水曜プレミア
夜回り先生

原作:水谷修 夜回り先生
P:清弘誠

脚本:関根俊夫
演出:清弘誠

以前、何かの番組で原作を書かれた実際の「夜回り先生」、水谷先生を取り上げていたのを偶然見た事があって、夜の街でたむろする子供達や行き場を失った子供たちがこれだけ心を開く先生をすごいなぁと思ったものでした。

そのドラマ化と知って見てみました。

今クール、「金八先生」も始まったわけですが、この「夜回り先生」も連ドラだって出来たんじゃないかと思っちゃったなぁ。
シンナーやドラッグにハマる子供達。
その生活から抜け出そうとして、なかなか抜け出せなくて・・・。
抜け出したと思っても、また舞い戻って・・・。
そんな「甘くないんだぞ」ってところが、現実っぽかった。
特に水谷(寺尾聰)が夜回りをするきっかけになった、シンナー中毒の正也(松田祥一)の話なんて、うーん、どう表現すればいいんだか・・・言葉にならない感じだった。
父を亡くし母も寝たきりになり、給食の残りとコンビニの賞味期限切れの弁当をもらって食いつなぎ、そのうち彼は暴走族で走ることで発散する場所を作り、いつしかシンナー依存に。
水谷先生と出会って、一度はシンナーを止められたかと思いきや、それからは止めては手を出し、また止めては手を出し・・・の繰り返し。
依存症の怖さを思い知らされた。
しかも、正也が根はいい子なだけに最初にシンナーに手を出してしまった事が悔やまれて仕方ないんだよ。
自分でも止めたいのに、なかなか止められなくて・・・ある日、正也は水谷のもとに新聞の切抜きを持って訪れる。
そこには薬物依存治療の病院の記事が・・・。
「俺、先生じゃシンナー止められないから、ここに連れてってよ。」
正也のその言葉に、自分じゃダメだと否定された気になった水谷は、「今日、先生の家に行ってもいい?」という正也の言葉を厳しく拒絶する。
そして・・・打ちひしがれた正也がシンナーを吸い、ビルの屋上から転落して死亡。
あとで悔やんでも仕方ないけど、「あの時、正也に優しい言葉をかけていれば」と水谷先生が悔やんだだろう気持ちは、誰だってよくわかると思う。
また、正也の遺体を火葬した後、骨がほとんど残らなかったというのが悲しくてね〜。
実は私の父親も、長年病院の薬を服用していたためか、火葬した際に片足の骨がほとんど残らなくて・・・それが生きてる時にいつも「痛い、痛い」と言っていた方の足だったから、骨を拾う時に泣けちゃって・・・。
拾うべき骨が残ってないという状況が、どんなに悲しいかというのは少しわかるつもりなんだよね。(・・,)グスン
だから、正也の母(熊谷真実)が「シンナーに正也取られた。体も骨もみんな取られた。」と泣くところで、ぐっときちゃったよ。

そんな事があって、水谷先生が今の夜回り先生と呼ばれるまでになって・・・その間にはいろんな生徒達と出会って、正也のように命を落とした子供もいて・・・。
子供達を救いたくて夜回りを続ける水谷に、意外と同じ教師の仲間は冷ややかだったり・・・。
あんまり余計な脚色がされてなくて、そのままを伝えるような雰囲気だけに現実味もあって、より重く受け止めました。
水谷先生を頼っているのに、いつ会っても腕に注射痕のある萌(朝比奈えり)。
父親(小日向文世)に性的虐待を受け、二度の中絶、そして流産・・・それでも父親を訴えれば家族がバラバラになるから・・・と言い、最後は自殺した麻衣(小出早織)。
父親(阿南健治)に虐待され、背中に無数のタバコを押し付けられた火傷の痕を持つヒロシ(森廉)。
どれもこれもこんな事があっていいのか?と思うエピソードだったけど、どれもこれも実際に水谷先生が出会った子供達そのものなんでしょうね。
そう思うと、胸が痛かった・・・。
今の子供は・・・なんて言うけれど、やっぱそういう子供にしてしまったのは大人の責任でもあるなぁと実感。
感覚としてはドラマを見たというより、ドキュメンタリーを見た感覚に近かったけど、訴えかけるものはありました。

 

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