本家のヨメ

原作：岡田理知/プロデュース：藤井裕也・諏訪道彦/
脚本：中谷まゆみ
演出：藤井裕也（第1･2･6・最終回）・国本雅広（第3･4･8･9回）・岡本浩一（第5･7回）

第1回

 日本と台湾のハーフ・のぞみ（ビビアン・スー）は、日本人の夫・慎二（中村俊介）と台湾で暮らしていたが、慎二の実家の法事に出席するため日本へ・・・。
ちょうどその時、慎二の兄が家出してしまい、跡取がいなくなったと大騒ぎする慎二の実家。
そしてその跡取の座が、慎二に・・・。
半年も前に結婚していたのに、慎二が後継ぎとして本家に入らなくてはならなくなった途端、「本家のヨメにふさわしくない」という時代錯誤も甚だしい理由で、離婚させられそうになるのぞみ。

いやぁ、単なるヨメいびりのドラマだったら、同じ「ヨメ」の立場としては見ていて面白くないし、不快だし、即刻リタイアだったんだけど、大姑のキン（岩下志麻）もいろんな事がわかってのぞみに試練を言い渡してるような所が、チラチラ見受けられるだけにまだ救いがある。

そして「三婆」の存在。（笑）
根岸季枝・中尾ミエ・鷲尾真知子の3人トリオは、「踊る大捜査線」で言うなら「スリーアミーゴス」的存在か？
個性が強くてなかなか面白い！
そして相変わらず表情が皆無に等しい岸部一徳さんの面白さ！（爆）

ただでさえ異文化の中での生活は大変なのに、その上日本人でも避けたくなる本家のヨメという立場を、のぞみがどうやって乗り越えて行くか？
思ったよりは悪くない滑り出しだった。
ただ微妙なポジションのドラマである事にかわりはない。
何かちょっとした事でリタイアしてしまう可能性は大かな？(^｡^;)

第2回

 いいぞーーー、ジュディ・オング！
ちょっと岩下志麻さんのあの演技は、「それでいいのか？」と大女優様に向かってもの申したくなる瞬間があるんだけど、それに比べてジュディ・オング最高♪
のぞみ（ビビアン・スー）を心配して訪ねて来た母親のアン（ジュディ・オング）は、電化製品もない原始的な暮らしの山田家にビックリ！
ってゆーか、あの生活は日本でももはや希少価値！
私が嫁に行っても、驚くっちゅーの！
かまどでご飯・・・炊けませんよ普通・・・。
掃除機なしでホウキと雑巾・・・そんな掃除死ぬっちゅーの！
二槽式洗濯機・・・これはなんとか使えるけど、キン（岩下志麻）が言うように水の節約にはなってないと思うよ。今時全自動の方が水の節約だって言ってるじゃん！しかも時間も節約！

アンが娘を思って買い揃えた電化製品を､全部返品なんてキンさんも酷な事するよな～。
そんなキンさんが最後に、のぞみが炊飯器で炊いたご飯とかまどのご飯を食べ比べてるのがかわいらしかったけどね。（笑）
こういう決して物分かりの悪い姑ではない所が、このドラマの救いなんでしょう。
そうじゃないとヨメの立場の私達は見ていて疲れちゃうからね。(^｡^;)

のぞみが山田家の「新しいヌカ」になって、古いだけの家風が少しでも変わることで、一番ホッとするのは春子（田中好子）だったりして・・・。（笑）

第3回

 意外と面白いんだよね。v(^^)v
玲子（高岡早紀）にお見合い話が持ち上がる。
しかし玲子は奥山家の長男・登（佐々木蔵之助）と付き合っている。
奥山家と山田家は代々いがみ合っていて、でもその理由は今となっては定かではない。
「付き合っている人がいる」と見合いを断り、登を崇（岸部一徳）に会わせた玲子だったが、登が奥山家の人間だとわかった途端、怒り心頭の崇。

奥山家と山田家のいがみ合ってる理由も、笑っちゃったよね～。
昔々、変わった色のお団子だと思って、山田家のご先祖様から出されたものを食べた奥山家のご先祖様。
途端に鼻血が出て、毒を盛られたと勘違い。
ところがその数年後にあの時と同じお団子をもらった奥山家のご先祖様、実はそれはチョコレートという食べ物で、別に毒を盛られたわけではなかったと判明したが、メンツのためにこの事は他言無用でしかし両家のいがみ合いは続いてしまったという、なんとも笑い話。

そんな事のために結婚ができなくなりそうだったと思うと、玲子と登さんもお気の毒。

でものぞみ（ビビアン・スー）が機転を利かせて、お見合いと見せかけて玲子と登を引き合わせたから、うまくいって良かったよ。(^｡^;)ﾎｯ!
両家の面々もこれで長年のいがみ合いの原因がわかったし・・・。（笑）

しかし玲子ったら結婚式の日に自分が「本家のヨメ」になった事を知るってどうよ？
それを告げる登の母（市毛良枝）さんの満面の笑みが、逆に恐ろしく感じたのは私だけではあるまい。（苦笑）

第4回

 のぞみ（ビビアン・スー）が奥山家の茶会に春子（田中好子）と出席し、お茶の苦さにむせたり、正座で足が痺れたり大失態。
そんなのぞみにお茶やお花、着付けなど一通りの作法を身につけさせようと、お稽古に通わせる事にした春子。
たった一日で嫌気がさしたのぞみは、春子のメンツのために生きてるんじゃないとお稽古を止めることを宣言。
この言葉に愕然とした春子は部屋に閉じこもりストライキ。

春子がいないと何事もスムーズに捗らない山田家。
祭の準備をする慎二（中村俊介）の役場の人たちに差し入れをしなくてはならなくなり、のぞみは一人で本を見ながら20人分の料理を作る。
ところがそれを食べた人たちが、続々と食中毒のような症状で倒れ始め・・・。

ずっとストライキしてた春子が、こっそりのぞみの作った差し入れの残りを口にして、味を確かめてるのがかわいかった。
でも自分の姑にこっそり味を見られたりしたら・・・。
いや、実際にそういう目にあった事がある私は、ちょっと背筋がぞわぞわした瞬間でもあったよ。（苦笑）

オロオロするのぞみの元に駆けつけて、「冗談じゃない！うちのヨメのせいにするな！」って啖呵切った春子、いいね～。
しかも結局はのぞみの料理が原因じゃなかったってわかった後に、まだストライキを続ける春子。
その時、のぞみに「おまえが謝れ」って言ったキン（岩下志麻）が、また良かったよ～。
やっぱこのドラマは、キンにしても春子にしてもヨメの事を、ちゃーんと考えて言ってくれてるって事が見えてるのがいい所だね。
それでも自分がこの状況に置かれたら、「お母さんは私の事を考えてくれてる」とは、きっと思えないと思うけど・・・。(^｡^;)

あと何気に心配な奥山家の姑さん（市毛良枝）。
笑って嫁いびりするなんて怖すぎるぞ～。

第5回

 のりピーってなぜに殿方に人気があるんだろう。
うちの旦那も好きなんだよね。
普段から「のりピー、のりピー」ってうるさいわけじゃないけど、テレビにのりピーが映ると「ええなぁ、のりピー♪」って感じ。
聞くところによるとあちらでもこちらでも、のりピー好きな旦那様がいるらしいし・・・。

女の子らしくてかわいくて村のマドンナ的存在だった百合子（酒井法子）が、慎二（仲村俊介）を訪ねてやって来た。
そんなかわいい人が自分の旦那を「しんちゃん♪」なんて呼んでたら、誰だって面白くないでしょう。
のぞみも不機嫌な顔をして、感情をあらわにする。

しかもその百合子が慎二の昔の恋人だと知ったら・・・。
そりゃ面白くないわな～。
抱き合ってるの見ちゃったら・・・相当頭にくるわな～。
だからって私はふてぶてしいから出て行きゃぁしないけど・・・。f(￣ー￣;)

顔や仕草が可愛いだけでなく、よく気がつくし料理もうまい百合子。
あぁ、鼻につくね～。
こういう女は目障りなんだよ。（どう頑張っても百合子になれない女のひがみ）

結局、慎二はのぞみ（ビビアン・スー）以外に目を向けることもなく、百合子の一件はちょっとしたスパイス程度で終わっちゃったけど・・・。
んー、どうかな？今回はイマイチだったような・・・。

それもこれも百合子のせいかも。（苦笑）
だってあの手の女、でーっきらいなんだもーーーん！

第6回

 親戚のばばぁどもに不妊検査受けさせられようとするなんて、考えただけでも嫌だわ。
のぞみ（ビビアン・スー）が避妊してるって言ってしまった気持ちもわかるような気がする。

玲子（高岡早紀）はお腹に赤ちゃんがいて、つわりで食欲もない。
そんな時に嫁ぎ先の舅に男の子が産まれると思い込んだような話ばかりされたり、妙なプレッシャーにしかならない話ばかりで、こっちもかわいそう。
里帰りしたくなる気持ちも十分わかるよ。

そんな玲子をキン（岩下志麻）が追い返してしまった。
追い返されて嫁ぎ先に戻った直後、玲子が流産しかけて病院に運ばれる。
キンのせいだと責めるのぞみ。

いきなり「数ヵ月後」って時間経過があって（笑）、玲子が山田家で産気づき急遽山田の家で産む事に・・・。
産む直前に玲子が「進子（すすむこ）ちゃんだったらごめんなさい。」って舅さんに言い残した言葉が、舅さんには相当ぐぐっときたみたいだったけど・・・。

結局生まれたのは女の子。
舅さんは女の子用に「歩」って名前も考えてたけど、それって男でも通用する名前じゃん！とか穿った考え方をしてしまったのは私だけ？(^｡^;)
産んだ後に「やっぱり女の子でした。ごめんなさい。」って謝ってたけどさ、私はあんな風にしおらしくできないわ～。(｀ﾍ´) ﾌﾝﾀﾞ!!!

やっぱ結婚して子供が生まれるとなれば、結構家のしがらみみたいなものを感じた経験もあるわけで、そういう背景を背負いながらの今回の話は相当ムカムカしてしまった。
相変わらずキンができた姑さんで、自分の悪かった事とかを素直に認めてのぞみに話してたシーンとかは良かったけどね。

ってうーか、高岡早紀ちゃんって実際に子供産んでるわりには、産気づく芝居が下手くそだったわね。（毒舌）
第7回 キン（岩下志麻）からホテルの宿泊券をもらったのぞみ（ビビアン・スー）と慎二（仲村俊介）。
そこに三婆が来ていて、ホテルでしっぽりとは行かなくなっちゃったね。（苦笑）
ところが美千代（中尾ミエ）の様子がおかしい。
どうやら老人ホームに追いやられそうになって、家出していたらしい。
のぞみは美千代の様子がおかしいことに気付いて、一緒に元町観光に誘ったり・・・。
できたヨメだよ～。
新婚だし、せっかくのホテルだし、横浜だし・・・絶対二人っきりでいたいところなのに、姑ならいざ知らず、おばさんだよ！
別に知らぬふり通してもいい間柄なのに、優しいわね～。
ごめん、私にはじぇーーーーーったい出来ません。
おばさんがいつも自分に優しくしてくれる人ならね～、でもそうじゃないでしょ？美千代の場合。

ただね～、老人ホームに行けって言われて、そこまで思い悩む美千代がわかんないのよ。
毎日嫌な顔されて同居してるより、お金さえあるなら老人ホームもいいじゃん！って思っちゃうのよ、私は・・・。
でもでも、うちも結婚した当初、「将来、私たちを老人ホームに入れるような事だけはしないで欲しい。」って頼まれたっけ？(^｡^;)
その時も、「なんか老人ホームを姥捨て山だと勘違いしてないかい？」と心で思いつつ、「はい。」と素直にお返事したけど・・・。（爆）
因みにうちの母親の口ぐせは「お金貯めて、豪華な老人ホームに入るんだ！」だからね。（笑）
あの母あって、この子あり・・・。f(^^;)

のぞみがいい嫁なのよね～。
言いたい事はきっちり言って、それできちんと相手を思いやる心も持ってて・・・。
こんな風になれたらいいな・・・と思うけど、ほら！私のことざんしょ？ムリムリ！（爆）

んで、最後に出てきた派手なキンもどきは何？
ドラマではよくあることだけど、まさか・・・双子？（笑）
第8回 予想通り（笑）キン（岩下志麻）は双子だった。
いつも地味なキンと対照的に妹のギン（岩下志麻・二役）は、ド派手な叔母さま。
ギンが20歳でパリに駆け落ちしたという話を聞いて、のぞみ（ビビアン・スー）の母（ジュディ・オング）が共感抱いちゃうんだけど・・・。
真相は山田家とお見合いするはずだったのはギンの方だって言うじゃない？
お見合い当日に駆け落ちして逃げちゃったから、キンが身代わりになって山田家に嫁いできた。
えーーー、身代わりーーー？
ってゆーか、ギンが嫁いだとして本家のヨメが務まったとは思えないけどね。

みんなも最初は高価なブランド品のプレゼントもらったりして、ギンにちやほやするんだけど段々そのブランド品がパリじゃなくて日本製だって事や、ふけると言ってたフルートがふけない事がバレると徐々に引き出して・・・。

のぞみにギンが山田家の蔵の鍵を取ってきて欲しいと頼んで、それを持ち出すところがキンに見つかって、ギンが「借金があるの・・・。」とか何とか言ってたような・・・。
(ﾟoﾟ;;ｷﾞｸ!
バレた？
そうなの～、このへんで寝ちゃったのよ。（激爆）

んで、ハッと気付いたらのぞみが母親に台北行きの航空券を渡してて・・・。(^｡^;)
駅でお茶を買う慎二（中村俊介）が、売店の売り子さんに「姉さん！」って驚いてて・・・。
その「姉さん」ってーのが野村真美さんで、一瞬「渡る世間？」なんて思っちゃったよ。
どうも山田の長男って八嶋智人さんみたいだし・・・。

(_ _)(-.-)(~O~)ファ・・・(~O~)(-.-)
途中寝ちゃってごめんなさい。（最近、こんなんばっかやなぁ）
第9回 あれ？このドラマって来週もう最終回なのね～。
なーんかダラダラ見てきたけど、レビュー向きじゃないから、どうも集中できないんだよなぁ。

山田家から逃げ出した慎二（仲村俊介）の兄・豊（八嶋智人）とその妻・綾子（野村真美）。
家を出た理由がボクシングのプロテストを受けるため・・・って、豊さん何歳？
もっとマシな理由はなかったんだろうか？
八嶋さんの体つきといい、その設定にはかなりの無理を感じるのですが・・・。(^｡^;)
慎二はその理由を聞いて怒ってたね～。
確かに兄の豊が自分の夢を追ったがために、慎二は台湾から戻って来なくてはならなかったのだから、怒るのも多少はわからんでもないけど、どちらかと言えばのぞみ（ビビアン・スー）がもっと怒ることなんじゃないのかな？

しかし、のぞみ・・・できた嫁だね～。
山田家に仕えるだけでなく、兄夫婦の夢を叶えるために、キン（岩下志麻）に嘘ついてまで兄夫婦の家にお手伝いに行って・・・。
あたしにゃぁ、できないわ！f(￣ー￣;)

そこまでやってもダメなもんはダメで、結局豊はプロテスト不合格。
プロテストを見に来てる三婆の妙な格好には笑ったけど・・・。
忍者かよ！（笑）

最後にキンが倒れちゃったわね。
こうなると俄然後取り問題が浮上するわけで、豊が家に戻るのか、それとも慎二がこのまま跡取として残るのか・・・。
まぁ、毎回レビューに悩むようになってきてるので、早く終了して欲しいというのが正直な感情なんだわなぁ。(¨;)
最終回 結構泣けちゃったんだよなぁ・・・。
ドラマとしてはそんなに波があるわけでもなく、わりと淡々と進んでいったストーリーなんだけど、本家でなくとも「ヨメ」の立場な者にとっては胸打つものがありました。

キン（岩下志麻）が倒れた事で、豊（八嶋智人）を山田の家に帰って来させようとする慎二（中村俊介）。
でもキンは跡取は慎二だとか言っちゃって・・・。
これも後々わかることなんだけど、結局豊の口から「戻りたい」って言葉がなかったから、キンは「帰って来い」と言わなかったんだよね。
頭を下げて頼むとか、そういうことじゃなく、本人の口から「戻りたい」という意思を確認して、それで初めて「帰って来い」って台詞が出る。
「これからは『ごめんください』じゃなく、『ただいま』ですよ！」って言葉も、温かかったよな～。

のぞみ（ビビアン・スー）が慎二と台湾に帰ったのも、自分達が山田の家にいたら豊夫婦が戻って来れないと思ったからでしょ？
台湾に戻る時に、こっそり山田家からヌカ漬けを持って帰ったり、そのヌカ漬けを食べるなり、泣き出すのぞみで私も泣いちゃったわよ。
ええ子や～～～。

三婆のタップとか最終回だけあって、お楽しみ映像もあったよね。（笑）
コミカルな三婆たちにはぴったりだったわ。鍋のふたとかで「♪チチカカ・チチカカ」やるのも、意外とドラマの雰囲気にあってて、ぜんぜん妙な感じはしなかった。

最後にのぞみがキンに会いに帰って来て、雪のちらつく中、キンに抱きついているシーンでまた涙・・・。
（ただし、自分のお姑さんに絶対あんなことは出来ないとも思ったことを付け加えておきます）

ハマったーーーってドラマではなかったけど、それなりに見られて、何よりあと味が悪くないのがよかったです。

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