緋色の記憶〜美しき愛の秘密〜

P:池端俊二
原作:トマス・H・クック "The Chatham School Affair"「緋色の記憶」

第1回
「追憶」
脚本:野沢尚
演出:渡邊孝好

何だか見応えは十分なんだけど、きちんとしたサスペンスだけに(間違っても「さすぺんす」と平仮名表記するような甘いもんじゃない)初回じゃ因果関係の把握が難しい。
なんてったって野坂奈々(銀粉蝶)が何者かを把握するのに、何度もビデオを巻き戻しちゃったもん。
あぁ、情けない!完全なる「正月ボケ」か?>自分

弁護士の直行(夏八木勲)が里親を殺した野坂奈々の弁護を引き受ける。
野坂奈々ってーのは直行の幼なじみで、元々は直行の父親・徳士(岸部一徳)が校長を務める学校の教師だった藤枝(國村隼)と妻・粧子(室井滋)の子供だったわけ。
んで、その学校に赴任してきた美術教師の吉住薫(鈴木京香)と藤枝ができちゃって、それを知った粧子が湖のほとりで一人の女性を車ではねたと、精神病を患っているらしい野坂奈々が言ってたっちゅーじゃない?
粧子が車ではねた女性ってーのは薫なんだろうか?
でも、粧子が大きくなるまで薫・徳士・直行の3人がリレー形式で奈々に送金してたんだよね?
っつーことは、薫は少なくとも数年は生きてたんだろうし・・・。
ううむ、難しいの〜ぉ。

それにしても鈴木京香さんの色っぽいこと。
あれじゃ少年時代の直行(市原隼人)は楽勝、藤枝先生までもが軽くKOされちゃうのは頷けますよ。(゚ー゚)(。_。)ウンウン
きっと徳士もあの「いろっぺービーム」にやられてしまうんじゃなかろうか?(笑)
しかし因果関係が複雑なドラマじゃ!
1回見ただけじゃ、理解できん!

第2回
「密会」
脚本:野沢尚
演出:渡邊孝好

大した進展はないものの、藤枝先生(國村隼)と薫(鈴木京香)はサブタイトル通り「密会」するようになっていた。(笑)
しかし國村さん、渋いな〜♪
声もいいし、奥さんの粧子(室井滋)が酒呑んで悪態ついても、後ろから抱きかかえて「強くなってくれ、粧子」だもん♪
とても「HR」の八木田さんと同一人物がやってるようには見えないよ!(爆)

薫は本当に藤枝が好きなのか、それとも元来の魔性系で男をたぶらかすのが好きなのか、そこらへんが不明なんだけど、藤枝は確実に薫に傾いてるようだ。
奥さんの精神的な病に付き合うのにも疲れるだろうし、月夜の晩に湖の上でボートに乗って薫と密会するのが息抜きでもあるのかも・・・。
それにしても湖の上での密会って、何とも情緒的ですわね。
演出も何気なところが素敵です。
湖の上で二人の乗ったボートが重なるとこなんか、実際にボートが重なる映像を引きで撮るんじゃなくて、めちゃめちゃ寄ってお互いのボートの上のランプが重なるところを撮ってる。
うーん、好きだなぁ。
そして、薫が精魂込めて作っている人のオブジェ(というのか?)が映ると、その後シャツを脱ぐ藤枝の体が映る。
こういうのは本でいうなら「行間を読め!」って感じで、すべて説明しなくても伝わってくるものがあって良い!
NHKのドラマはこういうところがウマイっすね〜。

第3回
「疑心」
脚本:野沢尚
演出:渡邊孝好

薫(鈴木京香)と藤枝(國村隼)は、湖での密会を重ねていた。
夫が薫と怪しいと睨んだ粧子(室井滋)は、徳士(岸部一徳)の家で行われた開校記念のパーティーで、露骨に薫にからむ。
またさ〜、パーティーに現れた薫の姿がね〜、美しいわけよ。
白いワンピースに刺し色が赤って感じで、ノースリーブからすっと伸びた腕とか、何気なところで若さと美しさを漂わせてるわけじゃん!
これって粧子からすると、面白くないと思うんだぁ。
自分は単なる子持ちの主婦で、スタイルだって服装だって薫に勝てるわけないんだもん。
唯一振りかざせるのは「妻」の立場だけ!

元々精神的に病んでいた粧子は、藤枝がヨットを修理している倉庫で偶然砒素を見つけてしまう。
居合わせた直行(市原隼人)は、「以前のヨットの持ち主が残していったもので、ヨットの中にねずみが出るからだ」と説明したものの、粧子は藤枝が自分を殺すために砒素を隠し持っていると思ったみたい。
薫との事で藤枝を疑ってるからね〜、間違ったものの見方をしてもおかしくないけど、ここからの粧子の行動が怖かったよ。
台所で延々キャベツの千切りを続けたかと思えば、急に包丁を放り出して外に出る。
そこにあったナタを手に持ち、イッちゃった目つきで一目散にボートに向かったかと思えば、密会に使われている藤枝のボートをナタで滅多打ち!
何となく粧子が考えた事もわかるわ。
「このボートさえなければ会いに行けないだろう」と思ったんだろうね。
密会の手段であるボート、密会の象徴ともいえるボートがそこに存在している事が、突然腹立たしく思えたのかもしれない。

その晩も睡眠薬を飲んだふりをして吐き出したり、藤枝の行動に不審を抱いた粧子が何かを突き止めようとしているのは歴然。
ボートが壊されているのを知った藤枝も、そこで諦めればいいものを歩いてまで薫に会いに行こうとするんだよね。
その後を追う粧子。
いやぁ、ドキドキしちゃったよ。
でも、何よりドキドキしたのは夜中に目を覚ました奈々ちゃんが、両親が家にいない事に気付いて、「お父様〜、お母様〜」と家の外まで探しに出ちゃったことよ。
家の前は湖じゃけんの〜ぉ、子供が一人で彷徨ってる姿はどうしても母親の立場で「危ない!」と思っちゃうんだよ。(^^;ゞ
我が子の声に気付いた粧子が走って家に戻り、その後藤枝も帰って来たんだけど、そこで粧子に向かって「薬、飲んだんじゃなかったのか?」って一言はないんじゃないの〜。
私が粧子だったら、「やっぱ引っかかりやがった!」と思うと同時に、夫が自分が寝た事を確認して安心して逢引に出かけた事が許せないわ。

これから藤枝と薫の恋はどうなるのか?粧子がどんな行動に出るのか?
怖いけど見たいよね〜。(゚ー゚)(。_。)ウンウン

第4回
「凶行」
脚本:野沢尚
演出:渡邊孝好

あわわわわ・・・まさかそんな話だとは・・・。
湖のほとりで藤枝(國村隼)の奥さん・粧子(室井滋)がある女性を車ではねたのはわかってたけど、それが誰をはねたのかは知らされてなかったものね。
でも、薫(鈴木京香)だろうと思うじゃない?普通・・・。
そしたら、どうよ?
何も関係ない、何の罪もない、舞子(秋定里穂)がはねられてるじゃん!
話を戻さなきゃならないけど、藤枝と薫の密会が粧子だけでなく睦子(倍賞美津子)にまで知られる事となり、薫は退職届を提出、東京の学校へ移ることを自分で決めた。
なのにそうなってみれば未練たらたらの藤枝先生。
「もう一度、話し合いたい。」という藤枝に「あなたは迷ってばかりじゃない!」と厳しい薫。
やっぱこういう時に潔いのは女の方か・・・。(苦笑)
藤枝が直行(市原隼人)に言った「いっそ死んでくれたら・・・」という言葉が、後で大きな意味を持つみたいね。

東京行きを決めた薫に粧子が会いに来て、密会の湖に女二人ボートで漕ぎ出すシーンは怖かったよ。
嫉妬の炎メラメラの粧子が「ここで?(会ってたの)」と薫に嫌味を言い、「(優しかった)あの人はどこへ行ってしまったのかしら?」「一線は越えた?」「口づけした?」「優しくあなたの体をなでた?」とじわじわ薫を追い詰めるんだけど、薫ってばぜんぜん動揺しないんだよね。
いつも通りの毅然とした態度で、「奥様、申し訳ありませんでした。」ときっぱり謝られちゃ〜妻の立場としては「あんた、何様?」ぐらい思っちゃうわよ。
んで、ボートをぐらんぐらん揺らす粧子。(壊)
いいわ、室井滋の壊れ加減!
あんまりやるとお笑いになっちゃうんだけど、そこはNHKである事も心得た上で(そうなのか?)さじ加減を考えてらっしゃる!

こういう話し合いがあって、もう二度と藤枝と会わないという約束を薫にさせるんだけど、それで猜疑心がなくなるかというと人間そんな単純には出来てないわけで。
たまたま藤枝が東京へ出張した事を、薫と住む場所を探しに行ったんじゃないか?と疑うのよね。
無理もない、薫の転勤先は東京で、そこへタイミングよく夫が出張。
疑いたくもなるわなぁ。
で、藤枝の留守に訪ねて来た直行に粧子がからむわけだ!
すっかり精神を病んでしまっている粧子は、直行を藤枝と混同したのか、直行の体に両手を回し、体を摺り寄せ、迫る。(怖)
思わず粧子を突き飛ばし、「二人を行かせてやって下さい」ととんでもない発言をしてしまった直行。
この言葉が粧子を凶行に走らせてしまったんだろうな。
湖の向こう側で最後の授業をしている舞子と薫のもとへ向かった直行。
そこへ車で突っ込んで来た粧子。
もちろん粧子の標的は薫だったんだけど、間一髪車をよけたその先にいたのが舞子。
そのまま車は舞子を撥ね飛ばし、湖に水没。
舞子を抱き起こした薫が、「奥さんを(助けて)」と直行に叫んだのに、その直行がしばしためらったのは、やはり藤枝が言った「いっそ死んでくれたら」を思い出したからでしょうね。
藤枝と薫を一緒にいさせてやりたい直行としては、そこで一瞬だけど救助にいけなかったのかもしれない。
人間の感情とはなんと恐ろしいのだろう。
そして藤枝がもらした「いっそ死んでくれたら」は粧子の事だったのか?薫の事だったのか?
もしも薫の事だったとしたら、直行は完璧に読み間違った事になりますが・・・。

最終回
脚本:野沢尚
演出:渡邊孝好

複雑な結末だったなぁ。
舞子(秋定里穂)ははねられて死亡、はねた粧子(室井滋)はそのまま車ごと水没して水死。
藤枝(國村隼)は一人ヨットで海へ出て自殺。
残された奈々(中原知南)は里親に引き取られたってわけね。
薫(鈴木京香)は東京へ行った後、教師の他に夜の仕事をして胸を患い血を吐いて療養、結局はそのまま死亡。

そして最終回で点と線が繋がったわけだけど、直行(市原隼人)がすべてにおいてキーだったんじゃなかろうか?
藤枝先生の「いっそ死んでくれたら」を「粧子が死んでくれたら」だと思い込んだ事が、湖で舞子がはねられる原因を作ったと言っても過言ではないし・・・。
藤枝は薫に「一緒に逃げよう」と誘ったけど断られ、「会わなければよかった。いっそ死んでくれたら・・」という会話があったのね。
ってーことは、やっぱ「死んでくれたら」は薫のことだったわけで、これを粧子の事だと勘違いした事から、直行は粧子に「二人は自由になりたがってる」と言ってしまったんだよなぁ。
そう考えると直行の一言の重みを感じてしまうね。
だからこそ、療養中の薫を見舞いに行った時、薫が「もう許してあげる」とささやいたんだろうな。
誰かが直行のした事をわかって許してあげなきゃ、彼は一生引きずってしまうんだもの。
引きずると言えば、もうひとつ。
粧子が車ごと湖に落ちた時、潜って助けに行った直行が、車のロックを解除できなかった粧子を半ば見殺しにしたんじゃないか?ってこと。
身振り手振りで教えてあげる事ができたかもしれなかったのに・・・と悔いる大人になった直行(夏八木勲)。
うーん、これもどうなんだろ?
やっぱ心のどこかで「いっそ死んでくれたら」という藤枝の言葉が思い出されてしまったのかもしれないね。

心神喪失状態と思われていた野坂奈々(銀粉蝶)も、どうもそうじゃなかったみたい。
奈々の前で粧子を殺したのは自分だと懺悔する直行に、「立派な人になってね。お兄ちゃん。」と言う奈々。
粧子に「二人は自由になりたがってる」と言い、事故の引き金を引いた事を薫に許してもらい、そして粧子を殺してしまったかもという後悔の念を奈々に癒された直行。
このドラマって鈴木京香中心のストーリーと思ってたけど、実は直行物語だったのかもね。

 

SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO