病だとわかった事、サク(山田孝之)が亜紀に会えないことなど、せつなかったわ〜。
亜紀の父・真(三浦友和)、亜紀がサクに聞いてもらうために録音したテープを綾子(手塚理美)から取り上げたりしたけど、サクを憎む事でしか立っていられなかったという複雑な心境をあらわにしたあたりから、かなり心が揺さぶられてきて・・・。

サクも自分が出来る事を一生懸命やろうと思って、「どすこいロミオとジュリエット」の演出に全力を注いだり・・・。
亜紀の病室で智世(本仮屋ユイカ)たちが「どすこい・・・」を見せてあげてる時も、一人外で待ってるしね。
でも、今回は本当に「父」たちにヤラれたなぁ。
真と潤一郎(高橋克実)の対面・・・ここ結構じ〜んとしたよ。
無人島での亜紀の写真を持って現れた潤一郎が、「お嬢さん、とてもいい顔をしてるんです。見てあげて下さい。」と真に写真を渡して去っていくさり気なさ。
その写真に写った亜紀の笑顔・笑顔・笑顔・・・を見て、真もサクが亜紀にとって大切な存在である事に気付いたんだろうね。
「4階の一番端の部屋だ。」と教えて去っていくのが、良かったわ。

久々に会えた亜紀とサク。
自分が泣いたら亜紀が思いっきり泣けないんじゃないかと気遣って、涙を堪えて亜紀を抱きしめたサクの男らしさ。
亜紀に「サクちゃん」と何度も呼ばせ、久々に亜紀が自分の名前を呼ぶ声を噛み締めるサク。
いやぁ、良かったですわ。

亜紀の健気さには毎回の事ながら胸を打たれますわね。
吐き気があっても、病気が良くなっていると信じて食事を取ろうとする頑張りやの亜紀。
友達の前では笑顔を絶やさない亜紀。
そんな亜紀がサクの前で涙したのは、サクに対して素直でいられることの表れでもあり・・・。

最後に亜紀が病院で出会ったマスクの患者は?
亜紀と同じ薬を使っていたようで、今後同じ病気の患者という事で、亜紀と仲良くなったりするのかしら?
でも、その患者さんが亡くなったりしたら、亜紀は辛いんだろうな。

第7回
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗

自分と同じ薬を点滴している真島(鳥羽潤)と知り合った亜紀(綾瀬はるか)。
真島は亜紀が「再生不良性貧血」という病名だと聞かされているのを察して、白血病の自分とは違うとごまかしていたけど、亜紀はお見舞いに来たサク(山田孝之)にかまをかけて・・・。
「私、白血病なんだって。ゆうべ先生に聞いちゃった。」
そう言われて、純粋なサクはかまをかけられたとは思わず、結果として認める形になってしまったんだよね。
「ごめん、騙した」と謝る亜紀、でもそれに対して怒る事もできないし・・・。
それでも亜紀は頑張って耐えていたと思う。
外泊許可をもらったからって久々に登校しても、周りは修学旅行の話で盛り上がってて一人ぽつんとしてるし・・・。
ああいう光景って見ていて辛いなぁ。(・・,)グスン
そういうのをサクが見逃さなかったのは嬉しかったけど。
午後から学校を抜け出して、サクの家で洗濯物をたたんだり(靴下のたたみ方は笑ったけど)、サクの母・富子(大島さと子)の手伝いをしたり、一緒に夕飯を食べたり・・・。
いつも明るく元気な富子の前で、亜紀が自分は白血病だと告げた時の富子の反応に泣けちゃったよ。
「何であんたが(白血病に)なんなきゃいけないんだよ」と涙を必死で堪えて、それでも亜紀に「大丈夫だからね」と強気で励ます富子。
実に富子らしい反応で、思わずもらい泣きだった。

だけど真島の突然の死で、亜紀はショックを受けてしまったんだよね。
治療を拒否して死を迎えた事で、やっと病室を出られたんだと話す真島の母親。
同じ病気の真島の突然の死は、亜紀が受け入れるにはあまりに突然で大きすぎる。
これからは亜紀自身にも苦しい病状が出てくるのでしょう。
それをサクが支えてほしいけど、サクにとっても背負うものが大きすぎるんだよね。

最後に出てきた現代の朔太郎(緒形直人)。
一樹(仲條友彪)が朔太郎を訪ねてきて、「サクがいないと僕とママは困るんだ。僕の事嫌いになった?」という小さな子供の必死の訴え。
誰かが自分を必要としているという事を実感する事で、朔太郎がこの長く続く明けない夜から抜け出せればいいな。
何かを失う事は何かを得る事・・・その言葉を朔太郎は噛み締めているところかもしれない。
「好きだよ、一樹」と優しく一樹を抱きしめる朔太郎に涙。

第8回
脚本:森下佳子
演出:石井康晴

今日は泣いたよ〜〜〜。(涙)

オーストラリアへの修学旅行へ行かないつもりだったサク(山田孝之)。
アボリジニの聖地ウルル、世界のへそ、世界の中心という意味のウルルに行ってみたいという亜紀に、「下見のつもりで写真いっぱい撮って来てよ」と言われ、しぶしぶ行く事に・・・。
修学旅行へ行っている間に、もしも亜紀の身に何か起きたら・・・それがサクの一番の不安だったんだけど、オーストラリアでカメラの電池が切れた事からその不安が抑えきれなくなっていく様子が痛々しかった。
現に亜紀は倒れたりしてたし・・・。
サクが取り乱して、スケちゃん(田中幸太朗)たちの前で、亜紀が白血病だと言ってしまったのも、今まで必死で自分の中に抱え込んでいたものが抑えきれなくなった一面のようで・・・。
サクは亜紀に頼まれたから、たくさん写真を撮りたいんだけど、ファインダーを覗くとそこには必ず近代的な建物があって、亜紀が望む風景はそんなものじゃないと思うとシャッターが押せないんだよね。
んで、唯一撮った写真が世界のへそから見た空の写真。(涙)
サクはこの空を亜紀に見せたい、亜紀と一緒に見たいと思ったんだろう。

日本へ戻ったサクを待っていたのは、突然の亜紀からの「もう来ないで」というテープ。
綾子(手塚理美)も亜紀のことだけで精一杯なはずなのに、サクの悲しみにも気付いて話を聞いてあげてるのがすごい。
亜紀が話の相槌で「うん」というのと綾子の「うん」が似ていて、話しながらボロボロ泣いてしまうサクをみて、一緒に(ToT)ウルウルしちゃったわ。
あと、亜紀が弱気になって「子供とか無理っぽいよね。でも、お母さんはいてね。お母さんだからいてね。」と言うところ。(涙)
さすがの綾子も堪えきれずに亜紀を抱きしめながら泣いてる姿には参った!
それに亜紀が白血病だと聞いて、日本へ戻ってお百度参りしてるボウズ(柄本佑)たちにも泣けちゃったよ。
原作ではこんなに頻繁には出てこなかったけど、スケちゃんがサクを「おまえさん」と呼ぶのが、何だかとってもいいんだよね。
そんなスケちゃんがサクに言った「明日死ぬとしたら何がしたい?」の一言で、サクはテープを持って亜紀に会いに行った。
そこには嫌いなものランキング・・・1位は「(自転車の)後ろに乗ると言ったのに約束を守らない廣瀬亜紀」。
そして、それに続いた言葉が「・・・以上のみ。あとは好き。全部好き。」(・・,)グスン
今まで「好き」と言われた事がないと言っていた亜紀に、サクは亜紀を「好き」な気持ちを伝えた。
婚姻届を出して「俺を幸せにして」。キスする二人。(泣)
心というものがどんなに大切かを見せ付けられた気がした。
テープに録音された言葉、たった一枚の写真、そういうものにどれだけ心が詰まっているか・・・。

最後に現代の朔太郎(緒形直人)が明希(桜井幸子)や一樹(仲條友彪)と家族写真におさまるのは良かったよ。
朔太郎の笑顔・・・初めて見たような気がする。

第9回
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗

年齢の関係で婚姻届が出せないなら、せめて写真を撮ろうと提案したサク(山田孝之)。
この写真にまつわるエピも良かった。(涙)
真(三浦友和)が潤一郎(高橋克実)に頼みに行くところとか、亜紀(綾瀬はるか)のドレス調達ばかりを気にして、自分の準備を忘れているサクを見抜き、衣装を準備してあげてるスケちゃん(田中幸太朗)たちとか・・・。
まさか父親が自らサクのお父さんに頼んでいるとは知らず、写真を撮る事をテープで真に打ち明ける亜紀。
「もう私、こんなことぐらいしか頑張れないけど」という言葉には泣けちゃったよ。
真も涙を堪えきれず、思わず立ち上がり背を向けて「これがやる気のあるヤツのテープか?せめて日時と場所を入れなさい。」と必死でごまかしている姿が見ていて苦しかった。
苦しかった、せつなかった・・・といえば、病院で幼い女の子を見て真が亜紀の小さい頃の事を思い出すところ。
ふりふりのワンピースを欲しがった亜紀に、代わりに「ぐりとぐら」の絵本を買ってあげた思い出を振り返り、「両方買ってやればよかった」と呟くところ。(涙)
真は今まで亜紀を厳しく育てて来た事を、後悔してるんだよね。
こんな事になるなら、もっと甘えさせてやればよかった・・・と。
そんな今さらどうしようもない父親の後悔が、とてもせつない。

ドレス姿の亜紀は、とっても清楚で美しかった。
サクとのツーショットもよかったけど、それぞれの家族や友人達も参加しての家族写真が良かったよね。
これだけの人に祝福された、紙切れではなく心の中の二人の結婚。
そしてこの時久しぶりに空を見た亜紀のために、サクはそれから空の写真を撮り続ける。
その後、亜紀の容態は悪くなり面会も出来なくなる。
久しぶりに会えた時のやせ細った亜紀、力のない笑顔、細い腕には点滴のあと。
そして帽子を取ると丸坊主の頭。
ここらへんは涙が止まらなかったわ。
「サクちゃん、キスでもしませんか?」と透明のカーテン越しのキス。(涙)
すでに体力の限界で薬の投与も中止される中、亜紀の望みは「世界で一番青い空をみたい」というもの。
きっと誰もが見せてやりたいと思うでしょう・・・亜紀に・・・世界で一番青い空を。
サクはその望みを叶えてあげたいと思ったわけだね。
いよいよ、来週「助けてください!」が聞けるわけだ。
うーん、想像しただけでも泣いちゃいそうだよ。(・・,)グスン

しかし、現代の朔太郎(緒形直人)の部分で、最後の一樹(仲條友彪)がバイクにはねられそうになり、朔太郎が亜紀の骨が入ったビンを落とすというのはどうよ?(^。^;)
せっかく、そこまでよかったのにあまりにわざとらしくて一気に冷めちゃったわ。
亜紀の骨を撒こうと朔太郎が思ったんだし、素直に撒かせてやってほしかったよ。

第10回
脚本:森下佳子
演出:堤幸彦

亜紀(綾瀬はるか)が「みんなに会いたい」と言ってお見舞いに来た智世(本仮屋ユイカ)たちと話をしたり、谷田部先生(松下由樹)に「授業してほしいんです。もう教室行けないかもしれないから。」とお願いするあたりで、まず泣けた。
やはり自分の死期を知ってしまったら、人はそこへ向けて後悔のないように準備をするのだろうか?
一度しかない最後なら、青い空が見たいという亜紀の願いを叶えるため、サク(山田孝之)はオーストラリア行きの準備をする。
旅費が必要で家から通帳を盗もうとして富子(大島さと子)に見つかり一度は叱られるんだけど、後日、潤一郎(高橋克実)がじいちゃんがサクのために残した貯金を渡してくれたり・・・。
出発の日、黙って家を出ようとするサクに富子がお守りを二つ渡すのも泣けた。
「何するつもりか知らないけど、あんたまだ17なんだから、何かあったら半分は親のせいなんだからね。」
そう言いつつも行かせてやるなんて、自分が富子の立場だったら出来るだろうか?
そこまで我が子を信用して、「あとは任せろ!行って来い!」みたいな感じで送り出せるだろうか?

亜紀が抜け出した病院で真(三浦友和)が「これは自殺ですか?」と聞くと、「反抗期だと思います。」と答える先生にも泣けちゃった。
負けず嫌いの亜紀の、最後の反抗・・・白血病への反抗。(涙)
サクに迷惑がかからないように一人でタクシーに乗ったものの、なかなか思うように歩けず、結局サクに追いつかれ二人で空港へ。
やっとたどり着いた空港で亜紀の体調は限界を迎え・・・このあたりからの亜紀は辛すぎたよ。(ToT)ウルウル
ベンチで座ってたのに倒れてしまって、「戻ろう」というサクに「行く!行きたいの!」と最後の力を振り絞って搭乗ゲートを目指すんだけど、力尽きて再び倒れサクの腕に抱かれて「ここが天国」だと言った後の「好きよ、サクちゃん」で号泣。
そして、みんなお待ちかねの「助けてください」だよ〜。
私は映画版は観てないけど、CMで森山未來君の「助けてください」と叫ぶ場面だけは当然知ってます。
その場面だけ観て思ったのは、森山サクは「(誰か)助けて下さい」という印象だったけど、山田サクの場合は「(神様)助けてください」って感じに聞こえたなぁ。
思ったほど「助けてください」の台詞では泣けなかったが、「好きよ、サクちゃん」で先に泣いちゃってたし・・・。(^^;ゞ
いよいよ、来週は最終回ですね〜。
現代版の朔太郎(緒形直人)も事故に遭った明希(桜井幸子)を「助けてください」と祈ってるし、ここで明希が助かってくれないとまた笑顔を失ってしまうよ〜。

最終回
脚本:森下佳子
演出:堤幸彦

結局、亜紀(綾瀬はるか)の最期を看取る事が出来なかったサク(山田孝之)。
亜紀を愛して、苦しんで、悩んで・・・そして覚悟を決めてウルルへ連れて行く事を決めたのに、空港で亜紀が倒れてサク自身も病院で倒れて・・・。
目が覚めたら、亜紀はもういない・・・って、想像しただけで胸が締め付けられそうだよ。
もしも亜紀の最期を看取っていたら、サクはこんなに長い間明けない夜を彷徨っていなかったのかもしれない。
サクは参列する事を拒んだけど、亜紀の葬儀は泣けたなぁ。(ToT)ウルウル
ボウズ(柄本佑)はニットの帽子、スケちゃん(田中幸太朗)はブルーハーツのテープ、智世(本仮屋ユイカ)は陸上のシューズ。
みんなが棺の中にお別れの品を入れる中で、谷田部先生(松下由樹)のホイッスルには涙が・・・。(・・,)グスン
思い出の品って、それだけで泣けちゃうんだよね〜。
亜紀がみんなに残したテープも聞いてるだけで泣けちゃったんだけど、サクの父・潤一郎(高橋克実)の父親としての厳しい態度にも泣けてしまった。
サクに向って「何、傷ついたふりしてんだ?お前がトドメさしたようなもんじゃねーか!」なんて、なかなか言えないよ。
でも、厳しい言葉の中に「サク、頑張れ」「サク、負けるな」って愛情が見受けられて、そこに泣けてしまうんだよね。
親の愛だね〜。
「どうして送ってやる事すらできない?どうして死んだ人間の頼みひとつ聞いてやれないんだ!」
まだ高校生のサクには酷だなぁ・・・と思うけど、父親だから言えた台詞だよね。

亜紀の骨を撒くため、亜紀の両親とオーストラリアへ行ったサク。
サク一人だけ手の中の亜紀の骨を撒けず持ち帰った・・・それが朔太郎(緒形直人)が大事に持っていたガラス瓶の中の骨だったのか。
亜紀の最期に立ち会えていたら・・・オーストラリアで亜紀の骨を撒く事が出来ていたら・・・亜紀からもらった何本ものテープをしまったりしなければ・・・サクはどこかで少しずつ亜紀を忘れていけたのかもしれない。
亜紀の事を忘れないためではなく、亜紀が死んだ事を忘れないためというのは、考えようによってはとっても辛い。
亜紀が死んだ事をガラス瓶の中の骨で確認しなければ、サクは自分がどこにいて何をしているのかわからなくなりそうだったんだろう。
亜紀の死後のサクの状態が、そのまま17年間続いて現代の朔太郎に繋がっていたんだというのを、あらためて気付かされた感じがした。
・・・というか、17年がはじめて繋がったのかも。
17年という月日が経って、やっと亜紀に手を合わせる事が出来たサク。
亜紀の父・真(三浦友和)の「忘れたいのでも忘れないのでもなく、人間は生きていくために忘れていく」という台詞も納得だった。
亜紀がサクのために残した絵本も良かったけど、サクが真にわけてもらった亜紀の骨を陸上のトラックで撒くところは良かった。
「走りたいだろ?」とトラックで走りながら骨を風に乗せる朔太郎と、トラックを駆ける亜紀の映像・・・長い間、サクが心の中に閉じ込めてしまった亜紀が、今やっと自由に駆け出し、それによって朔太郎も閉ざした扉を開ける事が出来たような・・・。

その後の同級生たちの見せ方もよかった。
変に老けたメイクをさせたりせず、顔を映さない体だけの映像と声で想像させるというのも雰囲気が壊れずに済んだし・・・。
何より、朔太郎が自転車の後ろに愛すべき人たちを乗せて笑顔で走ってる映像が嬉しかった。(涙)
そうそう、これが3人仲良く歩いてるシーンじゃ駄目だったのよ。
自転車の後ろに乗せてなきゃね!

思ったほど号泣はしなかったけど、いろんな事を思い出したり考えたりしながら、しみじみと観る事が出来た最終回。
来週のスペシャルも楽しみです。むしろ、そっちの方が泣けるのかもしれない。

特別編
〜17年目の卒業
脚本:森下佳子
演出:石井康晴

ものすご〜く期待していたためか、ものすご〜く総集編だった事にガッカリしてしまった。
それでも振り返って、やっぱ泣けたのは二人だけの記録会、「キスでもしませんか?」、空港での「好きよ、サクちゃん」あたりかな・・・。

谷田部先生(松下由樹)がある程度の距離を保ちながら、サク(山田孝之)と亜紀(綾瀬はるか)を見守り、支えて来たというのは伝わったんだけど、この特別編での見せ場であるはずの卒業式のシーンを、バンバンCMで流していたのがそもそもの間違い。
卒業式、サクは出てなかったんだね〜。
谷田部先生が「最後にもう一人、名前を呼ばせてください。廣瀬亜紀!」と言うと、智世(本仮屋ユイカ)が亜紀の遺影を持って立ち上がるところは、結構(ToT)ウルウル来たんだけっどなぁ。
CMでさんざん見せられてなかったら、もっと泣けたと思うんだけど・・・。

総集編としても1時間で収めるには、ちょっと厳しかったかも。
うーん、本編が良かっただけに残念だわ。

17年ぶりにサクに卒業証書を渡した谷田部先生。
先生もまた、17年という歳月を経て、やっとサクと亜紀の事を美しい思い出にする事ができたんだろう。

こういう雰囲気の特別編は、本編終了後すぐにやるもんじゃないな。(^。^;)
多少、記憶が薄れた頃にやってくれると、「あぁ、そうだった。」と思い出しつつ、付け足された新しいエピに感動できるんじゃなかろうか?

 

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