すいか

CP:梅原幹
P:河野英裕

主題歌:大塚愛 ♪「桃ノ花ビラ」

第1回
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

何故にこのタイトルが「すいか」なんだろう?と不思議だったのよ。
夏だから「すいか」?
「すいか」に関係したストーリー?
ドラマのタイトルに「すいか」って一言っつーのが、妙に引っかかってたんだけど、初回のラストで「なるほど〜」って感じだったわ。
ハピネス三茶の大家・ゆか(市川実日子)のナレーションで、「ここの下宿人がいっぱいになったら、すいかを丸ごと買おうと思う。」というのがあって、少し紐解けた雰囲気。

ストーリーはありそうでなさそうな現実というか、ちょっと不思議な感じよね。
信用金庫勤めの基子(小林聡美)の同僚・馬場ちゃん(小泉今日子)が3億円横領してとんずら!
その馬場ちゃんが逃走するまでに、偶然ハピネス三茶に関わりのある人々に出くわしているというのも不思議なんだけど、なぜかこのドラマの場合は「ありえねーーー!」と突っ込む気にはなれない。
ちょっとしたおとぎ話のような感覚で、不思議な世界観に引き込まれてしまったわ。

ハピネス三茶に住む・教授の夏子(浅丘ルリ子)も、漫画家の絆(ともさかりえ)もキャラがそれぞれ面白いし、さりげなくバーの店主として出てきたもたいまさこさんも嬉しい登場だった。
んで、基子の母親・梅子(白石加代子)も、濃いキャスティングで今後楽しみ。
煎餅を食べながら落ちた煎餅くずを指先で拾ってるような、細かい芝居が好きだったなぁ。

んで、絆と基子は20年前に出会ってたのよね。
その時の記憶では、絆は双子だったのに・・・と基子が思っていたら、もう一人の方はノストラダムスの大予言の1999年に亡くなったらしい。
今後、このへんの事も意味を持ってくるのかしらね?

馬場ちゃんがゴミ箱に捨てた大トロを拾ったゆか。
そして、その日のハピネス三茶の食卓に上がった大トロ。
馬場ちゃんが3億持って逃げた事、そんな馬場ちゃんが捨てていった大トロの味を噛み締めながらの、「大トロってこんな味なんだぁ・・・」って基子の台詞がよかった。
これは次も見てみたいと思わせるドラマでした。

第2回
脚本:木皿泉
演出:吉野洋

馬場ちゃん(小泉今日子)の写真を1枚5万で買うと、週刊誌の記者に言われた基子(小林聡美)。
家に帰ってすぐに、アルバムから馬場ちゃんが写った写真を13枚も引き抜いて、「65万」と呟くのには苦笑いだったわ。
自分がそんな事してたのに、梅子(白石加代子)が自分が知らない間に馬場ちゃんを写真を貸して1万円もらってたのには怒ってるし・・・。
しかも、口先ではいかにも自分が親友の馬場ちゃんの事を思ってるみたいな事を言ってるのに、内心「けっ!1万かよ!」ってな気持ちがミエミエなのがおかしい。
でも、不思議な事にそういう基子の気持ちがわかっても、ぜんぜん嫌じゃない。
むしろ、「こんなもんだろうな」って気になるし、ニュースで自分の写真を目にした馬場ちゃんが「も少しマシな写真あったろがよ・・・早川・・・」って言ってるのも面白かった。

結局、基子はこれをきっかけに家を出て、ハピネス三茶へやって来た。
ただでさえ、ハピネス三茶ってレトロないい雰囲気だったんだけど、先週教授(浅丘ルリ子)の部屋に穴があいてから、教授の部屋と階下が一部丸見えになって、それがまた何とも言えない味のある空間を作り出してるよね。
携帯のGPSで基子の居場所を突き止める梅子とか、二人で吸いながら煎餅を食べる姿とか、「家出は認めない」と言いながら帰り際にゆか(市川実日子)に1万円握らせて「お願いします」と頭を下げる梅子とか、何だかさりげなくいい感じ♪
そして、「こういう気持ちのこもったものって苦手です。」と、ゆかから渡された1万円を、彼女が寝ている間にそっとティッシュにくるんで「おこづかい」と書いて手のひらに握らせる基子も良かったなぁ。
そういう、どことなく懐かしく、どことなく胸がきゅんとするような何かが、このドラマにはいっぱい詰まってる。

そうそう、絆(ともさかりえ)と響一(金子貴俊)も良かったよね。
間々田(高橋克実)の娘にふられた響一を慰めようと、散歩に連れ出した絆が、ちょっとその場を離れた間に免許証を見られちゃって、今日が彼女の誕生日だと知った響一が「お金がなくて小さいのしか買えなかったけど」と、ケーキの箱を渡す。
それを家で空けると、亡くなった双子のお姉さんの分まで入ってて、しかもたくさんのローソク。(涙)
そういうのって、何だか嬉しいよね。
このドラマには気持ちがきれいな人しか登場しない。
3億円横領して逃げてる馬場ちゃんだって、何だか悪い人だと思えない。(横領は悪い事だけどね)
みんな普通の人なのに、何だか魅力的♪
そういうところが、このドラマ全体の魅力でもあるんだろうな。

第3回
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

何だか今回の話、しみじみ心に染み入るものがあったなぁ。
特に基子(小林聡美)が響一(金子貴俊)に話してた、「数字」の話。
響一が絆(ともさかりえ)に6万8000円のブレスレットをプレゼントしたけど、絆は受け取ってくれなかった。
それは響一が6万8000円という数字をプレゼントしただけだから・・・。
人は数字に縛られ過ぎている。
新作のバッグを19万で買った、それを買うのに2時間並んだ・・・という、いかに人が数字に縛られているかの例え。
これは本当にわかりやすかったね。
基子が中学の時から貯めていた100円玉貯金、友達とお金が貯まったら原宿へ行こうと約束していたのに、その友達はすぐに貯金を止めて絵を描く道具を買った。
ところがその友達が今ではイラストレーターになってる、きっかけは100円玉貯金を使って道具を買ったこと。
使って成功した友人と、貯金を使わずここまで来た基子の違い?
やっぱ傍目にはイラストレーターとして成功した友達の方が凄く見えるんだろうけど、中学から絶対に貯めたお金を使わずに来た基子も凄いんだよね。
でも、基子はそんな自分も数字に縛られてきたという事に気付く。
そして、大きな貯金箱を持って、原宿へ向う基子・・・お金を使うために。

結局、基子が中学から貯めたお金を何に使ったかというと、ハピネス三茶にエアコン買ったんだよね。
彼女はエアコンがどうしても欲しかったわけじゃない。
自分がした事で、人が喜ぶ顔を見たかったんだ。
大げさに感謝して欲しかったんじゃない。
自分がした事で、自分の周りに笑顔が増える事を実感したかったんだ。
なんかいいよね〜♪

くじ付きアイスで「あたり」ばかり出るゆか(市川実日子)が、やっと「はずれ」を出した時の安堵感。
友人がもう長くないと知った後、露店で売ってるうさぎの寿命に因縁つけてる男を、思いっきり殴りつけて、ボロボロになるまでケンカできる教授(浅丘ルリ子)。
絆に高価なプレゼントをして機嫌を損なった後、自分がしなきゃいけないことを考えて、ファンレターを送った響一。
子供の頃から人に話を聞いてもらえない間々田(高橋克実)。
観光地でよくあるような写真を、基子に送りつけてくる馬場ちゃん(小泉今日子)。
本当にみんな、みんな愛すべき人物で素敵♪

特に教授がウサギの寿命で因縁つけてる男とケンカした話は、これまた考えちゃった。
教授はお友達の命にもう限りがあるという事で、「ウサギの寿命を保証しろ」と言ってる男にカチンと来ちゃったんだよね。
「諦めるしかないのよ!」という教授の言葉は、ずしんと重かったなぁ。
その後、男の前髪を引きちぎるほどケンカして、最後には仲直りのプリクラまで撮ったのかと思うと、もう笑わずにはいられないけど・・・。
それに、相手の男が結局ウサギを買ってたのが、何とも微笑ましくてよかったよね。

信用金庫の上司(中丸新将)に「引っ越し祝いに何か欲しいものないか?」と聞かれていた基子が、やっとお願いしたのが「誉めて下さい」ってーのもよかった。
なかなか「誉めて下さい」って言えないけど、いくつになっても誉めてもらえると嬉しい♪
台詞まで考えてきて、強引にでも誉めてもらおうと思った基子に、上司は基子が用意した台詞の後に、自分の言葉で誉めてくれたでしょ?
その上、「馬場君にもこういう事言ってあげれば、3億横領したりしなかったかもね」みたいな言葉・・・あれはまさにそうだと思う。
でも、基子はあの上司がそこに気付いてくれた事が、何より嬉しかったんじゃないかしら?

本当に毎回、毎回、心がま〜るくなるわ。
「数字」・・・私も縛られてるなぁ。(^。^;)
よくあるのは「いや〜ん、あと3本もレビューたまってるぅ。ドラマ見るだけでも3時間なのに、レビュー書く時間まで入れたら何時間なのよー!」って数字だわ。(^^ゞ

第4回
脚本:木皿泉
演出:佐久間紀佳

片桐はいりのインパクトも凄かったけど、言い寄る響一(金子貴俊)の目の前で、突然鼻の穴に指を突っ込んで(しかも両穴)、「これでも好き?」と聞く絆(ともさかりえ)には参った!m(_ _)m
全く予測もしない事態に、ただ笑うばかりの私。(爆)

今回はいつもそこにあるものが、突然なくなってみてわかる大切さみたいなものだったかしら?
酔った勢いで制服を捨ててしまった基子(小林聡美)。
京都の大学に誘われる教授(浅丘ルリ子)。
マンガを書くのをやめようとした絆。
結婚指輪をなくした間々田(高橋克実)。
みんな、普段普通にそこにあるものを失いそうになって、初めてそのものが自分にとってどれだけ大切かを知るって感じだった。
好きだったのは、馬場ちゃん(小泉今日子)の捜査で基子を訪ねてきた刑事の生沢(片桐はいり)と基子の会話。
人は最初からそれが何かわかっているものには興味がない。
わかりにくいものには、目を凝らすって話・・・。
(゚ー゚)(。_。)ウンウンって納得しちゃったなぁ。
最初からタオルだとわかってるものには興味がなくて、突然生沢が鞄の中から取り出してブルブル振り回してるぬいぐるみは「何のぬいぐるみかしら?」と必死に見ちゃうのよね。
でも、そのぬいぐるみが最初から目の届くところに「これはクマのぬいぐるみです」って感じで置いてあれば、たぶん誰も興味を示さないわけでしょ?
「あなたはなりたいものはないの?」と生沢に聞かれて、「馬場ちゃんになりたい」と答えた基子。
別に犯罪者になりたいわけじゃなくて、世間体とか何も考えずに突然思い立つまま行動できた馬場ちゃんが羨ましかったんでしょう。
そして、馬場ちゃんみたいに大きなことなど出来るはずもなく、かといって小さな面白い事もできないでいる、ごくごく普通の日常を生きてるだけの自分がつまらなく思えたんじゃないかしら?
生沢さんが「職場は人間関係でしょ?」と言ってたけど、何だかこのへんのさらっとした会話に、凄く中身が詰まってたと思う。

そして教授のブローチの話。
京都の大学に誘われた教授が、オルゴールの中に入れてあったブローチと一枚の写真を見て、「少しでも覚えていたら、京都へ行くのはやめよう。」と思い立つ。
それって、ゆか(市川実日子)が小さい頃に彼女の母親が出て行って、それを見送りながら幼いゆかに「私は絶対に出て行かない。もし嘘をついたら、このブローチをあげる」と言った時のブローチだったのね。
ゆかにオルゴールごと渡しても覚えてなさそうで、寂しそうな顔をした教授。
だけど、ゆかがブローチだけとってオルゴールに「あの約束は、もう無効っす!」と書いて教授の部屋に置いておいた・・・。
ゆかが覚えていた・・・ただ、それだけで教授は京都行きをやめるんだけど、その「お断りしなくっちゃ」という教授のウキウキした表情が良かったよ〜。

あと、基子が捨てた制服を絆が拾って、リバーシブルにリフォーム(?)してたのが笑えた。
んで、そのリバーシブルになった制服を、信用金庫のロッカーで後輩に見せびらかす基子!
生沢さんが言ってた「職場は人間関係」ってーの、基子はちょっとだけわかったんじゃないかな?
面白さを周りに求めるだけでなく、自分が面白い人になればいい。
「馬場ちゃん」になりたかったのは、馬場ちゃんがやらかした事が人とは違って目を引くものだったから・・・。
絆がリフォームしちゃった制服で、基子は会社でちょっとした面白い先輩になれたわけだよね。

毎回、ラストに流れるゆかのナレーションでじーんとするんだけど、今回もそうだった。
「明日もあさっても生きていたくなるような、それだけで幸せになれるような事に、ハマっていたらいいのに・・・。」
小さな幸せって大事。そして、その小さな幸せに気づく事って、もっと大事だよね。

第5回
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

今回は友達とか家族とか、自分の本当の姿を見せられる相手がテーマだったりして、その曖昧な関係を見つめ直す時の大切さを感じたりした。
基子(小林聡美)が社内報に「私の友人」というタイトルで文章を書かなくてはならなくなって、唯一友人と思っていた馬場ちゃん(小泉今日子)の事を書いたら上司に「マズイからやめてくれ」と頼まれて、それから馬場ちゃん以外の友人を探すと、実は誰も思い当たらなかったり・・・。
ちょっと寂しいけど、社会人になってからの友人って微妙だったりするよね。
単なる会社の同僚なのか、友人と呼べる存在なのか?
単なるご近所さんなのか?友人なのか?
自分が友人だと思っていても、相手は思っていないかもしれないし・・・。
よくよく考えてみれば、自分に友人と呼べる人は何人いるのか?
基子を見て、私もそんな感じ・・・と思った人は多いんじゃないかしら?
絆(ともさかりえ)の事を書こうとして、世間体を気にし、エロ漫画家だと書かなかったり、絆の実家が金持ちだとかそんなところを強調しようとした基子に、絆がしっかり気付くところが良かったなぁ。
そんな即席の友達関係なのに、基子がお客さんの置き物を壊して困っていると、それと同じものが実家にあったのを思い出し、敷居が高いであろう実家にその置き物を取りに行く絆の優しさ。
そこで何年かぶりに見た、父親の姿。
自分のエロマンガを必死に本棚の奥に集め持っている父親、台所で立ったままメロンを食べる情けない姿・・・それを教授(浅丘ルリ子)に話しながら、泣き出す絆を見て思わずもらい泣き。(・・,)グスン

そして、締め切りが迫る絆をハピネス三茶のみんなや間々田(高橋克実)、響一(金子貴俊)が総動員で手伝って、仕上げるあたりに「友人」というより「ファミリー」っぽさを感じたり・・・。
本当に毎回・毎回、ほんわかと心が温まるお話ですなぁ。(しみじみ)

第6回
脚本:木皿泉
演出:佐久間紀佳

時期的にお盆ってことで、絆(ともさかりえ)の亡くなったお姉さんが現れたり、教授(浅丘ルリ子)が30年前に「絶対に迎えに来て」と約束した故リチャードがやって来るだとか、死んだ人が帰ってくるというエピの中、まるで死んだ人のようにどこかで生きている馬場ちゃん(小泉今日子)が基子(小林聡美)に連絡してくるという話。

自分が連絡すれば基子に迷惑がかかると思ったけど、たまに話さないと自分が誰だかわからなくなると電話の向こうで馬場ちゃんが言うんだけど、なるほどな〜って感じだよ。
逃走中の馬場ちゃんは、馬場ちゃん本人として生きられないんだもんね。
電話の最後に二人で会社をサボってよく行った喫茶店を懐かしそうに思い出し、「また行きたいなぁ」と電話を切った馬場ちゃん。
そんな彼女がきっとやってくると思い、馬場ちゃんの好きな「おのろけ豆」をありったけ買い込んで一日中喫茶店で待ち続ける基子。
実家で基子が帰って来るのを待っていた梅子(白石加代子)は、基子の好きなもずくをたんまり買い込んでるし、みんながたまにしか会えない人を思って、その人の大好物を用意して待っているという姿に、またまた心がまぁるくなったわ。
結局、馬場ちゃんは現れなかったけど、東京駅で馬場ちゃんに荷物を託された男性が、わざわざ喫茶店で待つ基子に荷物を届けてくれたり、基子がその男性に「おのろけ豆」をおすそ分けするところとか・・・。
うまく言葉に出来ないけど、何だか良かった〜ぁ。
んで、荷物の中身が「ハヤカワ、食べてみな!すごくうまいから!」ってメモと一緒に米が入ってるんだよ〜。
ぜんぜんシャレたもんじゃないんだけど、それが「米」だったってーのがまたまたいいじゃん!
シンプルだけど基本って感じで、うまい米を基子に渡そうとした馬場ちゃんの気持ちや、結局馬場ちゃんには渡せなかったけど、最初から喫茶店のテーブルに恥ずかしげもなく「おのろけ豆」を積み上げてる基子の気持ちが、凄くいいと思う。

そのお米を炊飯器じゃなく鍋で炊いて、シンプルにおにぎりにしてハピネス三茶の面々で食すというのが、気持ちいいほど正しい!って感じ。
最初はとてつもなくどでかい事をやらかした馬場ちゃんを羨ましいとさえ思っていた基子が、「ツチノコを見つけても馬場ちゃんは誰にもその事を言えない」という妙な観点から「かわいそう」と思っている・・・そんなちょっとした心の変化も見逃せないかも・・・。
たった一人で死んだ人のように生活している馬場ちゃんと、数人の友達に囲まれ平凡だけど生きてる感触を毎日感じている基子。
基子は自分の幸せに気付きつつあるって事だね♪

第7回
脚本:山田あかね
演出:佐藤東弥

先週お休みだったので、久々に見れると期待していた「すいか」ですが、うーん、正直言うとちょっと物足りなかった。
パーツ、パーツはいいんだけど、普段ならもっと最後にそのパーツがひとつにまとまる満足感を得られるんだけど、今回はイマイチまとまらなかた感じ。

シンギングドッグが歌を歌うように吠えるのは、「ここにいるよ」という存在証明だとか教授(浅丘ルリ子)が説明して、最後に馬場ちゃん(小泉今日子)が「わお〜〜〜ん」と吠えていたのは、まさに彼女の存在証明って感じで良かった。
以前、教授のもとでシンギングドッグを研究していた八木田君(篠井英介)が、モロッコで性転換して、今は基子(小林聡美)の母親・梅子(白石加代子)たちに「女が成功するためには、才能かおっぱい!」と教えるリーダーになっていたのも笑えた。
「自分は何がしたいのか?」という自分探しみたいなテーマや、八木田君の人生については、いろいろ考えさせられたんだけど・・・。
うーん、自分の中では何かが足りなかった。

しかし、教授ってやっぱいいなぁ♪
八木田君が教授に憧れていたのもわかるような気がする。
自分がゲイだとわかって、研究チームで仲間はずれにされたとか、それに怒って研究費を持ち逃げしてモロッコ行って性転換とか・・・。
八木田君のドラマティックな人生に興味津々だったけど、一番興味津々だったのは性転換で切り取った部分をどうするのか?という教授の問いに、何やらこそこそ耳打ちする八木田君。
そして次の瞬間、目をまん丸にして驚く教授の表情!
うーん、切り取った部分のその後が知りたかった。(爆)
知りたかったと言えば、間々田(高橋克実)が持って来たお見合い写真!
写真を見た後、不気味に「あはははは・・・。」と笑いが止まらない教授や、写真を見るなり「帰ってちょうだい!」と言うバーのママ(もたいまさこ)。
どんな写真だったんでしょうか?(^^;

第8回
脚本:木皿泉
演出:吉野洋

うぅ・・・泣きました。
今回は「命」というものについてですね。
基子(小林聡美)の母・梅子(白石加代子)がガンだとわかり、父親に連絡するも帰って来てもくれない。
一人で背負い込む基子だったけど、梅子が「ガンなんでしょ?」と聞いたのに、「ポリープ」と嘘をつこうとするが、母の目はごまかせず、「あんた嘘をつくとき、手のひらをグーにするくせがあるのよ。」と指摘されてしまう。
ガンだったら310万の指輪を買うと言っていた梅子だけど、実際にガンだと告げられたら「もう欲しくなくなった」とやめるのよね。
その意味って何なんだろう?と考えてしまいました。
最初に「ガンだったら指輪を買う」と言ってたのは、「ガン=死」という覚悟なわけでしょ?
ガンで死ぬんだったら、生きてる間にずっと欲しかったものを買うと決意した。
だけど、「やっぱやめた」となったのは、「ガン=死」という考えが崩れたから?
ガンだけど治せば生きられる・・・と思ったとき、310万の買い物がもったいないと感じたのでしょうか?
生きるためにはお金が必要だもんね。

あと、梅子が基子を産んだ病院を、基子と一緒に見ているシーンも泣けちゃった。
一応私も母親なわけで、もしかして自分が死ぬかも・・・と思ったとき、子供を産んだ時のことを思い出すだろうなぁ・・・って。(・・,)グスン
基子が生まれてから、一番最初に喋ったのが「バイバイ」で、それまではお乳の匂いがしていたのに、「バイバイ」と喋ってから突然人の匂いがするようになり、嬉しくてものすごく寂しかったと話す梅子にジーン・・・。
この「バイバイ」を赤ちゃん風に真似する白石さんが、お上手で・・・本当に基子が最初に喋ったのを見ていたんじゃなかろうか?って感じでしたね。
そんな風にしんみりしたかと思えば、基子が差し出したハンカチにアイロンがかかってないと文句を言ったり、家に洗濯物を干しっ放しにしてきたと慌てて帰っていったり・・・。
本当はガンだったと聞いて、ひたすら落ち込んでいたい気持ちもあるだろうけど、そこには普段通りの時間が流れているわけで・・・。
「入院してもあんたには迷惑かけないようにするからね」って台詞には、母親としての精一杯の強がりが感じられて(ToT)ウルウルしちゃった。
泣いてる基子役の小林さんも、演技してるって感じじゃなく本当に親を思って泣いてるって感じで、その自然さにこっちももらい泣きって感じ。

教授(浅丘ルリ子)の教え子が単位欲しさに飛び降りたエピも、教授が生徒の親に発した台詞がよかった。
「死ぬほど単位が欲しいんだったら、やってくれたらよかったのに・・・。」という母親に、「こんな言い方はしたくありませんが、命を大切にしていないのはお嬢さんの方です。単位をくれなければ死ぬなんて、生きる事を馬鹿にしているとしか思えません。」ときっぱり言い切った教授。
つまり、この台詞には以前出て来た、死を目前にした教授の友人を思って・・・の言葉でもあるわけで、またしても教授がどのぐらい友人を思い、そして命の重みを大切に思っているかが現れていたと思う。

それから自首したかったので、交番におまわりさんがいなくて、結局自首できなかった馬場ちゃん(小泉今日子)。
交番に電車賃を借りに来た男性(村上淳)に300円貸し、そのお礼にと水族館の入場券をもらう。
水族館で水槽の中をふわふわと泳ぐクラゲを見つめる馬場ちゃんが、とってもきれいだったなぁ♪
「クラゲってどこまでも、どこまでも旅をするんですよ。」と電車賃を貸した男が言ってたけど、馬場ちゃんもクラゲみたいな人生を送ることになるのかしら?

響一(金子貴俊)は何故、絆(ともさかりえ)に札幌へ行くと告げずに出発しちゃったのかな?
就職が決まったとだけ聞かされて、札幌に行くなんて聞いてない絆にしてみたら、こういう別れってひきずってしまいそうだよね?

とにかく今回は内容がてんこもりでした。
亀太夫のことや、泥舟に一日アルバイトで入ったゆか(市川実日子)のエピも、なかなか面白かったと思います。
さてさて、あと2回・・・。
どんな展開が待っているのか・・・気になります。

第9回
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

凄いてんこ盛りな内容なのに、ちゃんと最後に毎回まとまるのが不思議!
腐ったすいかを捨てるために、すいかのお墓を建てた基子(小林聡美)。
そのお墓からすいかの芽がはえてくるというのも、ちょっとした幸せだし、教授(浅丘ルリ子)の亡くなったお友達や、いなくなった猫の綱吉だって、きっとどこかで新たな命として生まれ変わるだろう事を予感させるような雰囲気だった。

しかし、今回も教授のお話は良かったね〜。
「お墓は人類の発明。死んだ人を忘れないように・・・でも安心して忘れなさいっていうために作られたものだと思うわ。」って、じ〜んと心にしみちゃった。

入院した梅子(白石加代子)も内視鏡の手術で1週間で退院できることになって、本当によかった。
でも、入院中の梅子さん、楽しそうなのよ。(笑)
たぶん彼女は今までいつも家族のために尽くしてきて、それが普通の生活になっちゃってたのね。
ところがガンになって入院し、初めて外の世界を知った。
友達も出来た。
基子も母親には母親の世界が持てた事を感じて、思い切って「もう家には帰らない。自分の納得する人生を送りたい。」と切り出す。
そして退院途中で梅子は紅白饅頭を買って基子に渡し、それをハピネス三茶に帰ってみんなに配ってみると「独立記念日」と書いてあるってわけだ。
何だかね〜、この一連の流れがこれまた凄く心に響くわけ。
綱吉がいなくなった絆(ともさかりえ)を心配して、北海道から帰ってきた響一(金子貴俊)が「どこかで気持ちの決着つけないと・・・」って言ってたけど、梅子と基子に関しても言えることなんだよね。

あと、泥舟で酔っ払った基子をおんぶして来たバーテン(井澤健)と、ハピネス三茶に教授を訪ねて来た、あの飛び降りた女子大生(加藤夏希)が、何となく進展しそうな予感を漂わせているあたりも良かった。
教授に謝りに来たのに、まだ「でも、この先いい事あるなんて思えない」とか言ってる女子大生に「いい事待ってますって!」と言ったバーテンさん。
その彼との出会いが、きっと最初の「いいこと」だよね?

「すいかのお墓」で始まった今回、逃走中の馬場ちゃん(小泉今日子)を生田刑事(片桐はいり)が待ち構えていたのも、馬場ちゃんのお母さんのお墓。
生田刑事と一緒に張り込みしてた刑事の一人に「龍騎」の須賀貴匡君がいたけど、最終回では活躍したりするのかしら?
出番これだけじゃちょっと寂しいよなぁ。(^^;
刑事たちに追われて逃げながら、「苦しいよーーー、早川ーーーぁ。」って泣きそうな顔で言ってるのが、見ていてきゅんとした。
どうしてだか3億も横領した犯人なのに、馬場ちゃんって憎めない。
憎めないどころか、とても魅力的なキャラだったりするんだよね。

最終回
脚本:木皿泉
演出:佐藤東弥

そこかしこで泣けちゃった最終回。

馬場ちゃん(小泉今日子)が基子(小林聡美)を訪ねて、ハピネス三茶にやって来た。
そこで泥舟のママが、はじめて「帰らないでちょうだい!」と言ったのを聞いたわ。
その相手が馬場ちゃんってーのも、何となく感慨深い。
基子の部屋にあった制服のポケットに手紙を残した馬場ちゃん。
その手紙に基子が気付いて、やっと二人は再会。
何にもない原っぱで、「馬場ちゃ〜ん」「はやかわ〜」と肩をポンポン叩き合ってる二人の姿が微笑ましくて・・・ここでも軽く涙。(笑)
ちょっと話は前後するけど、基子に会う前に馬場ちゃんが立ち寄った喫茶店に、生田刑事(片桐はいり)がやってきた時は驚いたね〜。
捕まっちゃうのかと思ったら、馬場ちゃんが生田刑事の大事なぬいぐるみ・ミッシェルの目を持ってた事で逃げ延びるってーのもこのドラマらしい。
普通じゃちょっと考えられないような展開なんだけど、このドラマの中では見事に成立してて違和感がないのよ。
きちんとした世界があるんだわ〜。

んで、馬場ちゃんが基子に差し出した航空券。
「早川のだよ。知ってる人が誰もいないところに行って、二人で暮らさない?」
きっと馬場ちゃんはマジだったんだろう。
ハピネス三茶でお茶碗の中に残った梅干の種を見て泣けたって気持ちも、凄くわかる!
なんでもない日常って、失ってみて初めて気付くんだろうね。
その中にいるとただ平凡で、また同じような時間の流れで、毎日毎日大した刺激もなく過ごしてるみたいだけど、そんな毎日を過ごせる幸せってーのを見過ごしちゃってる。
馬場ちゃんは「普通の生活をたったの3億で手放しちゃったんだよね」って言ってたけど、その言葉もじ〜んとした。
3億手に入れてもお茶碗の中に梅干の種が転がってるような、掃除機の音がBGMに流れるような、庭に水をまく音や匂いがあるような・・・そんな生活は捨てなくてはならなかった。
だからこそ、梅干の種が愛しい馬場ちゃん。
くーーー、何だかせつない。

航空券と基子がゆか(市川実日子)に頼まれたお買い物メモを差し出し、「早川の人生なんだから、自分で選びな!」と馬場ちゃん。
基子がお買い物メモを手にした時、馬場ちゃんちょっと寂しそうだったね。
でも、そっちを選ぶって事はわかってたんだろうな。
基子が馬場ちゃんに鍋の材料を書いた買い物メモを渡したのも、凄く良かった。
あのメモなしで二人が別れてしまったら、もうこのまま一生会えないような気がして嫌だったんだけど、「今度うちに来る時買ってきて!それで鍋しよう!」って基子が言ってくれて嬉しかった。
馬場ちゃんも「大事にするね。こっちに戻ってくるチケットだね。」って言ってたけど、本当にそうだよね。
馬場ちゃんは真っ暗な夜道で基子がメモに書いてくれた品の名前を呟きながら、光に吸い込まれるように消えていくというラストだったけど、あの先、彼女が警察に捕まったにしても、海外へ逃げてやり過ごしてるとしても、あのメモがある限り馬場ちゃんを待ってる基子がいるって希望が持てる。
単なるメモだけどお守りみたいな役目もしてて、友達っていいな・・・と思ったり、じんわり涙腺緩んだり・・・。(^^ゞ

響一(金子貴俊)と絆(ともさかりえ)の別れのシーンも(ToT)ウルウルしたなぁ。
絆が言いたい事を全部わかってる響一君、「好きだって気持ちに応えられない」って事もちゃんと理解してる響一君。
私は好きだーーーーー!(告白)
響一君が離れてもずっと絆ちゃんを想っていてくれれば、いつかきっと彼女はちゃんと応えてくれるような気がする。
すごくお似合いだから・・・あの二人♪

そして教授(浅丘ルリ子)がハピネス三茶を出て行った。
出て行く時の言葉は「いってきます!」。
教授もきっといつか戻って来るだろう。
すいかのお墓から出た芽が、育って小さな実になるように・・・。
どこかで死んだと諦めていた猫の綱吉が戻って来たように・・・。
教授もそして、きっといつか馬場ちゃんが鍋の材料を買って「早川!鍋やろう!」と普通にやって来る。
そう思わせる最終回だった。

なーんも派手な仕掛けがないのに、何だか毎回小さな幸せをもらえて、心がまぁるくなるドラマ。
こんなドラマに出会えた事が、この夏の小さな幸せだったかもしれない。

 

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