焼け跡のホームランボール

原作:井上ひさし 「下駄の上の卵」
脚本:尾西兼一
演出:田中賢二

これはNHKで8月頃に放送された単発モノのドラマです。
見るつもりでいたのに、お盆の帰省のドタバタですっかり忘れてしまい見られなかったのですが、再放送してるのを5分前に気付きまして大慌てでビデオセット!
今回は逃しませんでした。(^。^;)ホッ!

なんちゅーか、戦後のまだ物資が乏しい時代の話なんですが、子供たちには野球しか楽しみがないわけなんですよ。
でも、ボールやグローブが簡単に手に入るわけじゃなし・・・たった1個のドリームボールと呼ばれるゴム製のボールが欲しくて、少年たちが山形から東京までキセルして行っちゃうような話です。
今のようにモノの溢れてる時代の私たちには、すんなりこの少年たちの気持ちになるのは難しいんだけど、見ていくうちに心が温まるような作品でしたわ。

いやぁ、やってる事は凄いんですよ。
米を東京で売ってお金にするために、服の下に隠して運んだり、電車代ないからキセルだし、他の闇米運んでる連中の米をくすねたり、お金がなくなったら有り金をくじ引きに突っ込んでみたり・・・。
でも不思議と悪い子には映ってないの。
そういう時代だったと言えばそこまでなんだけど、彼らは純粋にボールが欲しかった・・・ただそれだけのために、物凄い冒険をしてるのよ。
その様が、微笑ましくもあり、たくましくもあり、時には手に汗握り、時には(ToT)ウルウルしつつ見てました。
もう、完璧に保護者の立場だもんなぁ(^。^;)

語りが緒形拳さんなんだけど、これがまたいい意味で淡々としてていいのよ〜。
現代は子供社会といえば「いじめ」が切っても切れない雰囲気だけど、このドラマの中には所謂「いじめ」なんかなくて、騙したり騙されたりはあっても、どちらも対等な立場だからさっぱりしてるのよね〜。
モノが豊かではなかった時代だけど、心の自由とか冒険する自由とか子供が大きく育てられている時代を感じたよ。
布製のボールじゃなく、ドリームボールで練習できるようになって、最後に正(吉野奨基)がしっかりとドリームボールをキャッチしたところは、涙が出ちゃった♪
とにかく子役たちが素晴らしかった!
みんな愛嬌あって、いい意味で子供らしくて、それぞれのキャラをちゃんと演じてて・・・。
ちょっとアイ公(矢部裕貴子)が嫌な女の子だったけど、彼女も父親(大杉漣)の浮気に密かに悩んでたり、自分が歌って家族を食べさせている背景とかあって、いろいろ複雑なものを抱えてたんだもんね。
そういう難しい女の子を、子役の子が立派に演じてるのは頼もしかったです。

うん、これは子供たちに見せるのにもいいんじゃないかしら?
ただ気になったのは正の母ちゃん・・・結核の母ちゃんに高価なストレプトマイシンを買ってやりたかったのに、それはどうなったんだろう?
つみきみほちゃん、細川直美ちゃんが「私たちが手に入れてやるから、お金作って連絡しておいで!」とまで言ってくれてたんだけど、その後がわからなかったのが気になる。
少年たちが元気に野球していたラストカットから推測するに、母ちゃんも元気になったということでよいのでしょうか?

 

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