青き復讐の花

原作:アレクサンドル・デュマ 「巌窟王」より
脚本:森岡利行
演出:三枝健起

キャストに惹かれて見てみました。
アレクサンドル・デュマの「巌窟王」を元にされてるそうですが、あんぽんたんなあたくしは「巌窟王」ってどんな話だったっけ?でございまして、そういう原作の知識はなく鑑賞いたしました。

母の自殺後、南の国で植物園を経営する叔父(渡辺哲)に育てられた沙希(宮沢りえ)。
日本からその植物園を訪ねて来た丈一(岡本健一)と沙希は惹かれ合い、結婚へ・・。
ところが丈一と兄妹のように育ち、彼を想っている久美子(裕木奈江)が沙希の旅行鞄に麻薬性のある植物を隠し、沙希は不法所持で無実の罪をかぶせられ終身刑に。
うむ・・・ちょっとこの辺が無謀っちゃ無謀だよね。
沙希がいた植物園で、花に毒があり根っこに麻薬性のあるというその植物は許可とって生息してたわけだし、沙希の鞄にそれが入ってたとして調べれば無実だとわかりそうなもんでしょ?
しかもこれで終身刑って、ちょっと重くない?
まぁ、そんな設定はおいといて(笑)、監獄に入って6年後、沙希は同じく牢に入ってきた叔父から、自分の母を自殺に追いやったのは自分を無実の罪で牢獄へ閉じ込めた久美子の父・島村(平幹二朗)だと聞かされ、復讐を誓い脱獄する。
ここから沙希は日本に渡り、島村に復讐をするため近付くわけだ。

ここら辺までは良かったと思うのよ。
ただ肝心の復讐に関する時間経過が、ちょっと急ぎすぎな感じがした。
沙希がどれほど母の無念を晴らしたかったかというのも、ちょっと伝わり辛いし、結局のところ久美子も島村も丈一が殺しちゃってるし・・・。
もちろん、それは沙希がそう仕向けたことなんだろうけど。
沙希の母親を屋上から突き落としたのは、まだ子供だった丈一。
島村に引き取られて育てられた丈一が、島村の医療ミスでカルテを改ざんさせられた看護婦の沙希ママを、島村に命じられ突き落として殺したわけだ。
自分が過去に愛した男が、自分の母親を死に追いやった犯人なんだよ。
しかも子供の時に・・・。
その男に、久美子と島村を殺させ、自分のことを愛させて、最後の最後に残った復讐は、丈一の前で自分が自殺する事。
正直言って、こういう救いようのないストーリーには共感できないんだけど、何とも哀れな一生の女性を演じる宮沢りえちゃんは、とってもピッタリだったと思うわ。
そして久々に見た裕木奈江!も〜、「そうそう!この子はこうい演技なのよ!」って、独特の雰囲気に懐かしく思ったよ。(笑)

細かい部分を突っ込めば、「何で脱獄した犯人の沙希が、簡単に日本に入国できたんだ?」とか「密輸入で捕まるような植物を、どうやって日本に持ち込んだんだ?」とか、気になるところは多々あったのですが、NHKらしく風景は美しく撮られてました。
宮沢りえちゃんも、風景に溶け込んでとても美しかったですわ♪
それにしても時間配分がミスってるよなぁ。
どう考えても後半が駆け足になってる・・・惜しい!

 

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